パソコン実習室
ハードディスクの構造とパーティション
≪ previous next ≫

V.パーティション (partition)

 1 つの物理ハードディスクは、論理的に複数のハードディスクに分割できる。 この分割した領域を「パーティション」と呼ぶ。

 ハードディスクは、「複数の OS を使う」、「機能ごとに分ける」、「故障時の影響を小さくする」等の理由から、複数の領域 (パーティション) に分割して使用されることが多い。
分割せずに使う場合でも、1 つのパーティションが確保される。

 ハードディスクの先頭セクタは MBR (Master Boot Recode) と呼ばれる特別なセクタであり、この中にパーティション管理用の「パーティション テーブル」がある。
パーティションには「基本 (primary) 」、「拡張 (extended) 」、「論理 (logical) 」の区別がある。

V.1.基本領域 (primary partition)

 基本領域の主な仕様は次の通り。
  • 基本領域は最大 4 個
    MBR のパーティション テーブルで管理 (定義) される基本となる領域で、1 台のハードディスクに最大 4 個まで (MBR の仕様) 作成できる。

  • アクティブ パーティション
    基本領域の 1 つを起動可能なパーティションとする (ブートフラグを立てる) ことができ、「アクティブ パーティション」と呼ばれる。
    ※ Linux のローダーである LILO や Grub はブートフラグを無視するので、ブートフラグのない基本領域や
       論理領域からの起動も可能となっている。
    ※ Windows インストール時に MBR に書き込まれるブート ストラップ ローダーは、1 つのアクティブ パー
       ティションが必須条件 (アクティブ パーティション無しや、複数は NG) である。

  • ブート セクタ
    基本領域の先頭セクタはブート セクタと呼ばれ、OS を起動するためのプログラム (IPL) やファイルシステムに関する情報等が記録されている。
    ブート セクタは、PBR (Partition Boot Recode) とも呼ばれる。
    ※ ブートされないパーティションであってもブート セクタは確保される。
       Windows はデータ用のドライブ (例:D ドライブ) であっても、ブート セクタに IPL を記録する。
※ Windows 98/95/3.1、MS-DOS の "FDISK" では、1 つの基本領域のみ認識する。 他の OS やツールが作成した
   領域は「非 MS-DOS 領域」として扱われる。


V.2.拡張領域 (extended partition)

 基本領域の特殊な形態で、内部に論理領域を持つ。

 1 つのハードディスクに 1 つだけ作成でき、拡張領域単独では機能しない。 ただし拡張領域内にさらに拡張領域を 1 つ作成する入れ子構造が可能となっている。
※ 拡張領域も基本領域の 1 つなので、基本領域の制限数 (4個) は 基本領域 + 拡張領域 でカウントする。

 拡張領域の先頭セクタを拡張パーティション ブート レコード (EPBR:Extended Partition Boot Recode) と呼び、MBR と同様の構造になっている。


V.3.論理領域 (logical partition)

 拡張領域内に作成するファイル格納領域。
▼ Linux は論理領域に OS をインストールし、起動することも可能。
▼ Windows は、データ格納用のドライブとして認識可能。
  ただし、アクティブ パーティションにある ntldr, bootmgr 等のカーネル起動用プログラムから起動されるのであれ
  ば、論理領域に windows の OS をインストールすることも可能。
  こうした状況は、1 つのハードディスクに複数の windows をインストールすることで現れる。

 拡張領域内に作成できる論理領域は 1 個のみであるが、拡張領域内にさらに 1 つの拡張領域を設定できる (入れ子構造になる) ため、作成できる論理領域の総数に (ハードディスク容量の範囲内において) 制限は無い。


V.4.パーティションのイメージ

 ハードディスクのパーティションを、基本領域を 2 つ、論理 (拡張) 領域を 2 つ、合計 4 つのパーティションに分割した時のパーティションのイメージは次のようになる。


※ 上図はハードディスクの全セクタを、左側から一列に並べた時のイメージ。




≪ previous [[ ハードディスクの構造とパーティション ]] next ≫