評判の芳しくなかった(つまり売れなかった)vista の後釜として Microsoft が窮余の策で投入した Windows 7 (seven)。名称通りに新しいコンセプト(新バージョンのメジャー・リリース)の OS なのかというと、どうもそうではないらしい。
windows vista のバージョンは 6.0 でしたが、windows 7 の実際のバージョンはどうなのでしょう。
windows のバージョンは様々な方法で確認できます。
- [スタート] のメニューの [プログラムとファイルの検索] に winver と入力します。
- [プログラム] の項目に winver.exe が表示されるので、クリックまたは [enter] を押します。
- 開いたバージョン情報の、バージョンとビルドの項(赤枠)を読みます。
バージョンは
6.1、ビルドは 7601 と表示されています。
※ ちなみに windows vista は、バージョン 6.0、ビルド 6002 と表示されます。
また、コマンド プロンプトを開いた時のメッセージや、そこで ver と打ち込んでもバージョン情報は得られます。
■ コマンド プロンプト |
Microsoft Windows [Version 6.1.7601] Copyright (c) 2009 Microsoft Corporation. All rights reserved.
C:\Users\UserName>ver
Microsoft Windows [Version 6.1.7601] |
バージョン番号(6.1)に続けて、ビルド番号(7601)が並んで表示されています。
vista でも確認してみます。
■ コマンド プロンプト |
Microsoft Windows [Version 6.0.6002] Copyright (c) 2006 Microsoft Corporation. All rights reserved.
C:\Users\UserName>ver
Microsoft Windows [Version 6.0.6002] |
windows 7 (seven) の実態はバージョン 6.1 なんですね。vista からマイナー バージョン アップされただけの代物(OS)でした。ユーザ インターフェースも vista とほとんど変わりません。
しかし windows XP が windows 2000 からのマイナー バージョン アップだったにも関わらず多くのユーザーから受け入れられた OS であったことを考えると、windows 7 が バージョン 6.1 であるという事実はそれほどガッカリすることでもないでしょう。
vista に向けられたユーザーの不満(起動が遅い、XPで使用していたソフトが使えない)は windows 7 でかなり改善されているように感じます。
windows 7 の正体(実際のバージョン)は 6.1 でした。それなのに何故 "7" という名称にしたのでしょう。
「Microsoft 社内での開発コード名を、そのまま製品名にした」ということらしいのですが、その辺りの事情を Microsoft 社 Windows 製品担当のマイク・ナッシュさんが、公式ブログ
Why 7? の中で語っています。
それによると、windows の製品名とバージョンの関係は次のようになるらしい・・・
製品名 | バージョン番号 |
Windows 1.0 | 1.0 |
Windows 2.0 | 2.0 |
Windows 3.x, Windows NT 3.1 | 3.x |
Windows 95, Windows 98, Windows ME, Windows NT 4.0 | 4.x |
Windows 2000 | 5.0 |
Windows XP | 5.1 |
Windows Vista | 6.0 |
Windows 7 | 6.1 |
どうやら「クライアント向けの7番目のメジャー リリースだから seven なのだ」と言っているようなのです。
さらにバージョンを 6.x のままにしたのは、Windows Vista に改良を加えた(新規開発ではない)製品であることと、windows のバージョン番号をチェックするアプリケーションへの配慮とのことです。
旧製品との互換性を保ちつつ、一般ユーザには新しい Windows として広く受け入れてして欲しい・・・ Microsoft のしたたかなマーケティング戦略が見えるようです。
まあ、一般ユーザとしては快適に動いてくれればそれで良いのですが。