こちらのエントリからの続きです。まずはこちらのエントリ内容を参照ください。
[参考] 実況内容を比較してみる(フィギュアスケート)
[参考] 【実況比較】2011 世界選手権 女子シングルSP 村上佳菜子(フィギュアスケート)
実況解説の内容比較ということで、村上佳菜子選手の演技を取り上げてみました。
今回、この演技のみの実況内容の比較になってしまいますが、それでも特色が伺える内容になって
いると思います。更に、別選手の演技などの比較を行い、比較する材料を増やすと、その特色が
確固たるものになるかもしれませんが、まずはとっかかりという面で「あくまでこの演技のみの特色」
ということとさせていただきます。
では考察に入ることにしますが、その前に、各実況者、解説者の特徴的情報をまずは述べることにします。
○解説者
どちらも女性で該当競技の経験者。
パターンAは解説歴が長い。競技者時代は現行採点方式ではなく6.0満点方式の時代である。
パターンBは解説歴は短い。最近まで競技者だったため、現行採点方式での競技経験がある。
○実況者
パターンAは男性、パターンBは女性。
(以下主観と推測)アナウンサー歴はパターンAの方が長い。該当競技の実況歴及び知識内容に
関してはパターンBの方が豊富。パターンAは体言止めというか倒置法というか、独特の(癖のある)
言い回し。パターンBはオーソドックスで当たり障りのないやわらかな言い回し。
では、着目点をピックアップして考察してみましょう。
○競技者紹介
競技者に関して必要な情報を紹介しているかどうか。
村上佳菜子選手の場合は、以下の内容辺りは紹介しておいて欲しい内容になるのかな。
・昨シーズンの世界ジュニアチャンピオン。
・今シーズンからシニア参戦。
・勿論、世界選手権初出場。
あとは、オプションで色々と織り交ぜてみる、と言ったところでしょうか。
○演技の見どころ
演技で注目しておく内容を伝えているかどうか。
・プログラム使用曲は「ジャンピング・ジャック」。
・元気で明るいプログラム。
・最初の大技である3回転-3回転のコンビネーションジャンプ(3T+3T)。
○演技の出来栄え
各要素内容の出来栄え(加点要素や減点要素)、演技全体の出来栄えを正しく伝えているかどうか。
・3T+3T< のセカンドジャンプのUR判定。
・2A着氷後のSO。
・LSp、SlStの出来栄えの良さ。
・最終的なジャッジスコアと出来栄えについて。
○その他
・選手の心境、心理状態。
・会場、観客の状況、雰囲気。
・その他、伝えておく必要のある内容など。
では、それぞれのパターンで、どのような特色が出ているのでしょうか。
○競技者紹介
パターンAでは昨シーズンの世界ジュニアチャンピオンという紹介はなし。但し、今シーズンの全戦
表彰台乗り、冬季アジア大会で優勝、愛知県選手権にも出場と、今シーズンに特化して詳細を
紹介するという点では問題なし。
パターンBも問題なし。
○演技の見どころ
パターンA、パターンBとも要所は抑えた内容で問題なし。
○演技の出来栄え
パターンA、パターンBとも3T+3T<のURは言及できず。
パターンAに関しては、演技中にLSp、SlStの出来栄えの良さを伝えている。パターンBは特になし。
パターンBに関しては、スコアの詳細(TESとPCS、シーズンベストとの比較)を伝え、スコア発表後には
何か「取りこぼしかジャンプの回転不足」があるかもしれないことをコメントする。パターンAは特になし。
○その他
【共通】
・たくさんの(日本人の)応援。
・演技終了後に競技者がホッとした表情。
・「甦れニッポン」のワッペン。
・競技者はスコアに満足していない。
【パターンA】
・実況者の決めつけ主観が多い(前髪おろしは決意の表れ、試合での調整に拘った、等)。また、不要と
思えるコメントが多い。
・解説者が競技中に良い点などを極力盛り込もうとしている。
【パターンB】
・実況者、解説者とも競技中は極力コメントを控えている(ジャンプ要素のみコメント)。
・女性的目線(チークやコスチュームについて)のコメントあり。
といった感じでしょうか。まとめてるつもりが収集せずに発散しているようでもありますが(汗)。
