ほのちゃんの野菜畑 http://park12.wakwak.com/~tkt/

基礎知識編その3



5 間引きのコツ

 発芽がうまくいったら、次は間引きを行いましょう。


(1)時期と間隔

 間引きは、通常双葉が開いてから本葉1~2枚のころと、本葉3~6枚のころの
2回に分けて行うことが一般的です。

1回目 2回目
点まき 2本残してあとは全部間引き 基本的に1本に間引き
条まき 2~3cmくらいの間隔に間引き その野菜に合った株間に間引き
ばらまき 2~3cmくらいの間隔に間引き その野菜に合った株間に間引き
間引き

時期や

判断
双葉~本葉2枚ころ

 基本的には双葉のきれいな
大きなものを残します。
 双葉の形がそろったものは、
良いだいこんになりますが、左
右の大きさが違ったり、虫にか
じられたりしたものを間引きま
しょう。
本葉3~6枚ころ

 基本的には大きな株を残しま
すが、だいこんやにんじんなど
は、又根になっている場合もあ
ります。葉が横に広がっている
ものや、中心の緑が濃いもの
は抜き取ったほうがいいです。

 午前10時ころ、活動葉(大き
い葉)が斜め45度になっている
ものは良い株です。
間引き
方法
 手で引抜く場合は、残す株の
葉を折らないように注意します。
爪の先でちょん切ってもよいし
ハサミを使ってもよいですが、
間違って残す株を切らないよう
注意してね。(^-^;)
 手で引き抜くのはお勧めしませ
ん。隣の根を傷めるからです。
 爪が丈夫な人は爪で切りって
も良いですが、ハサミが無難です
ね。ただダイコンなどは根が太っ
ているので、土を抑えながら上手
に抜いて、食べちゃいましょう。

けっこう辛いよ。(><)くう~。



(2)間引きの必要性

 ア 生育に必要な空間を確保するため
  野菜が大きくなるためにはその野菜が生育していくのに必要な「空間」を確保するこ
 とがとても大切です。この空間、小さいときは狭くてもいいのですが、大きくなるにした
 がってだんだん広い空間が必要になります。

  生育にあわせて徐々に間引きを行うのは、この空間を確保する意味があるのです。
 つまりこの空間が狭いと、生育に必要な日光を葉で受けることができなくなります。

  そうなると、必要な日光を得ようと野菜は光のあたる方角に葉を伸ばします。通常は
 上に向かって伸びることが多いのですが、隣あっている野菜も負けないよう葉を伸ば
 すと、お互いに競争して丈が伸びてしまいます。このように日光を求めて上に上に伸び
 た様子はとてもヒョロヒョロしていています。これを徒長(とちょう)といいます。
  日陰で野菜をそだてても同じことが起こります。

  徒長した野菜は①病害虫に弱い②風により倒れやすい③丈夫に大きくなれないなど
 悪いことばかりです。このようにしないために、必要な時期に間引いてやり、葉に十分
 な日光をあててあげましょう。


 イ 欠株を避けるため
  この他の間引きの必要性としては、害虫や病害による欠株を避ける意味もあります。
 春・秋野菜は比較的種まき適期が短いものがあります。つまり「この時期に種をまか
 ないとダメ」という野菜があるのです。こんな野菜は、「害虫にやられて欠株が目立つ
 から、種をまきなおそう」なんてことができません。
  たとえばネキリムシにつぎつぎちょん切られると、来年までその野菜は待たなくちゃ
 ならないなんてことにもなりかねないのです。

  こんなとき間引きを想定して種をまいておくと、被害が少なく済みます。ネキリムシは
 見つけ出して取り除き(もしくは農薬で退治して)残った株を間引いていけばいいのです。


(3)こんな効果も…
 最初から種を少ししかまかない弊害は、さきほど「たねまきの量」で書いたとおりです。
このほか、にんじんなどは、最初はお互いに競争させたほうが丈夫に育ちますので、
間引きのタイミングが早過ぎないよう気をつけなければなりません。最初からスカスカ
に間引いてしまうと、かえって生育が揃いません。


(4)おまけ
  点まきを上から見た図です。Aは一か所にかためてまいています。Bは2~3cm程
 離してまいてあります。この場合Aは間引きを早くしないと徒長するばかりか、間引き
 の時に隣の株を傷めやすく、ついでにネキリムシで全滅しやすいです。
  Bは反対に間引きはのびのびと行え、作業も楽で、ネキリムシの害を逃れる確率
 が高まります。種まき時にちょっとめんどうですが、2~3cmくらい離してまくほうが
 あとあと楽ができます。
  家庭菜園ならではの手間のかかる種まき方法ですが、効果は大きいですよ!
  
