【洋蘭に興味を持ったきっかけ】
 平成5年に母屋の裏に新築したおり祝いにデンファレの寄せ植え、即ちギフト用にラッピングされたデンファレを頂いたのがきっかけです。
当時、洋蘭には全く興味がなく、日本の歴史に興味を持ち、特に古墳時代以前の時代に興味があり、本を読みあさったり、発掘の現地
説明会やカルチャーセンター主催や大学の歴史のセミナーに参加していました。
頂いた洋蘭の育て方はもちろん名前すら分からない状態であった。高価な洋蘭を直ぐ枯らすのも失礼であるので、主婦の友より出版さ
れていた洋蘭関係本を購入して、知識を増やしました。
頂いた季節が冬でしたので、温度不足のうえ表面の水苔が乾いたら直ぐに水やりをする事を繰り返されたので、春先になって直ぐ枯れ
ました。
しゃくに触るので、ホームセンターで売られていた、胡蝶蘭を300円で数株購入して、冬も終わりワーディアンケースとヒーターが格安で
販売されていたので購入して洋蘭栽培を始めました。これ以降、次々と安い苗を購入してはまっていくことになるわけですが、パフィオに
はまったのは、ある本に「洋蘭はパフィオに始まりパフィオに終わる」と書かれてあり、初心者に育てやすく、パフィオから始め、他の洋蘭
に進むが、又パフィオの魅力にとりつかれ、奥深く、栽培の難しい洋蘭であると言うような主旨であったと記憶していますがそんなに難し
く、奥深いものであるのであればチャレンジしようかと思い、パフィオにはまってしまい、今では無菌播種までする始末である。
 元来貧乏生であり、実際もケチであるが、趣味に多くのお金をかけたくないので、なるべくお金をかけないで楽しみたいので、買うより
自分で作った方が安ければ自分で作る事にしているのがモットーです。この精神がけったいな精神がズーート尾を引いている。
 元々技術屋であり、可能な限り何でも作る精神も、ここで生かされている。今までに、カセットレコダー、ラジカセ、カセットデッキ、レコー
ドプレーヤー、白黒テレビ、カラーテレビ、無線機の設計をしてきた。仕事以外でも、ラジオ少年であったので、ラジオ、無線機を初め、真
空管式オーディオアンプ、バックロードスピーカー等を作ってきた。今は、技術職から事務職に就いているが洋蘭の趣味が増え、根っから
の技術屋であり、ビニールハウス、無菌箱を作り、今では種からパフィオまで作っている。
 パフィオの原種を増やすのに力がはいっているのですが、原種の花は一般向きの花でないので、家庭奉仕もかねて、シンビジューム
やカトレア、胡蝶蘭、デンドロ等で、誰が見てもきれいと思う木を育成して玄関や室内に飾ることで洋蘭の趣味を家族に認めてもらっている
次第です。

以下、色々な本を参考に、独自に自分の性格と環境にあった育成をしています。少しでも参考になればと思いますが、そのまま、真似しても良い結果が得られない
かもしれません。


【育成状態】
パフィオを主にしていますので、カトレア、シンビ、ファレノプシス等については触れておりません。
(1)ビニールハウス環境変化により修正 H14.3.08)
 約3坪で2.2m×4mの19φの農業用のパイプを使用して自作しました。
 ビニールハウスの設置場所は、自宅の東側で日の出から午後1時頃まで日があたる場所に建てていましたが、H13年12月頃より、東隣に2階建ての家の工事は始まり、4月に完成した為、冬場は朝9:00以降にならないと日が射さなくなり、環境が悪化しました。日光の当たる時間が少なくなりました
 春・夏は、太陽の傾きが少なくなってくるので、この時期に集中的に1年間の成長分を行わなければならなくなってきました。
 夏場と冬場で温室の環境を変えています。
 夏場は、北面のビニールを一部めくり上げ、風通しを図っています。
 冬は、サニーコートで内張をしています。
 天井は、年中ビニールを張ったままで天窓を1ヶ所つけていましたが、休日以外不在のため開け閉めの管理が出来ず、今は塞いでしまった。
 冬場は、以前は2区割りにして、加温室と無加温室に分けていましたが、手狭になり全て加温室にしました。暖房器具は1kwhの電気温風機のみです。内張を強固にすることにより最低温度を一番低いところで7℃まで低下しますがよく育ちます。
 季節を問わず24時間15分の間欠で扇風機(攪拌機としてのファン)が回っています。
 デンドロは、10月終わりから12月初め迄、3坪のビニールハウスより出し、直射日光に当てると同時に、低温にあてています。
 カトレヤも松の木に下に吊しています。


