・テイルズ オブ エクシリアのネタバレ問題について語ろうか…。
最初に断っておくが、これはあくまで個人的な見解。一応、自分は発端となった韓国の大手ゲーム出版社ことGamerZの記者をやっているが、GamerZの意見ではないのであしからず。そもそも、これ自体、GamerZに許可も取らずに載せているw
だって、GamerZの記者と言いつつも日本でしか売ってないゲームを送ったり、たま〜にカンファレンスに行ったりするくらいで基本的に雑誌には関わっていない。っていうか、給料も払わずに人に仕事頼むなんてファックだな!って思ってるくらいwww
ってな感じで、編集部とのやりとりというのが殆どなくてどういう状況なのか詳しいことまでは分からないが、今のところ分かってることをまとめる。
今回の騒動の簡単な流れ
2chのテイルズの本スレに何者かが画像付きでネタバレ投下
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ネタ元って韓国版の特典の翻訳冊子じゃね?
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はちまとJINが取り上げて拡散
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各所でネタバレが蔓延、pixivにすら投下される事態に
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はちまとJIN、TOXのネタバレ元判明と記事に。流出元が9月3日売りのGamerZと判明
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バンナムブチキレ。公式見解を出す
http://www.bandainamcogames.co.jp/cs_support/info/ps3_tox.html
以下、バンダイナムコゲームス公式サイトより引用
プレイステーション3用ゲームソフト「テイルズ オブ エクシリア」に関するお知らせ
平素は弊社製品をご愛顧いただきまして誠にありがとうございます。
弊社が2011年9月8日に発売を予定しておりますプレイステーション3用ゲームソフト「テイルズ
オブ エクシリア」について、韓国の大手ゲーム出版社が、その企画・内容等について弊社の監修を経ていない攻略記事の載った雑誌を制作し、その記事内容が一部インターネット上で事前に公開されていることが確認されました。
また、韓国で発売されるプレイステーション3用ゲームソフト「テイルズ オブ エクシリア」には特典として「シナリオブック」が付属するという誤った情報が一部で流布しておりますが、弊社ではそのような公式特典物を用意いたしておりません。
プレイステーション3用ゲームソフト「テイルズ オブ エクシリア」の発売をお待ちいただいているお客様にはご心配をおかけし、誠に申し訳ございません。
弊社としても大変遺憾であり、然るべき対処を検討致してまいります。
とまぁ〜テイルズ オブ エクシリア(以下TOX)のネタバレが国境を越えた大問題に発展してしまっている。ネタバレの大元となった韓国の大手ゲーム出版社のGamerZが悪の親玉みたいに言われているが、誤解されているところもあるので、Q&Aでまとめてみることにした。
−韓国で発売されるTOXにつくシナリオブックってなに?
完全にローカライズしてくれるのは任天堂とアトラスくらいで、普通は日本語版のゲームにハングルのマニュアルを入れた物が販売されている。しかし、アクションゲームとかであればマニュアルだけでもいいが、RPGとなると楽しむには言葉の壁が出てきてしまう。そこで、RPGなどにはセリフやシナリオを翻訳した冊子を付けたりしている。この冊子と照らし合わせながらプレイするわけだ。
勿論の事、全部のゲームに翻訳冊子が付いてくるわけではない。そういった場合はというと雑誌にセリフやシナリオを翻訳した記事が載るのだ。当たり前だが、ちゃんと掲載許可を取った上で載せている。
ちなみに韓国だけでなく香港や台湾などのアジア圏のゲーム雑誌の殆どは翻訳を載せている。別に韓国だけ特殊な事情というわけではなく、ローカライズしないで日本のゲームを売っている国は大体同じ様な事をやっているわけだ。
−バンナムは翻訳シナリオブックなんざ知らんと言ってるけど?
>韓国で発売されるプレイステーション3用ゲームソフト「テイルズ オブ エクシリア」には特典として「シナリオブック」が付属するという誤った情報が一部で流布しておりますが、弊社ではそのような公式特典物を用意いたしておりません。
翻訳冊子が存在しないような事になっているが、実際には存在する。そもそも予約の時点で翻訳冊子を特典として付けると売り文句にしていた。翻訳冊子を用意したのは流通業者なのだが、それにしたってバンダイナムコパートナーズコリア(以下バンナムコリア)の許可は出ている。というか企画はバンナムコリアだろう。つまり、バンナムの公式特典なのかは別としてバンナムコリアの公式特典には違いない。しかし、この騒動のお陰で翻訳シナリオブックが正式に無かった事になったらしく、バンナム的には本当に存在しなくなったわけだw
分かりやすく説明すると。
バンナムコリア「バンナムに内緒で翻訳冊子を付けよう。半分はGamerZに回そう」
バンナム「おい!冊子って何だよ!聞いてねぇぞ!」
バンナムコリア「そんなの知りません!全部GamerZが勝手にやったんです!」
ってな感じかとw ぶっちゃけ、特典の冊子だって既に刷り上がってるだろうし(っていうか販売店に納品済み)、証拠として残ってるじゃんと思うが、まぁ〜バンナム的には無い物は無いと。
−バンナムは勝手に載せたとか言ってるけど?