簡単に言ってしまうと、
両パターンともに伝える必要のある内容は概ね抑えている。但し、パターンAは不要と思える
飾り付け内容が目立ってしまう状況にあり、故に焦点がぼやける傾向になってしまう。
パターンAは競技中に難しい面を極力抑えて分かりやすくコメントする、一般視聴者向け。
パターンBは極力競技に集中する方向で競技後に内容を掘り下げる、ある程度の知識を持った
視聴者向け。
と言うことになるのかなぁと、思った次第でありました。
ただ1点、どちらのパターンにしても3T+3T<のURについては解説者のレベルでも即座にコメント
できない、一見では分かりにくい失敗の見極め判断が難しい、という面が残ることにはなりますね。
っと、これはまた、別の話になりますかねぇ・・・。
つたない内容で長文になりましたが、最後までご覧頂きまして有難う御座いました。
こちらははじめましてです(^^)
基本的に付き合いの長いブログ以外ではコメントをいれないのですが興味のある内容だったので拙いコメントをいれさせていただいます。。
私も前から実況に関しては色々考えてました。
TVで視聴者は判断材料にしてるのでネットでのあらぬ批判の要因の一つになってるような気がします。
パターンAは以前からスケートファンから不満が多く今期は特にパターンBの方のチャンネル視聴に乗り換えたという意見をネットでよく見かけました。
パターンAについてはプロレスの中継に似てるなと思ってました。。
野球やサッカーの中継であれば選手達の試合中の行動を実況していればアナウンスとしては成り立つのでしょうがフィギュアスケートでは同じやり方では通用しないと思うのです。。
しかしながら一般の人に説明しにくいということと、でも視聴者に伝えなくてはいけないということ。。
それで十分ニーズがあることが地上波における問題なのだと思います。。
HIDEさんが仰るようにそれほどフィギュアスケートに興味をもってない友人知人(一般的な視聴者)の話を聞くとパターンAでもさほど違和感がないのが実情なのではないかと思っています。
以前、アナウンサーの方の実況の練習風景をTVで見たことがありますが、日々の生活や道を歩く人々を実況するというものでです。。
パターンAのアナウンサーさんもそういう訓練をしてきたんじゃないかと思うんですよね。
ただパターンC(勝手につけました)の地上波でもファンから好意的に思われる実況もありますし、同じA局であっても結局そのアナウンサーのスケート実況者としての質の問題のような気もします。。
GPSが放送されるB局は前に比べると実況がずいぶんマシになったと思いますからパターンAの実況者も出来ないことではないと思うんですけどね・・・。
別のアナウンサーに変えてほしいという話も多いですがなにぶんネット上で問題の多い種目のアナウンサーは競技を理解するのも大変だしバッシングされることも多いようなので他になり手がないのではないかもしれません。。
> kママさん
コメント有難う御座います。
そうですね。ことフィギュアスケートに関しては他の競技と同様の実況手法では賄えず、独特且つ特殊な手法が必要で、そのためのスキル知識も当然必要、ということなのかもしれませんね。
そのためには実況者、解説者自体がこの競技自体の実況の場数を踏む、経験を積む、ということが重要になるのでしょうが、そもそも競技の大会数自体が限られているのでそれもなかなか難しいですし、そもそも向上させようという意欲姿勢がないと意味がない、現状で良しとしてしまうとそれで終わってしまう、という部分がやはりネックになるのかなぁと感じてしまうところが大きいです。
そう言う意味でも、「本当に、実況者と解説者、それぞれ役割を分けた担当が必要なのか。一人で両方やってしまった方がシンプルで、質的な向上改善もしやすいのでは。」とも思ってしまったりもしています。向上改善、即ち「教育」もコストがかかることですし、ね・・・。
ん〜、やっぱりなかなか難しいところですわ(^-^;。
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