パソコン実習室
GRUB によるトリプルブートの実験
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Y.4.ハードディスク 2 台による回避手順

 もう1 台のハードディスクを編集用として用意できるなら、MBR の編集を行わずにトリプルブートの環境を作れる。
 編集用ハードディスクの容量は少なくて構わない。

Y.4.1.Windows 2000 server

 ハードディスクの交換回数を減らすため、作業用ディスクへの Windows 2000 server のインストールから始める。
  1. 用意した作業用ハードディスクをセットし、Windows 2000 server のインストーラを起動する。
  2. 未使用領域に 10 GB の新規パーティションを作成し、NTFS でフォーマットする。
     作成済みのパーティションがあった場合、新規パーティション作成前にすべて削除しておく。
  3. Service Pack 4 を適用する。
  4. レジストリを編集し、48 ビット LBA のサポートを有効にする。
    1. レジストリ エディタ (regedit) を起動する。
    2. 次のキーを開く。
      HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\Atapi\Parameters
    3. レジストリの値を次の内容で追加する。
      値の名前EnableBigLba
      データ型DWORD 値
      値のデータ0x1
    4. レジストリ エディタ (regedit) を終了する。
  5. PC をシャットダウンする。

Y.4.2.Windows XP

  1. ハードディスクを目的の 250 GB のハードディスクに交換し、Windows XP のインストーラを起動する。
  2. 未使用領域に 120 GB の新規パーティションを作成し、NTFS でフォーマットする。
     作成済みのパーティションがあった場合、新規パーティション作成前にすべて削除しておく。
  3. 新規パーティションに Windows XP をインストールする。
  4. Service Pack 2 を適用する。
  5. ついでに Service Pack 3 も適用する。
  6. Partition Wizard Home Edition をインストールする。
  7. PC をシャットダウンする。

Y.4.3.Windows 2000 server のコピーと拡大

 作業用ハードディスクにある Windows 2000 server を、Windows XP をインストールしたハードディスクの第 2 パーティションにコピーする。
▼ もし、Windows XP のパーティションサイズを 120 GB より大きくしたいのであれば、以下の作業を始める前に
   Y.3.3.パーティション サイズの拡大 と同じ要領で拡大可能である。
   ただし、Windows XP のパーティション位置を移動しないこと。

  1. 作業用ハードディスクをスレーブ (ジャンパ ピンに注意)、あるいは (CD ドライブ等を外して) セカンダリ チャネルに接続する。
    ※ とにかく、第 2 ハードディスクとして接続する。
    ※ 転送速度は遅くなるが USB 経由の接続でも構わない。
  2. PC を (正常であれば、Windows XP が) 起動する。
  3. Partition Wizard を起動する。
  4. Disk 2 のパーティションを選択し、[Copy] をクリック。
  5. Disk 1 の空き領域を選択して、[Next] をクリック。
  6. [Size & Location] 欄パーティション イメージの右枠を適当な位置までドラッグ(**)してから、[Partition Size] 欄に 70000 (70 GB) を入力、[Create As] 欄を [Primary] に変更して [Finish] をクリック。
     (**) [Partition Size] 欄への入力だけ (ドラッグなし) では、サイズ変更が認識されないことがある。
  7. Disk 1 に約 70 GB の第 2 パーティションが作られていることを確認して [Apply] をクリック。
    ※ [Undo] をクリックすれば、変更操作 (コピーと拡大) はキャンセルされる。
  8. 確認入力 (下図) で [YES] をクリックするとコピーと拡大が始まる (右図)。
  9. 終了時のメッセージでは [OK] をクリックする。

  10. Partition Wizard を終了する。
  11. PC をシャットダウンし、作業用ハードディスクを外す。

Y.4.4.Linux ES3

 以上でハードディスク上の 2 つの Windows は、Y.3.ハードディスク 1 台による回避手順 を実施したのと同じ状況になる。

 引き続き W.2.Linux ES3 のインストール 以降を実施すればトリプル ブートは完成する。


Y.5.参考 - Partition Wizard を使う上で考慮すること

Y.5.1.未割り当て領域のフォーマット

 今回のように Partition Wizard を使ってパーティションの移動、コピー、拡大等を行う場合、考慮しておきたいことがある。

 ハードディスクには稀に、read, write のできない不良セクタが存在することがある。
 フォーマットを行えば、これら不良セクタは使わないように処理されるので、OS をインストールする領域については心配ないが、 移動先、コピー先、拡大する領域についてはフォーマット時の検査が行われない (特に新品の場合) ことになる。

 トリプルブートでの運用を考えているなら Partition Wizard を使った作業を始める前に、時間はかかるが未割り当て領域 (これから使う領域) のフォーマットを実施しておいた方が無難だろう。
※ フォーマットの終わったパーティションは (セクタのチェックが終わったので) 直ぐに削除する。
  1. PC (Windows XP) を起動する。
  2. [コンピュータの管理] - [ディスクの管理] を開く。
  3. 未割り当て領域を右クリックし、[新しいパーティション] を選択する。
  4. 「新しいパーティション ウィザード」で次の選択をする。
    1. プライマリ パーティション
    2. パーティション サイズで最大値入力 (デフォルト)
    3. ドライブ文字またはドライブ パスを割り当てない
    4. NTFS でフォーマット
  5. 「新しいパーティション ウィザード」を完了するとフォーマットが始まる。
  6. フォーマットの終わった新しいパーティションを右クリックし、[パーティションの削除] を選択する。
  7. 確認入力で [はい] を選択して削除する。

Y.5.2.MBR の編集範囲

 Partition Wizard はその作業内容に応じて MBR に変更を加える。
単にパーティション サイズを拡大・縮小するのみなら意識する必要もないが、ハードディスク間でのコピーや、マルチブート環境に於いては知っておいた方が無難だと思う。

 Partition Wizard が MBR に及ぼす変更の詳細は、「Windows の引越し」の "T.2.用意するもの" にある 囲み記事 を参照のこと。




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