XP のフォルダ オプションにあった「簡易ファイルの共有」は、vista では「共有ウィザードを使用する」に変わっている。
「共有ウィザード」を使用する状態がデフォルトである。
「共有ウィザード」は共有設定を簡略化する機能であり、一度の操作でローカルのアクセス制御(セキュリティ)と、
ネットワーク経由のアクセス制御(共有)を設定する。
「共有ウィザード」設定( 使用/不使用 )の違いによる、フォルダ右クリック−[共有…]選択時の動作は以下の通り。
- [共有ウィザード]を使用する状態
[ファイルの共有]の設定画面が開く。
- [共有ウィザード]を使用しない状態
フォルダ プロパティの[共有]タブが開く。
共有ウィザード 使用/不使用 の設定は以下の手順で行う。
- [コンピュータ]または[エクスプローラ]を開く。
- いずれかの方法でフォルダ オプションを開く。
- 整理をクリックし、[フォルダと検索のオプション]を選択。
- [メニューバー]が表示されていれば[ツール]−[フォルダ オプション]を選択。
- [表示]タブの[詳細設定]にある「共有ウィザードを使用する」にチェックを付ける(外す)。
vista の共有設定を行うメニューの1つに[共有と探索]がある。
[共有と探索]は[ネットワークと共有センター]内の1つのセクションであり、次の項目の 有効/無効 を切り替える。
これらは主にネットワーク アクセスを制御する。
- ネットワーク探索
ネットワーク上のノードとの間で検索を行う(検索もされる)。
- ファイル共有
この PC で共有しているファイルやプリンタへの、ネットワーク アクセスを制御する。
ここでの有効設定が、具体的なフォルダを指定した共有を意味するわけではない。
- パブリック フォルダ共有
この PC のローカルユーザーが共有しているパブリック フォルダへの、ネットワーク アクセスを制御する。
- プリンタ共有
この PC に接続しているプリンタへの、ネットワーク アクセスを制御する。
- パスワード保護共有
この PC の共有資源へのネットワーク アクセスに対して、この PC 上に登録してあるアカウントとパスワードによる保護を設定する。
- メディア共有
音楽、画像、ビデオのファイルを、ネットワークを介して共有、探索する。
[共有と探索]は下記方法で[ネットワークと共有センター]開くことで表示される。
- デフォルト表示のコントロールパネルの場合
[コントロールパネル]−[ネットワークとインターネット]のグループにある[ファイルの共有の設定]を選択。
- クラシック表示のコントロールパネルの場合
[コントロールパネル]−[ネットワークと共有センター]を選択。
パブリック フォルダは全ローカルユーザーが共通に使えるフォルダで、すべてのローカルユーザにフル アクセス権が与えられている。
パブリック フォルダはユーザーがドキュメントフォルダを開いた時、左側のペインに[パブリック]として表示される。
ローカル ユーザーはこのフォルダを介して、他のローカル ユーザーとのファイル共有を実現できる。
[パブリック]内は[パブリックのドキュメント]、[パブリックのピクチャ]等カテゴリごとにフォルダ分けされているが、特にファイルの種類に関係なく自由に使える。
ネットワーク ユーザーのアクセスを有効にするには、[共有と探索]でパブリック フォルダの共有設定を行う。
- 下記いずれかの方法で[ネットワークと共有センター]を開く。
- デフォルト表示のコントロールパネルの場合
[コントロールパネル]−[ネットワークとインターネット]のグループにある[ファイルの共有の設定]を選択。
- クラシック表示のコントロールパネルの場合
[コントロールパネル]−[ネットワークと共有センター]を選択。
- [共有と探索]セクションの[パブリック フォルダ共有]右側の V 印をクリックし、
表示メニューの適切な項目を選択して[適用]をクリックする。
通常のフォルダ(システムフォルダ以外)にはローカル ユーザに対して、読み取り、書き込み、変更等の権限が
与えられているので、ローカル ユーザー間ならデフォルトで共有状態となっている。
以下で行う「ファイル共有」は、ネットワーク アクセスを前提としている。
ファイルを保存しているフォルダに、共有の設定を行うことでファイル共有を実現する。
ただし、システム フォルダとパブリック フォルダは対象外である。
フォルダ オプションの[共有ウィザード]を使用するか否かで、その設定手順に微妙な違いがある。
ここでは、コンピューター名 "LATITUDE" のユーザー "ss" が、C:ドライブに "share" フォルダを作成して共有を行う例を示す。
W.4.1.「ファイル共有ウィザード」を使用(デフォルト)
- 該当フォルダ( share )を右クリックし、[共有…]を選択する。
(フォルダの所有者(下図の例では ss )がすでに選択されている)
- 追加欄の▼をクリックし、プルダウンで表示されるユーザー名一覧から共有させるユーザーを選択後、[追加」をクリック。
ここでは例として Everyone を選択した。
- 名前欄に追加されたユーザーの「アクセス許可レベル」を選択して[共有]をクリック。
ここでは、デフォルトの「閲覧者」のまま変更しない。
アクセス許可レベルは以下のアクセス権となる。
- 閲覧者
権限 : 読み取りのみ
- 投稿者者
権限 : 読み取り、書き込み、変更等
- 共同所有者
権限 : フル アクセス
- [ファイルの共有]のメッセージが出るので[終了]。
W.4.2.「ファイル共有ウィザード」を使用しない
「ファイル共有ウィザード」を使用しない場合は、フォルダ プロパティの[共有]と[セキュリティ]を手作業で設定する。
- [共有]を設定する。