(2)光
 ・年中50%遮光用の寒冷遮を張っています。
 1)パフィオ
 ・7月梅雨明けより9月中旬まで、パフィオの置いてある部分には、更に白色の75%寒冷遮を張ります。
  パフィオには斑入り葉と緑葉の2種類があります。斑入り葉は緑葉より少し光の弱い場所に置いています。
 2)デンドロ
 ・夏場は、直射日光下に置き、秋から冬(12月初め)まで、外で育成。
  10月には、ほとんどの葉が日焼けします。しかし1月から3月にかけて市販されている園芸種のデンドロ以上に立派な花が咲きますよ。


(3)温度(設備変更により修正:H14.03.10)
 奈良盆地のど真ん中ですので、冬場の温度維持も大事ですが、一番苦労するのが夏場の温度です。高温に弱いと言われるフェイリアナムについては、トロ箱に赤玉土を入れその中にフェイリアナムの鉢を入れています。水やり時に、赤玉土に十分水を含ませて、鉢の温度が上昇しないように、根を守っています。おかげで毎年花を咲かせています。最近この方法をしなくとも、よく育つようになった。我が家の環境に株が馴染んできたのかも。今は地面に近い棚で風通しの良い場所で育成している。
 次の苦労するのが、春先や初冬です。日中温度が上がったとき、困ります。換気扇に温度センサーを取り付け、自動で換気しています 
 冬場のビニールハウスの最低温度を10℃で管理しています。(一番低いところで最低温度が7℃)


(4)温室内の鉢の置き場所
ハウス内はパフィオの原種が一番適した環境になるようにし、各原種応じた場所(適切な光と温度が得られる)に置いています。
 他の洋蘭や植物は、パフィオより悪い条件の位置になっています。
 例えば冬場の場合は、ハウス内の最低温度を10℃で管理しています。
 夏場になれば、デンドロやシンビジュームは、野外の直射日光に当てています。秋には葉焼けがしています。しかし光と餌が十分なため葉の見てくれは汚いが立派な花が咲きます。
 高温に弱い原種に付いては、棚下に置くことにより、少しでも温度の低い風に当てています。


(5)鉢とコンポスト
 1)パフィオ:
 ・使用している鉢は、ほとんどがポリ鉢でミックスコンポストを使用していた。現在は変えた。
  @成長株のコンポスト
    主に成長株に用いているのが、日向土+バーク+寒水石のミックスコンポスト、或いはサボテン用土です。
    今年〔H15年〕より、サボテン用土に含まれているイソライトCG6号を取り寄せ、自分でミックスし使用しています。
    このイソライトCG6号の特徴・大きさが、パフィオのコンポストにピッタリで、日向土+イソライト+バークチップ+寒
水石で植え付けました。サボテン用土より粒子が大きくなり根腐れの心配がなくなり保湿性がある為、保湿肥もあり順調
な育成に期待しています。

左から日向土中粒、イソライトCG6号、日向土細粒、バークチップ

   植え付け方法として、鉢底に日向土中粒を入れ、次に株を鉢に置き、イソライトCG6号+日向土細粒+寒水石のミックスコンポストを入れ、表面には、断熱効果を期待してイソライトCG6号を単独で敷き詰める。
    みなさんも一度、イソライトを使用することをおすすめします。
  A成長不良株のコンポスト
   最近オーキットNo.110で紹介されたアサヒビール製のオーキッド・ベースに興味を持ち、弱っている株や成長の思わ
しくない株に使用を開始しています。効果の程は未だ判りませんが、少なくとも弱った株が更に悪化することはありません。
  B無菌播種を始めてから、苗が増え温室が狭くなってきた。特に、水やりに時間がかかり手が行き届かないので水苔で植え手を抜いています。品種によっては成長が良くないのがありますが。しょうがないと諦めています。
  CCP苗のコンポストオーキッド・ベース
   CP苗に、以前は日向土のミックスコンポスト使用していましたが、淘汰されていく株が出ていました。
   オーキッド・ベース+水苔で植え付けることにより、フラスコ出しの株で枯れるものはなくなり、全て順調に成長して
います。水を多めに即ち回数を多く1度の量も多く、液肥も成長株より多く 与えます。
 ・透明のポリポットで根の観察をしていましたが、ポリポット自体が風化が早く傷みが早いので、最近は使用していませ
ん。
 ・日頃思っていることですが、サボテンに用いる鉢は黒色が適しています。なぜなら、鉢内に温度が必要だらです。
  これと反対に、パフィオは夏場の事を考えれば、白色鉢を使用することにより、鉢内の温度上昇が少しでも少なくなる
のではと思われる。
  一部、白色のビニールポットを使用しているが、効果のほどは不明。
  (比較栽培をしたことがないので判らず。どなたか行ってみませんか?)
 
