『宝石』に掲載されていた当時の、村上 松次郎氏による「悪魔の手毬唄」の全挿絵を視覚的資料として引用してみました。
『宝石』掲載当時の時代的な雰囲気の一端だけでも感じていただけたらと思います。


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 御注意 >>>

当ページに掲載されておりますイラストは当然のことながら「悪魔の手毬唄」のストーリー進行と
密接に関係しておりますので、
「悪魔の手毬唄」未読の方はご覧になられないようお薦め致します。

万が一、まだ未読だという方が間違ってこのページにきてしまったのでしたら、
こちら
より退出してきただいた方がよろしいかと存じます。


昭和32年8月号(第回)より引用
昭和32年9月号(第回)より引用
昭和32年10月号(第回)より引用

昭和32年11月号(第回)より引用
昭和32年12月号(第回)より引用
昭和33年1月号(第回)より引用

昭和33年2月号より引用
昭和33年3月号(第回)より引用
昭和33年4月号(第回)より引用

この号は休載でした。
しかしながら、表紙の裏に
ちょっと面白い広告を見つけたので
「悪魔の手毬唄」とは関係ありませんが
ついでにその画像を載せてみました。
こんな番組もかつてはあったのですね。

◆本号巻末「編集後記」より抜粋◆

ところで、お詫びしなければならないのは、横溝さんの「悪魔の手毬唄」が、一回休載のやむなきに至ったことである。横溝さんは本誌の長篇には非常な気の入れ方で、その執筆には時間がかかり、締切りもおくれがちなのだが、本号校了のギリギリになって、ちょっとからだをこわされ、ついに今月はあきらめるほかないこととなった。次号からは、こういうことのないよう万全の努力をするつもりである。(江戸川生)

 

昭和33年5月号(第回)より引用
昭和33年6月号(第10回)より引用
昭和33年7月号(第11回)より引用

昭和33年8月号(第12回)より引用
昭和33年9月号(第13回)より引用
昭和33年10月号(第14より引用

昭和33年11月号(第15より引用
昭和33年12月号(第16より引用
昭和34年1月号(最終回)より引用

「ちょっと一貫借りました」

 さすがに最終回ともなると挿絵の掲載点数も多く、レイアウトの関係でスペースが余ってしまったので、少しだけ余談を…。
 ひとつの挿絵を見たとき、不意に「あしたのジョー」のことを思い出してしまいました。…知っている人もいらっしゃると思いますが、「あしたのジョー」が少年マガジン誌に連載で掲載されていた時、高森朝雄(=梶原一騎)の原作にある力石徹の登場に対して、ちばてつやは「ジョーの前に立ちはだかった」的な文章を受けてジョーより一回り大きく力石を設定して描いてしまうというミスをしてしまい、体重クラス別のボクシングではプロとなった二人が戦うことができなくなってしまうというピンチに陥ってしまったのですが、二人はこのミスを逆手に取ってあの力石の“死の減量”へ向かわせるというマンガならではの素晴らしい逆転満塁ホームラン的効果へ転じさせてしまった…という話しを思い出したからです。

 何が言いたいのかといえば、完結された作品から好きな場面をイラスト化するのであればまだしも、かくも結末のみえない連載物の、それも締めきりぎりぎりまで脱稿に時間をとったらしいという横溝正史の書く文章をもらってから、どの場面をどのように描こうかとか考えて描くという作業は、いろいろと大変だったんだろうなぁ…などと感慨深く感じたということなのです。
  またそういった中でもこれだけの素晴らしい挿絵を生み出せた
村上松次郎氏や、他の作品の挿絵画家の方々の奮闘振りにも敬意を持って目を向けてもらう機会があっても…というのがこのページの主眼でもあります。
  「名探偵読本 8 金田一耕助」にも金田一耕助だけをメインに「どういう描かれ方をしてきたか」的見地から取り上げられていましたが、やはり横溝作品は金田一耕助も重要ですが、他の人物の描かれ方も大変すばらしいのですから、こうしてひとつの作品を通して全体の流れを知ってみても面白いのではないかと思ったのです。
 ついでながら、一冊の文庫なり単行本で一挙掲載されているものしか現在はなかなか目にすることができませんが、こうして雑誌連載のつづきモノという形を目の当たりにしてみると、一体どこで <次回につづく> になっていたのか…などという楽しみ方もできて面白い発見もありました。特に最終回の本文前にある乱歩の言葉には感激すらしてしまいます。
  …あ、それと、これができるなら、他の作品も…などという恐ろしい期待だけはくれぐれも持たないでいただきたいものです。

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∵∴∵∴ こちらのHPなどでも雑誌掲載時の挿絵などに関しての記述を御案内されておられます。 ∴∵∴∵

金田一耕助アートウエーブ  http://homepage2.nifty.com/a-to/

横溝正史エンサイクロペディア  http://member.nifty.ne.jp/jiichi_kakeya/ys_pedia/ys_pedia_index.html