 
   
           A

    
            B




6 苗の植付け

 畑などに苗を植えることを、定植(ていしょく)といいます。単に土を掘って植えれば
いいというわけではなく、植えた苗がしっかりと根を伸ばしはじめ、新葉も出てくるよう
にいろいろ気を配ってあげなければなりません。
 このように植えた苗が根付くことを活着(かっちゃく)といいます。

 活着の早い遅いが、その後の生育のよしあしに大きく影響します。活着が悪いと,
その後の生育が悪くなり、収穫量が少なくなったり、病気に弱くなってしまいます。
いかにスムースに苗を活着させるかがとても大切になります。(^-^)

 野菜によって施肥量・時期が違いますので、施肥については「野菜つくりのポイント」
を参照してください。

(1)場所の選定
  「1 野菜を育てる基本条件」の項で書いたとおり、基本的には日のよく当る場所で、
排水がいいところを選びましょう。
  それぞれの野菜によって適正環境がことなりますので、上手に育てるための第1歩
は場所選びです。

(2)定植時の注意点
ア 発根の良い苗を植える。
 定植2日くらい前から十分かん水を行うと、毛細根(もうさいこん:細かい産毛のような
根)が増えるので活着しやすい苗になります。苗がきたらすぐかん水をおこない、夜間は
10℃以下の低温にならないよう保温すると良でしょう。

イ 暖かい日に植える
 春の野菜苗は暖かい日に定植すると活着が良く、その後の生育もスムースとなります。
肌寒い日の特に夕方は定植をやめましょう。

ウ かん水は事前にしておくほうがいいです。
 あらかじめ植え穴には十分かん水して、4~6時間後に定植すると作業性が損なわれ
ずによいです。植え穴には殺虫剤を施用し、場合によっては根付肥を入れても良いでしょう。
乾燥するほ場は(教えてほのちゃん)を参照すること。
 定植直後にかん水を行う場合は、土を落ち着かせる程度にとどめ、土の跳ね返りを
避けたほうが無難です。

エ 定植の深さについて
 植付けの深さによって、その後の生育や病害虫の発生が違います。基本的にはうねの
高さと鉢土の高さが同じになるように植えましょう。浅すぎると鉢土が乾きやすくなるため
活着が遅くなります。反対に深く埋めると、鉢土が乾きにくくなるため活着は早いですが、
その後生育過剰となりやすく、病気も出やすくなります。特に接ぎ木苗の場合、台木を埋
めないよう注意(教えてほのちゃん)して、鉢面とうね面が同じ位になるよう定植します。


良い苗の選び方は?

 家庭菜園では夏野菜、特に果菜類の苗をお店から買ってくることが多いですね。しかし苗に
も良し悪しがありますので、苗選びから失敗なんてことにもなりかねません。どんな苗がよい
かを簡単に説明しますと、一般的には①品種のはっきりしているもの②なるべく大きな鉢に入
っているもの③葉が折れたり病気や虫がついていないものを選ぶとよいでしょう。
 畑の土がよくなく、毎年あまりうまくいかない場合や、植えてもすぐ枯れてしまうなんて人は、
病気に強く丈夫な「接ぎ木苗」を購入することを検討してください。 自分でしてみたい人はトマ
トプロジェクトその2を参照)。
 このほかに苗選びのコツをお話しますと、

①双葉がしっかりとついているもの
 乾燥や過湿、高温や低温、土の酸性やアルカリ性、肥料の過不足、根詰まりなどさまざまな
障害を受けると、最初に双葉に影響がでます。とくに見た目は良い苗でも、根が傷んでいる
と、双葉が黄色くなりひどい場合はポロリととれてしまいます。双葉が青々としていてしっかり
とついている苗は管理も良く根が健全である証拠ですので、苗選びの重要なポイントです。た
だし接ぎ木苗の場合は双葉をつけない方法で接ぎ木してある場合もありますので注意して下
さい。

