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ユダヤ人の歴史 (A History of The Jews)
『ユダヤ人の歴史』 (A History of The Jews)
著者 ポール・ジョンソン (Paul Johnson)
訳者 阿川尚之・池田潤・山田恵子
徳間書店
中東と呼ばれる地域で 4000 年もの間くすぶり続けている人種・宗教・国土の争い。 恐らく大多数の日本人の、理解の範囲を超えている事の起こりはいったい何なのか。
数千年の膨大な時を、流浪と想像を絶する迫害に堪えながら、一つの民族としてまとまり続け、伝統を守り、富を築き、傑出した多くの逸材を輩出し得る、底知れぬしたたかさの源泉はいったい何か。 選ばれた民としての誇りだけでは説明できない。
本書を著わしたポール・ジョンソンはプロローグの中で
- 「現存する世界の諸民族のうちで、ユダヤ人ほど早くから自分たちが他と異なり別個の存在であることを意識した民族は、おそらくいない。 しかも彼らは今日に至るまで、恐るべき逆境の中でその独自性を保ってきた。 この異常なほどの辛抱強さは、何に由来するのだろうか」
- 「歴史には目的があり、人間には到達すべき目標があるのだということを、ユダヤ人ほど固く信じてきた民は他にない」
- 「ユダヤ人が最初に描いた構想は、宗教的なものも世俗的なものも含めて、その後多数現れる人類のための大計画の原型をなすものである」
と記している。
本書は単に時間軸を追った歴史書ではなく、歴史上の事件・人物を介して背景を考察し、その時代を形成した政治・経済・宗教的背景、残されている記録・文献等を織り交ぜて一民族の 4000 年の生き様 (死に様) を語っている。
人類史上にユダヤ人が果たした役割は大きい。 忘れやすく、利己的で、人間の目標や民族の誇りなど何処吹く風の最近の日本人には、想像するのも難しいことだろう。 100 年後、日本人は歴史的にどう評価されるのだろうか。