>韓国の大手ゲーム出版社が、その企画・内容等について弊社の監修を経ていない攻略記事の載った雑誌を制作し〜
まるで無許可で勝手に載せたみたいな事になっているが、真相はどうなのかというとバンナムコリアに許可は取っている。というか許可を取らないとサンプルROMは貸して貰えない。
しかし、バンナムコリアがバンナムに許可を取っていたかについては不明。バンナムコリアも今回の事件でGamerZが勝手にやったって態度を取るだろうし。恐らくGamerZとバンナムコリアとの間で水掛け論に発展するかと思われる。韓国ってそういう国民性だし…。もし日本だったら許可を出したという証拠になるメールが1通でもあれば言い逃れは出来ないんだが…。
−攻略がゲームの発売日前に載るっておかしくね?
ファミ通だって1週間前から攻略が始まってますけど? というのは置いといて、韓国じゃ発売日前に載るってのは当たり前。とくに翻訳の場合はタイミングを逃したら来月までお預け。なので、その月に出るゲームの翻訳が予め載るってのは良くある事。「ネタバレになってしまうがゲームが発売するまで読まないでね♪」というスタンスだ。当たり前だが、先に載るってのもちゃんと許可を取った上での事。公開していい期間を指定すればちゃんとそれに合わせて載せるし、内容に関してもチェックはしてもらう。その辺はちゃんと守っているはずだ。
タイミング的に先出しになっちゃうなら別にGamerZが載せなくても他の出版社の雑誌が載せればいいんじゃね? と思うだろうが、韓国にはゲーム雑誌が今回のGamerZしかない。しかも月刊誌なので、どうしても先に載せるしか無いわけだ。
−韓国の大手ゲーム出版社に落ち度はないの?
あるw絶対にあるwww と言っても聞いてないのでどこが落ち度か分からんので、こっからは妄想でしかないが、自分が思うに雑誌の発売日が伝えられてなかったんじゃないかと。ぶっちゃけ、韓国の大手ゲーム出版社と言えども雑誌の発売日はバラバラだし。っていうか、日本の雑誌と違って毎月何日って固定されておらず、上旬とか中旬とかだし。バンナムコリアも発売後くらいと思ってたんじゃないかと。ハッキリ言って、TOXの発売日を考慮して発売日を8日にズラしておけばこのような事は起きなかったはずだ。日本の様に出版社よりも印刷会社や物流の力が強く発売日は厳守ということはないので、できない事はなかったはずだ。
−然るべき対処を検討と言ってるけどどうなんの?
今のところ想像でしかないが、しかるべきと言っている以上、バンナムの法務部から通達が行くのは間違いない。まずは現在出回っているネタバレの載った雑誌の回収。コレは普通に考えれば妥当な線だろう。そして、広告の打ち切りと素材提供の取りやめ。コレもここまで問題が大きくなってしまった以上避けられないはずだ。それともうひとつ東京ゲームショーの出入り禁止。バンナムはCESAの理事の為にもしかしたらあるかもしれない。コレに関してはGamerZの記者という立場なんで俺が困る(汗)。出入り禁止は無いにしても名指しでCESAの会員のメーカーに通達が廻るかもしれないので各ブースでの取材が断られる可能性も考えられる。
確かにGamerZに落ち度はあるにせよバンナムコリアにだって非があるわけだが、ブチキレ公式見解を見る限りはバンナムコリアはお咎め無し。完全にGamerZの責任にするんじゃないかと思われる。ちなみにネタバレを流した張本人や拡散したJINとはちまに関してはよっぽどの事が無い限りお咎め無しかと。
バンナムの態度からして訴訟に発展するのは目に見えている。もしGamerZが生き残りたいならば「掲載を許可をした」という証拠を盾に徹底的に戦うしか道は残されていない。
どうやらGamerZの公式見解が出たようだが、やはり戦うようだ。予想通りバンナムコリアから許可を貰った事を盾にしている。こりゃ〜泥沼になるね…。
(ちなみにGamerZの言い分はバンナムとバンナムコリアに精神的苦痛を受けた謝罪と賠償を要求する!ではなく、謝罪はするので公式見解を撤回してくださいだ。)
自分の分かっている範囲はこんなモン。ハッキリ言って、GamerZもバンナムもバンナムコリアも意思の疎通ができていないために、こういった事態になったのかと思われる。ネタバレをゲームの発売日前に載せてしまったのはマズかったが、韓国のゲーム事情を考えれば仕方ないとも言える。公の場へのネタバレの投下と拡散に関してはふざけんな〜だがw
だったらローカライズしろよと思うが、ぶっちゃけ韓国のゲーム市場はもの凄く小さく最高で10万かそこら。今回のTOXだって1万かそこらのタイトル。わざわざ、ローカライズするよりは冊子で済ませた方がマシ。
それにだSCEの方針なのか、がわざわざローカライズなんかせずに日本のタイトルを日本と同じ発売日に売るのがここ数年当たり前になっている。つまり、翻訳冊子や翻訳を雑誌に載せなくちゃ遊べないのものを分かっていて売っている。そういう土壌が作られてしまっているのだ。
感想等がありましたらTwitterにでも。メールよりも見てる頻度高いしw
(pusai)