②全体に葉と葉の間隔が広がりすぎていないもの
 苗は鉢と鉢の間を狭くして管理しますと、葉と葉の間が間延びして格好の悪い苗になります
(徒長:とちょうといいます)。苗農家からお店に運んで日数が経つとこんな苗になっちゃいま
す(T▽T)。この状態が続くと葉色も淡くなり、茎葉も軟弱で折れやすくなりますし、花が小さくな
ったり咲かなくなる場合もあります。こんな苗は植えても根付くのも遅くなりますし収穫量も減
っちゃいますので、徒長していないガッチリとした苗を選びましょう。お店では定期的に苗を追
加仕入れしますので、古い苗ではなく新しい苗を購入しましょう。
「背の高い苗のほうがいい!」なんて思ったら大間違いですよ。また苗を販売シーズンの後半
になりますと売れ残りの徒長苗が多くなっちゃいます。
 このほか、やや高温気味で育苗したり、日陰で管理したり、追肥量が多すぎたり、しょっちゅ
う水を与えて育てた苗も徒長しやすくなりますので注意してください。

③鉢の大きさと葉の数の関係
 鉢が小さいのに葉の枚数が多すぎる苗は老化苗で、根詰まりや根腐れしている場合が多く
なります。逆に鉢が大きいのに葉の枚数が少ない苗は若苗で、定植までしばらくまたなくては
なりません。おおむね3~3.5寸鉢(直径9~10.5cm)が多いので、展開葉数でトマトなら7~8
枚、なすなら6~7枚、スイカやきゅうりなら3~4枚くらいが目安です。しかしメロンなどは根が
老化しやすいため、本葉3枚までの苗を選びましょう。
 ところで、何年も畑にした場所ではなく、まだまだ土作りができていない畑の場合は、少し若
い苗を植えたほうが根張りがよくなるので、その後の生育が旺盛になります(ただし肥料のや
りすぎに注意してください)。

④根が白いもの
 苗を定植するときにポットをはずしたとき根の色を見てください。鉢に沿って褐色~こげ茶色
の根が多い場合は残念ながら一部の根が死んでいるので、活着も遅く、土壌病害にかかりや
すくなります。これは鉢が小さいのに育苗日数が長いなどの場合によくみられ、また水はけの
悪い場所でたくさん水を与えた場合も根が傷みやすくなります。
 理想的には、定植時に白い根がポットの土を支えることができるくらいの、根がまわったば
かりの状態が植え付け適期の苗です。
 しかしお店でいちいちポットから苗をはずして根の色を見ていたら、お店の人におこられちゃ
いますよね。現実的には水履け穴から出ている根の色で判断するしかありませんが、茶色い
根だったら要注意!です。

⑤いろいろな苗の様子にご注意!
 トマトやなすなどの果菜類は育苗日数が長いと背丈が伸びてヒョロヒョロします。根の伸びも
悪いので、果実が太り始めるとそちらに栄養をとられてしまい、ますますヒョロヒョロの生育に
なります。こうなるといくら追肥してもだめで、かえって肥料による根痛みなどが起きて立枯れ
の原因にもなります。葉色が特に濃い場合は肥料の効きすぎや低温障害のおそれもありま
す。
 うり類は育苗日数が長いとつるが伸びてきます。老化してつるが伸びた苗は発根力が衰え
るため、きゅうりは子づるが少なくなり実をたくさんつけられないまま枯れやすく、メロン、すい
かなどは葉が小さく、実を大きくすることができません。
 とうもろこしなどイネ科は大きくなってからの移植を好みません。特に本葉3枚ころから根を
さかんに伸ばしますので、移植はその前に行わなくてはなりません。概ねの目安は種まき後2
~3週間以内、本葉3枚以内に行います。

⑥定植時期にはくれぐれも注意
 暖かくなってきたとはいえ、まだまだ夜~明け方は寒いので、あんまり急いで植えないほう
がいい地域もあります。かといって定植適期には「もういい苗がない!」っていうこともおこりが
ち。「6 苗の植付け」や「7 定植後の管理」をよく読んで、寒さに弱らせないよう管理してね。
おおむねの定植適期は「野菜作りのポイント」を参照してください。

いい苗探しがんばれ!( ^^)/


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