もう1 台のハードディスクを編集用として用意できるなら、MBR の編集を行わずにトリプルブートの環境を作れる。
編集用ハードディスクの容量は少なくて構わない。
ハードディスクの交換回数を減らすため、作業用ディスクへの Windows 2000 server のインストールから始める。
- 用意した作業用ハードディスクをセットし、Windows 2000 server のインストーラを起動する。
- 未使用領域に 10 GB の新規パーティションを作成し、NTFS でフォーマットする。
- Service Pack 4 を適用する。
- レジストリを編集し、48 ビット LBA のサポートを有効にする。
- レジストリ エディタ (regedit) を起動する。
- 次のキーを開く。
- レジストリの値を次の内容で追加する。
値の名前 | EnableBigLba |
データ型 | DWORD 値 |
値のデータ | 0x1 |
- レジストリ エディタ (regedit) を終了する。
- PC をシャットダウンする。
- ハードディスクを目的の 250 GB のハードディスクに交換し、Windows XP のインストーラを起動する。
- 未使用領域に 120 GB の新規パーティションを作成し、NTFS でフォーマットする。
- 新規パーティションに Windows XP をインストールする。
- Service Pack 2 を適用する。
- ついでに Service Pack 3 も適用する。
- Partition Wizard Home Edition をインストールする。
- PC をシャットダウンする。
作業用ハードディスクにある Windows 2000 server を、Windows XP をインストールしたハードディスクの第 2 パーティションにコピーする。
- 作業用ハードディスクをスレーブ (ジャンパ ピンに注意)、あるいは (CD ドライブ等を外して) セカンダリ チャネルに接続する。
- PC を (正常であれば、Windows XP が) 起動する。
- Partition Wizard を起動する。
- Disk 2 のパーティションを選択し、[Copy] をクリック。
- Disk 1 の空き領域を選択して、[Next] をクリック。
- [Size & Location] 欄パーティション イメージの右枠を適当な位置までドラッグ(**)してから、[Partition Size] 欄に 70000 (70 GB) を入力、[Create As] 欄を [Primary] に変更して [Finish] をクリック。
- Disk 1 に約 70 GB の第 2 パーティションが作られていることを確認して [Apply] をクリック。
-
確認入力 (下図) で [YES] をクリックするとコピーと拡大が始まる (右図)。
- 終了時のメッセージでは [OK] をクリックする。
- Partition Wizard を終了する。
- PC をシャットダウンし、作業用ハードディスクを外す。
以上でハードディスク上の 2 つの Windows は、
Y.3.ハードディスク 1 台による回避手順 を実施したのと同じ状況になる。
引き続き
W.2.Linux ES3 のインストール 以降を実施すればトリプル ブートは完成する。
今回のように Partition Wizard を使ってパーティションの移動、コピー、拡大等を行う場合、考慮しておきたいことがある。
ハードディスクには稀に、read, write のできない不良セクタが存在することがある。
フォーマットを行えば、これら不良セクタは使わないように処理されるので、OS をインストールする領域については心配ないが、
移動先、コピー先、拡大する領域についてはフォーマット時の検査が行われない (特に新品の場合) ことになる。
トリプルブートでの運用を考えているなら Partition Wizard を使った作業を始める前に、時間はかかるが未割り当て領域 (これから使う領域) のフォーマットを実施しておいた方が無難だろう。
- PC (Windows XP) を起動する。
- [コンピュータの管理] - [ディスクの管理] を開く。
- 未割り当て領域を右クリックし、[新しいパーティション] を選択する。
- 「新しいパーティション ウィザード」で次の選択をする。
- プライマリ パーティション
- パーティション サイズで最大値入力 (デフォルト)
- ドライブ文字またはドライブ パスを割り当てない
- NTFS でフォーマット
- 「新しいパーティション ウィザード」を完了するとフォーマットが始まる。
- フォーマットの終わった新しいパーティションを右クリックし、[パーティションの削除] を選択する。
- 確認入力で [はい] を選択して削除する。
Partition Wizard はその作業内容に応じて MBR に変更を加える。
単にパーティション サイズを拡大・縮小するのみなら意識する必要もないが、ハードディスク間でのコピーや、マルチブート環境に於いては知っておいた方が無難だと思う。
Partition Wizard が MBR に及ぼす変更の詳細は、「Windows の引越し」の "T.2.用意するもの" にある
囲み記事 を参照のこと。