※最初に……
これは、マルチシナリオとなってます。(懲りずに目覚ましネタ2<笑)
途中に選択肢があり、いくつかのお話に分かれる仕組みとなってます。
そんなに複雑じゃないですけどね。一つですぐ終わるのもあるし。
ただ、慣れないことをしたせいかやけに設定が変わってたり・・・。
ゲームを改めてやって見直してみると、ぐはぐはな出来です(爆)
何にせよ楽しんでいただければ幸いですけどね。それでは始まり~
そしてキッチン。そこでは、いつも通り秋子さんが朝食の仕度をして待っていた。
既に起きていたのか真琴も椅子に座っている。
「おはようございます、祐一さん。」
「おはようございます、秋子さん。」
「おはよー、祐一。」
「おはよう。真琴はえらいよな、ちゃんと自分で起きてるから。」
ため息にも似た声で何気なく誉めてやると、得意そうな照れたような顔をした。
名雪が起きていたならば反論の1つや2つもあったろうが、今の状態ではそれもない。
いつもは子供っぽい真琴だが、普段の生活ぶりからすると名雪もいい勝負なのでは。
「名雪、ちゃんと起きたんですね。」
「・・・いえ、見ての通りです。」
にこにこ顔の秋子さんだったが、ぬいぐるみを抱いて眠りながら現れた娘を見て、
その心中はどんなものだろう?多分普段通りだろうが・・・。
そのわけは、“起きた”という言葉から推測できる。
ともかく朝食を食べる為に俺も名雪も椅子に座る。
案の定、名雪はけろぴーを別の椅子に座らせて眠ってしまった。(とは言っても、元から寝ているが)
気にせずに皆で自分の取り分を食べ始める。すると・・・。
「うにゅ・・・イチゴジャム・・・。」
名雪は眠ったままの手つきでトーストを手に取り、それにジャムを塗り始めた。
寝ながらも食事するなどという事が果たして名雪に可能なのだろうか?
いや、おそらく可能である。そしてこれぞ名雪の自慢すべき特技だろう・・・多分。
ジャムを塗り終えたのか、名雪がトーストにはぐっとかぶりつく。
「・・・くー。」
そしてそのまま動かなくなった。どうやら本格的に眠ってしまった様だ。
「おい名雪、食いながら寝るなって。ちゃんと食えよ。」
「くー。」
「おい名雪!」
「くー。」
だめだこりゃ。
「くー。」
「って真琴、真似してんじゃない!」
「あははははー。」
自分のトーストをくわえて目を閉じていた真琴に注意。
名雪を見て妙な癖をつけるのだけはやめてもらいたいもんだ。
はあとため息をついて、名雪を起こしにかかる。
「おい名雪、起きろ!」
「うにゅ~、ふぁふぃふぉふぁふぉ~。」
「食い終わってから喋れって。おい起きろ!!」
「・・・はぐ。」
揺すった成果がでたのだろうか、名雪が少しずつトーストを口に入れ始めた。
当然眠った状態なのだろう。ゆっくりとしたスピードで、時折止まりながら・・・。
そんなこんなで食事はすすみ、気付いた頃には8時10分を過ぎていた。
「やば、このままだと遅刻する・・・。」
「祐一さん、もう切り上げて出かけた方がいいんじゃないですか?」
「あたしもそう思う。」
途中からは真琴も名雪の食事を手伝っていた。(面白がってやってただけだろうが)
それにしても、まだ半分以上残っているのか。
「しょうがない、残りは俺が。」
まさかはぐはぐさせながら学校へ向かうわけにはいかない。
というわけでパンを奪い取り、コーヒーと一緒に胃に流しこむ。
そして、今だ寝ている名雪を引っ張ってキッチンを後にした。
「行ってきます。」
「行ってらっしゃい。」
「気をつけてね。」
にこにこ顔だが、それなりに心配そうに秋子さんと真琴が声をかける。
それに答えてか、呑気に手を振って返す名雪。もちろん寝ている。
階段前まで来てはたと気付いた。
「お前まだパジャマじゃないか!早く自分の部屋で制服に着替えてこい!!」
「うん・・・。」
経験をいかして具体的に告げてやると、ぱたぱたとスリッパを鳴らしながら階段を駈け上がって行く。
そして待つこと約三分、名雪はまだ降りてこない。
「まさか着替えながら寝てるんじゃ無いだろうな。」
寝る寝ると言ってはいるが、もはや何処がどう寝ているのか区別がつかなくなってきた。
とりあえず階段を上って行くと、上り切った所で、着替えの途中で止まっている名雪の姿が見えた。
「おわっ!!は、早く着替えろって!!」
「・・・うん。」
慌てて後ろを向いて呼びかけると動き出したみたいだ。
まるでからくり人形じゃないか・・・。
のたのたしていた所為か。家を出た頃には8時15分を余裕で過ぎていた。
「くっそう、やっぱり走るしかないか・・・。」
くーくー言ってる名雪の手を引っ張って駆け出す。
この状態でまだ寝ていられるのだから、ある意味尊敬に値するぞ。
などと、感心している場合では無いのだが、やはり驚きは隠せない。
ゆらゆらとゆれている名雪を懸命に引っ張って、走る、走る、走る、走る・・・。
学校に着いた頃には、幸いにも予鈴が鳴り出した頃だった。
と、そこでようやく名雪が目を覚ました様である。
「わっ。」
「やっと起きたか、名雪。」
「気がついたら学校?わたしって凄いんだね。」
「あのな・・・。」
ここまで懸命に連れてきた俺の苦労を考えて喋ってくれ。
「予鈴が既に鳴ってるんだ。祐一、早く早く!」
「はいはい。」
言われて昇降口へ向かって走り出す。なんとかHRには間に合うことが出来た。
HR終了後、香里が挨拶をしに来る。
「おはよう、今日も相変わらずね。」
「おはよう香里。聞いてよ、実は今日はね・・・。」
楽しそうに今朝の出来事を話す名雪だったが、俺の耳にはそんなものは入らない。
ぐたーっとなってると、北川が声をかけてきた。
「相沢、なんだか死にそうに成ってないか?」
「ほっといてくれ・・・。」
もはや何も喋る気にもならない。こんな日が続いたら、俺はノイローゼになってしまう。
なんとか対策を練らないと、下手すれば命に関わりそうだ。
授業が始まっても、俺は朝の名雪を起こす作戦について考えてばかりいた。
ちなみに、となりの席の名雪は異様なまでに眠たそうにしている。
あれだけ朝に寝ていてもまだやはり眠いのか・・・。
それはともかくとして、ひたすらに作戦を練る。
しかし、俺一人で考えていてもいい案が浮かばない。
様々な案は出て来るものの、全然具体的なものじゃなかったりと没案の数は計り知れない。
というか・・・最終的に“案”として確立されたものはまったくと言っていいほど無かった。
やはりこうなったら、色んな人に相談してみるとしようか?
そうだ、それがいい。誰かにいい案を出してもらうとしよう。
そんなこんなでチャイムが鳴る。今から昼休みだ。俺は・・・