雪の降った日に




 一昨日彼女と別れた。昨日は夜から友人と朝まで飲み明かした。
 今日は少し頭が痛い。
 窓の外を見ると雪が白く降り積もっていた。道理で寒い訳だ。
 窓には水滴がついている。
 部屋の中は暖房をしているが思い切って窓を開けてみた。
 ひゅうっと寒い空気が僕の体を撫で付ける。
 僕は先週自動車整備工場を辞めたばかりでこれから何を飯のタネにしようか考えないといけない。
 だけど支えてくれると思った彼女はもう居ない・・・。
 知らず知らずの内に頼りすぎたのかもしれない。負担をかけてしまった。
 彼女は多くを語らなかったがそれが別れる原因にもなってしまったんだろう・・・。

 雪は白く降り積もっている。
 僕も気持ちをこの雪とようにまっさらにして頑張っていかないと、と思った。
 暖房を消し、ドアをゆっくり開けると眩しい日差しが差し込んできた。
 ゆっくりアパートの階段を降りる。
 外は何時の間にか晴天になっていて碧い空に吸い込まれそうになった。

制作年月日:2001/11/11
制作者:テール
注意:フィクション

[←前] / [次→] / [ぶんしょう一覧] / [TOP] / [オチなしの真面目な文章?]