「地盤品質判定士」について、新制度を解説しています。

地盤品質判定士
◆「地盤品質判定士」新設の目的東日本大震災で、宅地の液状化や地滑りが大規模に発生したことや、これまでの地震によって発生した住宅や宅地の被害を教訓として今後、このような事態が発生しないように被害を防止、軽減して、一般消費者が安心して宅地や住宅を購入できるようにするためには、地盤の専門知識を持った技術者の育成制度が必要になることから、地盤工学会や日本建築学会、全国地質調査業協会を発起人に、多くの住宅や宅地の関係団体の参画により「地盤品質判定士」の資格制度が2013年2月に創設されました。
⇒ 資格制度に関して、詳しくは地盤品質判定士資格制度へ
地盤品質判定士資格制度の概要
◆資格の種類
この資格制度では、「地盤品質判定士補」と「地盤品質判定士」の2種類の資格があります。
前者は「地盤の評価(品質の判定)に必要となる基礎的な知識と経験を有する者」、後者は「地盤の評価(品質の判定)ができる専門的な知識と十分な経験及び高度な技術力を有する者」です。
試験では、住宅の造成,地質・地形・地盤の調査,住宅等の基礎,地盤の液状化や安定性の評価,基礎の沈下や傾斜,地盤改良と地山補強,及び技術者倫理などに関する基礎的な知識と地盤の評価(品質の判定)に関わる経験及び技術力を判定します。
【受験条件】
試験を受験するには、受験申込みを行う時点で下表に示す資格を有していることが必要になります。
資格の認定機関 | 試験の実施機関 | 資格の名称 |
文部科学省 | 日本技術士会 | 技術士 (建設部門の土質及び基礎分野) (応用理学部門の地質分野) |
国土交通省 | 建築技術教育普及センター | 一級建築士、二級建築士 |
土木学会 | 土木学会 | 特別上級・上級・一級土木技術者 (資格分野:地盤・基礎) |
全国地質調査業協会連合会 | 全国地質調査業協会連合会 | 地質調査技士 |
地盤保証検査協会 | 地盤保証検査協会 | 一級地盤検査技士 |
住宅地盤品質協会 | 住宅地盤品質協会 | 住宅地盤主任技士 |
建設コンサルタンツ協会 | 建設コンサルタンツ協会 | RCCM (部門:地質) (部門:土質及び基礎) |
【試験方式】
試験は一次試験と二次試験で構成されています。
・一次試験:地盤の評価(品質の判定)に必要となる基礎的な知識と経験を有することを確認する。
:四肢択一のマークシート式筆記試験 ・出題数 50問 ・試験時間 120分
:試験の区分は7区分
①宅地の造成 ②地質・地形・地盤の調査 ③住宅等(小規模建築物)の基礎 ④地盤の液状化
⑤地盤・抗土圧構造物の安定性及び基礎の沈下・傾斜 ⑥地盤改良と地山補強 ⑦技術者倫理
・二次試験:地盤の評価(品質の判定)ができる専門的な知識と十分な経験及び高度な技術力の確認
:記述式筆記試験 ・出題数 3題(1題につき800字程度の解答をする) 試験時間180分
:試験の区分は3区分
①地盤の液状化 ②基礎の支持力と沈下 ③盛土・切土と抗土圧構造物
:配点:各区分50 点 計150点満点
※合否判定
地盤品質判定士:一次試験(四肢択一式)と二次試験(記述式の筆記試験)の合計点により判定 そのいずれもが一定の基準に達していることが必要。
地盤品質判定士補:一次試験(四肢択一式)の点数で判定(基準に達していることが必要)
試験の詳しい内容 ⇒「地質判定士の検定試験(受験の手引き)」参照
新資格「地盤品質判定士」の第1回試験が平成25年9月に東京と大阪で行われ、1317人が受験。地盤の安全に対する関心が予想以上に高いことを感じさせました。1次、2次合格者は登録により「地盤品質判定士」の名称が使用できますが、1次試験だけの合格者は「地盤品質判定士補」の名称になります。。