vsftpd は起動時に構成ファイル vsftpd.conf を参照する。
vsftpd.conf は vsftpd の様々な動作オプションを制御する。
vsftpd.conf に記述するステートメントは行の終端で終了する (終端記号なし) 。
ステートメントはディレクティブとその値を "=" で結んだ形式で記述する。
directive=value
- directive の部分に有効なディレクティブ、value の部分に有効な値を入れる。
- "=" と directive, valueの間にスペースがあってはいけない。
- 先頭に # のある行はコメントと解釈され、vsftpd は無視する。
以下に vsftpd.conf で使用するディレクティブの抜粋を示す。
記述中の
value に相当する値は推奨値である。
defaule : の記述について
インストール時に生成される vsftpd.conf のディレクティブには、値を設定済のものやコメントアウトしてあるもの、
あるいはディレクティブの記述が省略されているものもある。
それらデフォルト値と、それを vsftpd がどのように解釈するかを次のように表記した。
表記 | 意味 |
値 | 設定されている値 |
設定なし [ 値 ] | ディレクティブの記述はないが、[ 値 ]が設定されているとみなされる |
コメントアウト [ 値 ] | コメントアウトされているが、[ 値 ]を設定してあると認識される |
- default : YES
- YES
vsftpd はスタンド アロンで起動する。
- NO
vsftpd はxinetd ベースで起動する。
- default : YES
- YES
ホスト アクセスファイルをアクセス制御に利用する。
- NO
ホスト アクセスファイルをアクセス制御に利用しない。
- default : 設定なし [ YES ]
- vsftpd のログイン セッション維持を制御する。
- YES
セッションを維持し、utmp と wtmp の更新を試みる。
認証に PAM を使用している場合は、pam_session を open し、ログアウト時に close する。
- NO
ログイン セッションを維持せずログを取得しない。
vsftpd はより少ない処理、少ない権限で動作する。
- default : YES
NO を推奨する。
- YES
匿名ユーザ (anonymous, ftp) のログインを許可する。
匿名ユーザはパスワードなしで /var/ftp にログインできる。
- NO
匿名ユーザ (anonymous, ftp) のログインを許可しない。
不特定多数に公開する目的がなければ NO としておく。
- default : 文字列を記述しコメントアウトしてある。
- ログイン時にクライアントに対して文字列を表示する。
- 必要であれば文字列を編集し、コメントアウト記号を外す。
- default : YES
- YES
ローカル ユーザ アカウントによる ログインを許可する。
- NO
ローカル ユーザ アカウントによる ログインを許可しない。
- 他のパッケージではデフォルト値が NO となっている場合もある。
- default : vsftpd
- vsftpd 用 PAM サービス名を指定する。
PAM は指定されたファイルを /etc/pam.d 内で検索し open する。
- 他のパッケージではデフォルトが ftp となっている場合もある。
- default : YES
- ユーザをリストアップしたファイル (userlist_file で指定) の 有効/無効 を指定する。
- YES
リストアップ ユーザは、userlist_deny によるアクセス制御対象となる。
- NO
リストアップ ファイルは無効。 ユーザ名によるアクセス制御は行わない。
- 他のパッケージではデフォルト値が NO となっている場合もある。
- default : 設定なし [ YES ]
- このディレクティブは userlist_enable が YES の場合のみ意味を持つ。
- リストアップ (userlist_file で指定) ユーザのアクセス拒否を制御する。
設定値による制御状況は次の通り。
userlist_deny | リストアップ ユーザのアクセス | その他ユーザのアクセス |
YES | 拒否 | 許可 |
NO | 許可 | 拒否 |
- アクセス拒否のタイミングは、パスワードを問われる前に拒否 (permission_denied) される。
- default : 設定なし [ /etc/vsftpd.user_list ]
- userlist_enable が YES の場合に参照するファイルを指定する。
ディレクティブなしでも、デフォルトで /etc/vsftpd.user_list が参照先として指定される。
- デフォルト指定ファイルは、インストール時に生成 (システム関連名をリストアップ) される。
- 違うファイル名で運用する場合はディレクティブを追加してファイル名を指定する。