パソコン実習室
ハードディスクの構造とパーティション
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T.ハードディスクの構造


T.1.ハードディスクの物理構造

 ハードディスク ドライブは概ね右図のような構造であり、磁気ディスク、磁気ヘッド、磁気ヘッドを先端に搭載したスイングアーム、アームを磁気ディスク上で駆動させるアクチュエータ等で構成される。

 磁気ディスクは、ガラス、アルミニューム、セラミック等の固い基盤の上に磁性体を塗布したもので、プラッタと呼ばれる。



 通常ハードディスク ドライブは、複数枚 (1枚の場合もある) のプラッタが同一回転軸に取り付けられていて、プラッタの両面 (片面の場合もある) にデータを記録 (読み書き) する。

 磁気ヘッドはスイングアームの先端に取り付けられた形態でプラッタの片面に1つずつ割り当てられ、プラッタを挟むように配置される。
 すべてのスイングアームは 1 つのスイングアーム回転軸に固定されているので、すべての磁気ヘッドは同じ動きでプラッタ上を移動する。

 ハードディスク ドライブへのアクセス (読み出し・書き込み) は、高速回転するプラッタ上をアームによって運ばれる磁気ヘッドによって行われる。
 プラッタが回転し十分高速になると、プラッタと共に回転する空気によって磁気ヘッドはわずかに浮上する。  ディスク アクセスは磁気ヘッドが浮上している状態で行われる。

 一般にハードディスク ドライブはコントローラ基板を搭載しており、モーターやヘッドのサーボ制御、位置決め、トラック位置に応じた書き込み電圧の制御、インターフェースとのデータ入出力、キャッシュの制御等を行っている。

 単にハードディスクと呼ぶと、ハードディスク ドライブを指す場合とプラッタを指す場合がある。
※ プラッタは単にディスクと呼ぶこともある。


T.2.ハードディスクの論理構造

 ハードディスク (プラッタ) の記録面は細分化して管理される。  細分化はトラック、シリンダおよびセクタとして定義した単位で行う。  ディスク上の特定位置指定には、シリンダ、ヘッド、セクタが使われる。

T.2.1.トラック

 ハードディスク (プラッタ) の記録面を外周から内周に向かって同心円状に分割し、分割されたドーナツ状の記録領域をトラックと呼ぶ。
トラックはディスクの両面にあり、それぞれが使用する磁気ヘッドによって区別される。

T.2.2.シリンダ

 複数のディスク (プラッタ) 記録面にまたがる同一位置のトラックを、仮想的に積み重ねて構成した円筒形をシリンダと呼ぶ。
ディスク (プラッタ) が 1 枚 (記録面は 2 つ) でもシリンダは構成される。

T.2.3.セクタ

 トラックをさらに放射状に等分した領域をセクタという。 セクタはハードディスクの最小記録単位であり、通常 1 セクタには 512 バイトを記録できる。
※ ディスクの物理的位置情報は、シリンダ/ヘッド/セクタで決定できる。

▼ ディスクの内周部と外周部では線長が異なるので、外周部ほどシリンダ (トラック) 辺りのセクタ数を多くしている。
   ただし、シリンダごとにセクタ数を変えるのではなく、ある幅ごとにまとめて同一セクタ数としている。
▼ これらハードディスクを制御するための情報 (不良セクタ情報も含む) は、データを書き込むシリンダより外側に
   制御情報シリンダを設けて書き込まれていることが多い。




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