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ゲームのお部屋

Rogue-like Games紹介のページ


Rogue-like Games

 今は昔(たぶん公式には1980年)、まだコンピュータは企業でも現在ほど使われてはいない時代であり、大学などの研究の道具だった頃のこと。当然研究目的で使用するものですから遊びで使えるようなプログラムはほとんど存在していませんでした。

 そんなとき、研究生たち(Michael Toy, Glenn Wichman, and Ken Arnold)が研究の合間に(暇をもてあまして?)UNIX上でRogueというゲームを作りました。これは当時すでに発売されていたD&D(ダンジョンズ・アンド・ドラゴンズ)という名のテーブルトークRPG(*)のシステムをベースにコンピュータに組み込んだコンピュータRPGでした。このコンピュータRPGは研究生の間に恐ろしく流行ったと伝えられています(その移動方法が標準のテキストエディタのviのカーソルの移動方法と同じだったのでBSD UNIX にキーボード練習ソフトとしてバンドルされたとか)。しかし、このプログラムのソースは、研究生たちが遊んでばかりいて罰が当たったのか失われてしまいました(笑)。なお現在ではその当時のゲームの動作からTim Stoehr氏がプログラムを再構築したRogue Cloneが配布されています(注意:めちゃくちゃに難しいので、やる場合には覚悟すること)。

 Rogue Cloneの各機種配布ページへのリンクはこちらから。Macintosh版はこのページからどうぞ(ここにはJNetHackのMacintosh版もあり)。作者の1人Glenn WichmanによるRogueの開発史はこちら

 それはさておき、このRogueは以下のような特徴を持ったゲームでした。

 一般的にこれらの特徴を備えたRPGをRogue-like Gamesと呼んでいます。

 このころに他の人々も独立してコンピュータRPGを作っています。こうしてコンシューマ向けのRPGの元祖と呼ばれる「Ultima」の前作であるAkalabeth(シルマリルの物語に入っているのはAkallabethなので1文字違う)が1979年に、また「Wizardry」が1981年に誕生しました(発売機種は両方ともApple II)。

 一方でRogue自身を拡張することも行われました。こうして誕生したのが、NetHack(Rogue→Hack→NetHackと拡張)、Angband(Rogue→Moria→Angbandと拡張)、Omega(Rogue→Omegaと拡張)といったゲームたちです。これらはいずれも(少なくとも最近までは)Rogueの表示形式を踏襲しており、それぞれが独特の特徴を持っています。

(*脚注)テーブルトークRPGとは、現在コンピュータRPGでコンピュータがやっている役割を人間(ゲームマスター、と呼ばれる)がやるものです。例えば、こんな風に。

 もともとRole Playing Game(役割を演じるゲーム)という語は、それぞれのプレイヤーが戦士や盗賊の「役割」を演じるこのテーブルトークのゲーム形態からきています。コンピュータRPGは特定の「役割」を演じることから長らく遠ざかっていました(言いかえると一人何役もやっているようなものでした)が、Ultima・Onlineのような多人数で行われるオンラインゲームの出現により、本来の意味に近いものも現れ始めました。オンラインゲームでもRogue-likeは源流的存在であり(なにしろマルチユーザー前提のUNIX上で開発されたものなので)、対戦型のVsHackや協力プレイ型のMAngbandなどが存在します。

 なお、D&Dの発売は(たぶん)1974年であるので、RPGは極めて速やかにコンピュータ化されたと言えるでしょう。


(J)NetHack-迷宮の賢猫LNDMLSのじゃれごと

(J)NetHackはRogueから謎解きとサバイバル戦略を重視して拡張されました。

などなどといった要素が付け加えられています。

 ここでは(J)NetHackについてのプレイのこつが書いてあります。プレイしているのは新バージョン発表を期にMacintoshになりました(JNetHackじゃなくてNetHackの新バージョンね)。

 またNetHackにはここからさらに派生したNetHack - The Next GenerationやSLASHといったバリアントがありますので興味がある人はどうぞ(一度NetHackをクリアしてからやることをおすすめしますが)。


(J)Angband-鉄の牢獄の略奪者

(J)AngbandはRogueを戦闘とアイテム収集を重視して拡張したものです。

ゲーム名や冥王モルゴスの名前から分かる人は分かると思いますが、このゲームはJ.R.R.トールキンの「指輪物語」他の影響を色濃く受けています。ユニークモンスターやアーティファクトの名前はほとんどがこの系統からの出典であると見て良いでしょう。(そもそもD&Dからして指輪物語の世界観を体感したいという欲求から開発されたシステムなわけですが。)

Angbandはもっともバリアントが多いRogue-likeとされており、ZAngband、SAngband、OAngband、変愚蛮怒、ToMEなどなどいろいろなものが知られています。


(J)Omega-運命の支配者への挑戦

(J)OmegaはRogueをクエスト(使命)と魔法の使用を重視して拡張したものです。

といった要素が付け加えられています。

 広く、浅くといった感じで上の2つに比べるといまいちの感があるが・・・


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