・アツモリソウに使用する水冷鉢や断熱鉢をフェイリアナム用に使用すれば、夏越しの効果がでると思われるが、鉢が高
価であるので手がでない。
 2)デンドロ
 ・ミックスコンポストが主で、中粒の日向土+武田21バークで植え付けています。
 ・少ないですが、水苔植えもあります。
 ・水苔植えは素焼鉢を使用し、ミックスコンポストはポリポット鉢です。


(6)水やり
1)パフィオ:
 パフィオの葉をよく観察すると、厚みのある葉と薄葉の2種類があり、厚葉は水分を蓄えるに能力がある、即ち乾く時期があっても息絶えることなく成長が可能な場所で育っている種類である。言い換えれば少し乾く時間が必要と言うことであり、薄葉に比べ水を少し控えることが重要です。(多肉植物にはあまり水をやらないのと同じ事)
 ・水やりは、年中同じで、コンポストの表面が乾いたら直ぐに、鉢底より水が十二分に出るまで、細かい目のジョロで株の上より行います。
  (目の細かいジョロを使用するのは、水に多くの酸素を含ませる意味です。)
  当然、株の中心に水がたまる株もあります。
  しばらくおいても水が溜まったままの株については、習字の細筆を使用して吸い取ります。
  この時、株の中心に溜まった水だけでなく、葉の付け根に溜まっている水も吸い取ります。
  これを怠ると下葉の付け根より葉が茶色に変色して枯れる場合があります。
 ・水は水道水をバケツに汲んで、置き水にしたのを使用しています。(要は、洋ランの置いてある温度と同じ温度の水をやる)
  冬場は、熱帯魚の水槽加温に用いるヒーターを入れて、水の温度を上げています
2)デンドロ
 ・基本的には、コンポストが乾くまで与えません。
 ・夏場は、毎朝、毎夜、水やりをしています。
 ・10月から12月までは、乾かし気味で週1回程度で、寒くなると2週間に一度程度しか与えません。
  (今年花芽を付けるバルブもシワシワになります。)


(7)肥料(餌)
1)パフィオ:
 ・サボテン用土で植え付けているものは、ほとんど与えません。
  (サボテン用土には、最初から小量の肥料がミックスされている為)
 ・真夏の8月、つぼみを付けている時、花が咲いている時を除いて、2000倍に薄めた肥料(ランエキス液)を、月に1回、施しています(もちろん冬場でも、与えます。)
  それと同時に、3月より7月初めまで、置肥をしています。(置き肥は、花工場、これはパフィオにはきついので注意を要する。しかしうまく与えると良く成長する。)
  液肥を与えるときはジョロで葉の上から与えると葉からも吸収される。
  弱っている株や植え替えたばかりの株には、霧吹きで葉面散布しています。
  冬場の肥料は、週1回の霧吹きによる葉面散布をすると共に月に2度液肥散布を行っています。

2)デンドロ:
 ・置き肥が中心で、3月〜7月まで、毎月団子を与えています。
  新芽出ておれば、蕾が出ていても、花が咲いていても、置き肥をします。


(8)植え替え
1)パフィオ:
 ・3年に一度の割合です。
 ・冬咲きのものは、咲き終わってから、あるいは、花を切って、2月〜3月に行っています。
 ・春咲きのものは、9月に植え替えています。
 ・夏咲きのものは、2月に植え替えています。(この時期でも6月7月によく咲きます。)
 ・変な臭いのする鉢を見つけたときは、直ぐに植え替えです。(異臭のする鉢は、必ず根腐れしている。)
 ・購入した株は、いくら新しいコンポストであっても、植え替え時期を待たずに、入手直後に植え替えています。(これが植え替えの基本時期です)
  根の状態を見るのと、自分の環境に合うコンポストにて植えたい為、購入時に花が咲いていても当然切り捨てて、即、植え替えです。
 ・フラスコ出し即ちCP苗にする時期は、フラスコ内の苗大きさで時期を問わず行っています。真夏でも行いますよ。風通しの良い棚の一番下に置くと元気に育ちます。
2)デンドロ:週間経過したときに、花を切り、直ぐに植え替えています。
  (従って、咲く時期により、3月になったり、6月あるいは7月になっています。)


(9)増やす
1)パフィオ:
 ・株を増やすために、無菌播種にチャレンジしています。
  H11年11月に初めてチャレンジし、スペセリアナムの発芽に成功しています。
  初めてチャレンジしようとする方は、インシグネで行えば成功率が高く、芽がでるのも早いですよ。
  スペセリ以外に、フェイリアナム、ビロッサム、グラトリキシアナムはかなり大きく育っています。
  無菌播種については、別のページを掲載していますので参照してください。
  
