March 27, 2011

実況と解説

Weblogにフィギュアスケートのカテゴリを新設してみました。
今までカテゴリとして用意していなかったのが不思議なくらいなのですが、個人的にはなかなか扱いが難しいカテゴリだと感じているのも事実です。

さて、フィギュアスケートの放送を視聴していてふと、違和感を感じるのがこの部分。実況と解説についてです。
本来、実況と解説の意味合いは以下の通り。これが基本になるはずです。

実況:現実のありのままの姿。実際の状況。
解説:物事の要点・意味などをわかりやすく説明すること。また、その説明。

しかし、フィギュアスケートの放送ではこの役割分担は意味をなしていない状況です。

例えば、選手が今まさに演技している要素(ジャンプやスピン、ステップなど)を述べる、このことは普通、実況になるはずなのですが、実際は何故か解説者が述べていることが殆どです。(ちなみに、実況は放送局のアナウンサーが、解説は競技経験者が行うことが殆どです。)

酷い例はこんな感じ。(地上波民放でよく見かけます。)

解説者「トリプルサルコウ、トリプルトゥループ。」
実況者「三回転、三回転〜っ!」

なんじゃこりゃ!?(汗)
解説者の発言内容で実況自体が既に過不足なく完結していて、更にそのあとの実況者の内容の意味のないこと。トリプルって言ってるのに、三回転って言い直さなくても、観ている視聴者はわかりますって!それとも、ここまで噛み砕かないと視聴者はわからないだろうとかなんて、本気で思っているのでしょうか?もしそうだとしても、わかりやすく噛み砕くのは実況じゃなくて解説の仕事です。役割がめちゃくちゃすぎる。
正直、解説者が実況するのなら、実況者が無意味な実況しかしないのなら、実況者なんて不要です。素人目に見てもこんなおかしなことが平気で行われているのが不思議でなりません。

更に酷いと実況者が「光り輝く云々〜、氷上にに舞い降りた云々〜!」などと実際の状況とは全く関係のない、まるで幻影でも見ているかのようなことをのたまう有り様!
フィギュアスケートは「音楽との調和」という部分も非常に重要な要素なのに、その部分を完全に邪魔するような放送を平気で行う。これで良しとしている神経を疑います。
なので、副音声で実況解説なしでの視聴が重宝されたりするわけです。

このようなおかしな状況になっている原因の一つとしては、実況者のスキルやレベルの問題(実況する競技自体の理解不足、更には、そもそも実況の意味すら理解していない)ことがあるように思えます。そうなると、解説者が実況まがいに演技要素を伝えなきゃならなくなるのも頷けます。
また、逆の見方として解説者のスキルやレベルの問題もあるのかもしれません。具体的な解説が行えない解説者に対しては、あえて演技要素を伝える役割を与えている、ということもあるのかもしれません。

じゃあどうすればいいのか。実況と解説、本来の役割を行えるスキルレベルになること、というより意識付けから改めないといけないのかもですね。

実況者「(ジャンプ前の滑走段階で)アクセルの姿勢に入りました。」
解説者「(ジャンプが終わって)トリプルアクセル、トリプルトゥループ。アクセルは流れも良かったのですが、セカンドジャンプはツーフットでジャッジの見方では減点対象になるかもしれません。」
実況者「5つめの要素、足換えコンビネーションスピンです。」
解説者「バックエントランスからチェンジエッジ、体制を変えて最後はドーナツスピン。独特な体制のスピンもあり、足換えもスムーズで、レベル4の要件を満たしたスピンです。」

ってな感じの、ちゃんと役割分担できている、ごくごく普通の放送をして欲しいんですけどねぇ。やっぱ、そこまで望むのは難しいのかなぁ・・・。

Posted by HIDEchan at 12:00 AM | コメント (0)