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『「脱アメリカ」が日本を復活させる』
著者 ビル・トッテン (Bill Totten)
徳間書店
バブル景気 (日本にもそんな時代があった) ・・・ 猫も杓子も本業を忘れて投機に走り、濡れ手に泡の欲ボケ列島になってしまった日本。 世界的名画を常識はずれの高額で落札して市場を高騰させ、挙句の果てに「俺が死んだら棺桶に入れて一緒に燃やせ」と言って世界中からヒンシュクを買った御仁もいた。 情けなさもここに極まった感がある。
他人の迷惑や不幸など一顧だにせず、ひたすら金儲けに邁進した日本列島 (儲けたのはやはり大企業そして銀行)。 そして約束された不況。 いつも泣くのは一般市民。 この国はいったい何をし、どこへ行こうとしているのか。
自由貿易、自由経済、金融ビッグバン ・・・ これでもかと言わんばかりの改革ラッシュ。 自由競争、実力主義といいながらスタンダードとなるガイドラインも無いまま大多数の中小企業や市民が経費削減の波をもろに被っている。
そして今、IT 革命の巨大なうねり。 避けられない道だとしても、放置していれば日本の通信が米国の手に牛耳られるのもそう遠くはないだろう。
これらの現象の背後にアメリカの影がある ・・・ と言われたら信じられるだろうか。
アメリカは自国利益の飽くなき拡大を最優先する。 ターゲットは自国以外の世界全域であり、各地域の情報収集 (合法・非合法を問わず) と研究を徹底して行い、巧妙、狡猾な戦略を立て、周到なシナリオを書き、そして絶妙のタイミングで実施しているのである。
日本はそのシナリオ通りに踊らされた、いや踊っているのである。 政治家も企業経営者も著名な学者も、アメリカの言うグローバル・スタンダード (その実態はアメリカに都合のよいアメリカン・スタンダード) に盲目的に追従するのみで、日本と日本人の未来を顧みていない。
我々が不況の中であえぎながら稼ぎ出した富は、いいようにアメリカに持っていかれている。 そんな図式が出来上がっている。 日本人が思うほどアメリカは日本のことを考えてはいない。 彼らにとって日本は搾取の対象でしかないのだ。
それなのに何故か日本とアメリカの関係の真実の姿を、日本の姿勢・政策に対するアメリカ国内の反応を、日本のマスコミはきちんと報道しない。
ビル・トッテンはこれらの事柄を過去の実例・状況に照らし、わかり易い言葉で説明している。 太平洋戦争開戦に絡む秘話、戦後の CHQ による日本文化の解体と教育改革 (洗脳ともいう)、そして指導者層の戦後教育を受けた者への世代交代と同期して起こり始めた経済破綻。 思わず「なる程そうだったのか」と感じ入ってしまう。 そして一般市民は日本復活のためにどうすべきかを示唆している。
著者の指摘には勇み足と思える箇所がないこともないが、日本の窮状を憂えるあまりの事とすべきだろう。 兎も角も日本人に再考を促していることには変わりがない。
大多数の日本人が「この頃、この国おかしいぜ・・・」と感じているのではないか。 是非本書を読むべきである。