「CATV技術者資格試験」の試験制度について、改定内容を解説しています。

「CATV技術者資格試験」の制度改定
◆CATV技術者資格試験制度改定の目的2011年7月の放送の完全デジタル化に伴い、日本CATV技術協会では通信放送サービスの高度化や、安全・信頼性を規定する新放送法の公布などの情勢を踏まえ、従来の資格制度を見直し、平成23年度から「CATV技術者資格制度」を新設しスタートすることを決定しました。
※CATVエキスパート試験(2011年11月受付開始、講習1月、試験2月)から開始。第2級CATV技術者試験は平成24年度から開始しました。
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改定内容
従来の資格制度では、昭和58年(1983年)に「有線テレビジョン放送技術者資格制度」が設けられ、CATV施設の設置、運用、維持管理等の業務に従事するに必要な技術水準を高めるための講習及び試験が実施され、約34,000人の技術者が育成されました。新しく創設されたCATV技術者資格試験制度では、従来の第1級有線テレビジョン放送技術者資格を、3つの専門分野(受信調査・施行・システム)別の「CATVエキスパート」とするとともに、3分野すべてのエキスパート資格を取得した者を「第1級CATV技術者」とし、3分野に加えてブロードバンド分野のエキスパート資格を取得した者を「CATV総合監理技術者」としています。
また第2級CATV技術者については、デジタル時代のCATVに関する基本的技術知識を有する資格所有者として、広くCATV分野の従事者育成に従事してもらうことになっています。
■試験科目
・エキスパート資格:法規及び各専門技術(受信調査、施工、システム、ブロードバンド)
・第2級CATV:法規及び技術
※原則として講習・試験が実施されます。但しエキスパートは、試験のみの受験もできます。
※法規はエキスパート、第2級に共通の試験科目となります。またエキスパートは、複数の専門技術試験を同時期に受験することもできます。
【科目の内容】
科目 | 細目 |
受信調査 | 放送方式 無線送信と電波伝搬及びその応用 放送の受信技術 建造物による受信障害調査及びその対策 CATVに係る新調査技術 |
施工 | CATV施設の設置工法 施設の点検保守 施設の強度設定及び実施設計 現場管理と安全管理 光ケーブルを使用した伝送路 |
システム | 各種放送方式 CATV伝送システム(性能、品質基準を含む) ヘッドエンド及び端末機器類 共同受信システム 測定技術 |
ブロードバンド | 通信ネットワークの基本技術及び伝送技術 ケーブルネットワークにおける通信システム ケーブルモデム技術及びIP電話の技術 IPアプリケーションやホームネットワーク等の新システム |
技術(第2級) | CATVの概要 受信調査の基礎 施工の基礎 システムの基礎 ブロードバンドの基礎 |
法規 | 有線電気通信法 放送法(有線テレビジョン放送に係る部分) |
■試験と講習
・エキスパート:講習会は、全国8ヵ所で開催。試験は8支部で開催(2013年度)
・2級CATV:講習、試験共8支部での開催(2013年度)
・エキスパート・2級CATV、両資格試験共に年1回以上(エキスパートは2月頃、第2級CATVは7月~8月頃開催)の実施を予定。
■資格付与と有効期限
・法規試験と専門科目試験を2年以内に合格した者に当該技術資格が付与されます。
尚、全ての資格有効期限は技術試験合格時期起算で原則5年。また全ての資格は更新ができます。
・更新は、資格有効期限内に所定の更新課題レポートの手続きにより行われます。
・協会指定の講習会(e-Learningを含む)を受講し、一定のポイントを得た者に対して、資格の更新課題レポートを免除するポイント制が、平成24年9月10日から導入されています。
(注)現行資格所有者の新資格への移行については下記で確認ください。
⇒現行資格者の移行基本方針
※移行講習等による移行手続きは、原則として現行資格者の資格有効期限内で実施し、平成29年9月までの措置となります。
第2級CATV技術者資格は、CATV技術者資格のエントリーレベルでケーブルテレビに関わる技術者の裾野の拡大を目指しています。ケーブルテレビの基礎技術をマスターしたい方や、ケーブルテレビ業界への就職を考えている学生の皆さんにはお勧めの資格試験です。 |
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