Q 家庭菜園でキュウリ栽培を行っているが、果実が大きくなるにつれて曲がっ
てしまう。曲がり果の主原因は?
A いろいろな原因で起こります。
栄養状態の悪いのが第1に考えられます。乾燥・病害・肥料不足により葉や根からの養水
分が足りなくなると多くなります。そして風害や病害虫により葉が傷み同化養分が足りなくなる
ととたんに曲がります。このほか幼果皮の傷、葉かきや芽摘みによるショック、株の老化など
が考えられるでしょう。
対策としては適正管理(栽培指針参照)を心がけるのが大切です。生育後半まで草勢の強
いタキイ種苗の「つばさ」などの品種や、接ぎ木苗がおすすめです。
類似した症状に「尻太果」「尻細果」などがあります。
尻太果は草勢低下になる栽培後半に多く、とくにカリウムが欠乏すると発生しやすいので、
追肥には「硫安」「尿素」しか使わないなんて人は要注意です。「NK化成」のような追肥に向く
肥料を使うか、塩化カリなどのカリウム肥料も与えてください。よく分からない場合は、基肥に
使う「〜化成」「〜配合」などの「窒素」「燐酸」「カリウム」が入っている肥料を追肥にも使ってく
ださい。
尻細果は逆に草勢が強いときに発生が多くなります。とくに高温・乾燥となる梅雨明け後に
多くなりますので、敷きワラやかん水などでやわらげてあげてくださいね。(^-^)
「なーんかめんどだなあ」と思う人は、堆肥などによる土づくりをおこなうと、根が丈夫になり
上記の障害果が少なくなります。
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Q きゅうりってどのくらい水を吸うの?
A きゅうりのかん水についてまとめてみました(^-^)
「きゅうりは水で作る」という諺があるほど、きゅうり栽培ではかん水が重要となってきます。水
不足が続くとお尻が細いきゅうりが多くなったり、新しいわき芽があまり伸びてこなくなったりし
て、早く枯れてしまいます。
しかしやたらめったらかん水をしたら根が傷んでしまいます。時期別にもかん水量は違ってき
ますので、だいたいのポイントは以下のとおりになります。
1 育苗時
発芽したあとは、徐々にかん水量を減らしかん水を少なめに管理します。苗の時期にタップ
リ水を与えると、ヒョロヒョロになりやすいばかりか、定植後もしょっちゅうかん水しないとすぐし
おれてしまいます。かん水は枯れない程度にとどめて健全な苗を作りましょう。
2 定植準備
おおよそ定植の1週間前までに施肥・うねたてを行っておきます。畑が遠いなど定期的にか
ん水しにくい場合は、堆肥を溝施用したりマルチを張ると良いでしょう。土がしめっているとき
にマルチを張るのがポイントです。
3 定植時
定植数時間前に植え穴を掘り、1〜2リットル/穴くらいの水を染み込ませておきましょう。乾
燥している場合はもう少し多くても良いです。
バケツなどに水を張っておき、1分ほど苗鉢を漬けておくと十分水が染み込みます。
定植穴に苗を植えた後、土は鉢面の上に厚く載せないほうが、生育を調節しやすいです。乾
燥しやすくかん水しにくい畑などでは少し深植えするのもいい方法ですが、病害の発生や過
剰生育の恐れもあるため、十分注意してください。
穴の下に十分な水分があれば、定植後のかん水は回りの土を落ち着かせる程度の少量で
かまいません。多量にすると土が流れ出し根が洗われてしまうので逆効果です。
4 定植後〜茎葉伸長はじめまで
この時期は定植苗がしおれないよう注意してください。よほど雨が降らなかったり、高温続き
の場合は、夕方1リットル/株くらいの水を土が流れないよう注意しながら株元にあたえてくだ
さい。萎れなければかん水はなるべくしないほうがいいです。徐々にかん水を減らしていくイメ
ージでいてください。
5 茎葉伸長はじめ〜初収穫まで
この時期はなるべくかん水しません。茎葉が伸び始めるとめったなことではしおれなくなりま
す。広く深く根を張らせるためにもかん水は我慢する大切な時期です。しおれないかぎり、か
ん水はひかえましょう。
6 初収穫〜収穫最盛期まで(1本/株/日)
じょじょにかん水量を増やしていきます。きゅうり1本を収穫したら1リットル/株くらいあたえ
るくらいがいいでしょう。かん水の間隔は収穫が増えるに従い2〜3日おきにおこないます。こ
のころはもう草丈が1mを超えていますのでかん水は株元ではなく、うね間に行いましょう。た
だしうね間が歩きにくくなるので、しき草など行うと表面からの蒸発も防げるので効果的です。
降雨をみて加減してください。
7 収穫最盛期〜
茎葉が2mを超えるくらいになると、きゅうりはどんどん水を吸いますので、たりなくならない
ようかん水します。だいたいの適正量は3〜5リットル/株を、2〜3日おきにあたえます。毎
日少量あたえるより、2〜3日おきに十分与えたほうが、根が弱らずに健全に生育します。降
雨を見て加減してください。
★かん水が定期的にできない!場合
ちょっと変わった方法で、「不耕起」や「表面耕うん+不耕起」などの方法もあり、現在研究が
すすんでいます。硬い土に伸びた根は吸水力が強いことと、地下から毛管水が上昇してくる
ので、仮に収穫期に乾燥がつづいてもきゅうりが成るからです。ただし土地がやせていて作
物の出来がよくない畑などでは、根が伸びれなくて生育不良となりやすいので注意してくださ
い。
この栽培方法では、特に「4 定植後〜茎葉伸長はじめまで」の管理が大切です。つまり悪条
件のなか、根が伸び始めるまでは弱々しくなりやすいので、この時期は薄い液肥を与えるな
どして、すこしいたわってあげます。そのかわり茎葉が伸び始めたらあとは後半まで強健に生
育してくれます。
★かん水方法・量について
ホースで勢いよく与えると土砂が跳ね返り葉裏が汚れます。実はこの土砂には病原菌も含ま
れるため、下葉から病気が急激に進む場合もあります。かん水はジョウロなどでおこなうか、
なるべく静かにおこないましょう。
またホースでかん水するためどのくらいの量がわからない場合は、あらかじめバケツなどで量
と時間を計っておくと目安になります(^-^)。
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Q 最近きゅうりの表面をかじるいも虫が増えてこまっています。
A ワタヘリクロノメイガという蛾の幼虫です。
これはワタヘリクロノメイガというガの幼虫で、ここ数年北日本全域で被害が増加しています。
主に7〜9月に被害が多く発生します。店頭で普通に売られている農薬ではなかなか死なな
いので、「アファーム乳剤」「コテツフロアブル」などの最近の農薬を散布します。
成虫の飛来と産卵を防ぐため、ハウスでは寒冷紗などの網を張るのが有効ですが、家庭菜
園ではそうもいきません。私は毎日回ってきゅうり表面や葉裏の虫糞をみつけては、捕殺して
います。
このほか、茶色い甲虫で近づくとぱっと飛んでにげてしまう「ウリハムシ」がいます。多発生
すると葉がボロボロになってしまうので厄介ですが「ディプテレックス乳剤」が効果的です。ま
た早朝(4〜5時ころ)は動きが鈍く捕まえやすいので、捕まえる場合は早起きしましょう。
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