2)デンドロ:
 ・大株作りにしている為、あまり増やす努力はしていません。
  植え替え時に、株が分かれたときは、しょうがないので別鉢に植えている程度です。
  大株の例(きれいでしょう)


(10)入手手段
 ・冬場に開催される洋蘭展での即売会にて購入しています。
 ・通信販売では、根岸園芸で購入しています。最近は購入していません。
 ・それ以外では、直接出向き宝塚にある大和農園洋蘭部や生駒にある高崎洋蘭園で購入しています。
  (最近は、全くのご無沙汰です)
 ・五島園芸さんはリカテスが専門ですが、私はパフィオを購入しています。最近ご無沙汰です。
  各洋蘭店協賛で売り出されるときに、販売リストより欲しいものがあった時に先に予約を入れ確保を依頼し、通販で購入しています。(これまた、ご無沙汰です。)
今年は同じ方法で、滋賀県にある「らんの家」より購入しました。
 ・H12年9月より、和歌山県の蘭ingさんを訪問し、パフィオの原種を購入しています。時々案内を頂いています。
  今年(H14年ーH15年)の冬は、まだ行っていません。少し距離があり、おっくうで。最近全く訪問していない。
 ・H13年11月1日に四国に用事があり、ついでにヤシマオーキッドを訪問した。パフィオの原種がそろっている。
  良心的な価格で、色々なアドバイスが得られる。
 ・少ないですがM&Tで購入を始めています。しっかりした株で安心して購入できますよ。種類が限られるのが。
 ・冬場に開催される洋蘭店に出向き花の付いている株を買う場合があります。購入時の注意は、有名なお店ですが
  売るに耐えない通常では捨てる花を高額で販売している場合があるので、注意が必要です。
  有名な業者名・珍しい花・値段が高いに騙され無いように。


(11)株選び 
  開花株や苗を購入する時の注意点
  この注意点は私の経験に基づくものであり、株を購入時の参考になると思います。
  根の様子が観察できれば一番良いのですが、購入前にコンポストを抜き調べる事ができないので、主に葉を観察することになる。
1)苗の購入(5〜2作程度)
 ・同じ種類の苗が沢山ある中で選ぶ場合は、大きな葉を持つ株を選ぶ。特に葉幅の広い株を選ぶと間違いがない。
  小さい葉のものは、成長が遅いか小さい個体である場合がほとんどで、育成が思うようにいかなかったり、ステムが短かったり花が小さかったりする場合が多い。
  但し、花が小さくともバランスの取れた良い花が咲く場合も往々にしてある。
 ・1鉢にそれなりの大きさで1株ある場合と株は小さいが子株が複数出ている株では、それなりの大きさの1株の鉢を選択するのが正解と思う。小さくで子株ばかり増える株は、開花しにくい株である。
 ・同じ種類であれば、葉幅の広い物を選ぶ。
2)開花株
 ・パフィオは、種類により葉が水平近くに展開するものと角度をもって展開する葉がある。
  洋蘭の本では、葉が立っているものを購入するべきと書かれていますが、購入しようとする種類の性質を良く理解した上で購入する必要があります。
 ・買ってはいけない状態
  ・葉の表面にでこぼこがあるのは止めた方がよい。(陥没部分が褐色していなく葉と同じ色で陥没している場合もダメ)
  ・葉先が枯れているもの(葉の根元より枯れているものはもってのほか)
  ・株の根元がぐらついているもの
  ・臭いを嗅いで、異臭のする株(根腐れしている場合がほとんど)
  ・葉焼けしている株
  ・葉脈の一部が褐色している
 ・おすすめ株(良い状態)
  ・葉の表面に光沢があり、葉幅の広い株


(12)家で咲いた蘭
 パフィオを中心に家で咲いた画像があります。
 パフィオ原種、 その他のラン(デンドロ、おまけ画像もある)


(13)斑入り葉の鑑賞
パフィオには、斑入り葉を持つ種類が多数あります。
 花が咲いていなくても葉の斑の入り方(斑の大きさ、色)を鑑賞することができるのもパフィオの魅力です。
  ・鮮明な斑入り、非常に美しい斑、特徴的な斑
  ・葉の表面の艶、細毛のある葉
 等があり、変化に富んでいます。


(14)参考にしている書籍類
今から思えば、良くも洋ラン関係の書籍をこんなに買ったものだと感心しています。
 同じ様な本を次から次に購入して、今となればほとんど利用価値のない本になっている。
 栽培(育成)関係の書籍は、1冊あれば十分です。ほとんどが同じ内容で、何冊購入しても意味がなく利用価値もありません。
 そのような本を購入するより、個人のホームページの内容が参考になったり、New Orchids内の趣味家の温室訪問の記事の方が
 大変参考になる。
 最近はこの手の本を全く購入していません。どの本もみな同じで、栽培の工夫がない。


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