- フォルダ( share )を右クリックして[共有…]を選択。 プロパティの[共有]タブが開くので[詳細な共有]をクリック。
- 開いた[詳細な共有]の[このフォルダを共有する]にチェックを入れて[アクセス許可]をクリック。
- [グループ名またはユーザー名]欄に許可するユーザーを追加し、下段でそのユーザーに与える権限を設定する。
(デフォルトで Everyone が 読み取り許可 で設定されている)
- [詳細な共有]ウィンドウに戻るので[OK]。
- プロパティの[共有]タブにネットワークパス( \\LATITUDE\share )が設定される。
- [セキュリティ]を設定する。
- [セキュリティ]タブを開き、[グループ名またはユーザー名]の[編集]をクリック。
- [グループ名またはユーザー名]の[追加]をクリックして、ユーザーを選択する。
- [グループ名またはユーザー名]欄に Everyone が追加されるので、下段で Everyone のアクセス許可を設定して[OK]。
- プロパティの[セキュリティ]に Everyone が追加されたことを確認して[閉じる]。
インストールしたプリンタは、全ローカル ユーザーからアクセス可能(デフォルト)であり、
ローカル ユーザーの共有に対しては特に意識する必要はない。
以下ではネットワークを介したプリンタの共有を行う。
プリンタの共有もファイル共有と同様に[共有と探索]で行う方法と、プリンタのプロパティで行う方法がある。
- [共有と探索]で共有設定
- 下記いずれかの方法で[ネットワークと共有センター]を開く。
- デフォルト表示のコントロールパネルの場合
[コントロールパネル]−[ネットワークとインターネット]のグループにある[ファイルの共有の設定]を選択。
- クラシック表示のコントロールパネルの場合
[コントロールパネル]−[ネットワークと共有センター]を選択。
- [共有と探索]セクションの[プリンタ共有]右側の V 印をクリックし、
[プリンタ共有を有効にする]を選択して[適用]をクリックする。
- プロパティで共有設定
- 下記いずれかの方法で[プリンタ]を開く。
- デフォルト表示のコントロールパネルの場合
[コントロールパネル]−[ハードウェアとサウンド]のグループにある[プリンタ]を選択。
- クラシック表示のコントロールパネルの場合
[コントロールパネル]−[プリンタ]を選択。
- スタートメニューにプリンタを追加してある場合は、直接[プリンタ]を選択。
- 該当プリンタを右クリックし、[共有…]を選択。
- [共有オプションの変更]をクリックし、[このプリンタを共有する]にチェックを入れて
[OK]。
- 共有解除時の注意
- 上記いずれの手順で行っても、共有を解除するときには元に戻らない項目がある。
- 共有解除時には双方([共有と探索」、[プリンタのプロパティ])の状況を確認する必要がある。
共有(ネットワーク経由)を有効にしたフォルダ、パブリック フォルダ、プリンタに対して、
ユーザー アカウントとパスワードによる保護を設定できる。
保護共有を有効にした場合、共有資源へのネットワーク アクセスは、
このコンピュータのユーザー アカウントとパスワードを有している(知っている)クライアントのみに限定される。
この保護機能は、ファイル共有ウィザードの設定(使用/不使用)に影響されない。
パスワード保護共有の 有効/無効 は下記手順で行う。
- 下記いずれかの方法で[ネットワークと共有センター]を開く。
- デフォルト表示のコントロールパネルの場合
[コントロールパネル]−[ネットワークとインターネット]のグループにある[ファイルの共有の設定]を選択。
- クラシック表示のコントロールパネルの場合
[コントロールパネル]−[ネットワークと共有センター]を選択。
- [共有と探索]セクションの[パスワード保護共有]右側の V 印をクリックし、
[パスワード保護の共有を 有効/無効 にする]を選択して[適用]をクリックする。
vista の共有設定はややこしい。 有効化は他の項目へ影響するのに、無効化の場合はそうならなかったりする。
その辺りの変化状況をフォルダとプリンタの場合について以下に記す。
W.7.1.他項目への影響−フォルダ編
《 》 の設定変更による他項目への影響(変化状況)
| ネットワークと共有センター | フォルダのプロパティ |
ファイル共有 | パブリック フォルダ共有 | このフォルダを共有する |
有効化の設定 | 単独では変更不可 | ------- | ------- |
有効になる | ← 《有効にする》 → | フォルダに影響なし |
有効になる | 有効になる | ← 《チェックを入れる》 |
無効化の設定 | 《無効にする》 → | 無効になる (注) | 変化なし |
変化なし | ← 《無効にする》 → | 変化なし |
変化なし | 変化なし | ← 《チェックを外す》 |
W.7.2.他項目への影響−プリンタ編
《 》 の設定変更による他項目への影響(変化状況)
| ネットワークと共有センター | プリンタのプロパティ |
ファイル共有 | プリンタ共有 | このプリンタを共有する |
有効化の設定 | 単独では変更不可 | ------- | ------- |
有効になる | ← 《有効にする》 → | 有効になる |
有効になる | 有効になる | ← 《チェックを入れる》 |
無効化の設定 | 《無効にする》 → | 無効になる | 変化なし |
変化なし | ← 《無効にする》 → | チェックが外れる |
変化なし | 変化なし | ← 《チェックを外す》 |
▼ セキュリティを保ちたい場合は「共有ウィザード」を使用せず、ローカル([セキュリティ]タブ)とネットワーク([共有]
タブ)のアクセス権を手作業で設定することが望ましい。