走ってみた 加計呂麻編 pt.1 フェリーかけろま

Back to 亀甲音 Personal Page
Back to 南方単車旅 index

奄美大島地図

 加計呂麻編 pt.1 フェリーかけろま

毎度お馴染み、加計呂麻フェリーの勇姿です
'01/ 5/ 5
アメリカ軍の上陸用舟艇に
色を塗って客室を取り付けただけ、
に見えますね。
撮影者:quickone

 加計呂麻島は、奄美大島(以降、加計呂麻編では「本島」と表記します。ご了承ください)の南西に、大島海峡を挟んで、出来掛けのジグソー・パズルのように寄り添う島です。大島海峡は、両岸ともに入り組んだリアス式の海岸を持ち、もっとも狭いところでは両岸の間隔は1kmもありません。じっさい、加計呂麻島の観光名所である安脚場の高台に登って、小型双眼鏡で対岸のヤドリ浜のビーチを眺めれば、ビキニ姿の若い女性の姿も見え、
「しまった、今日はあっちがおいしい日だった…」と臍を噛む思いをすることもあります(コラコラ)。
 大島海峡は、流れこそありますが、たいへん穏やかな海なので、本島側から加計呂麻島に渡るには、

1.泳いで渡る。
2.カヌーを漕いで渡る。
3.浮き輪をいくつか組み合わせ、それに縋って後は波と風に身を委ねる。

といったオプションが考えられますが、時間を限られた旅行者である私たちは、エンジン付きの船で渡りましょう。
 船は、基本的には古仁屋から出ています。「走ってみた pt.3」で、宇検村から古仁屋に来たとき、最初に目にした信号を右に曲がると、町営フェリー「かけろま」の船着き場に出ます。バイクと供に島に渡る方は、この町営フェリーに乗りましょう。また、この船着き場には「海上タクシー」の待合所も隣接されており、何かの理由でバイクを置いて身一つで加計呂麻に渡る方はこちらも利用できます。料金は…分かりません。
 古仁屋港は、五年ほど前に国の港湾整備事業によって生まれ変わったのですが、それまでの海上タクシー待合所は「侘び寂びの権化」とでも呼びたくなるような、不思議に落ち着いた雰囲気の場所でした。いまいち天気が優れず、泳ぐ気にもバイクで走る気にもなれないときなどは、古仁屋の街でお弁当を買って、この待合所で食べながら地元の人たちの会話を聞いたり、係留された海上タクシーの間から釣り糸を垂れる人の釣果(けっこう釣れてた)を眺めていました。今は、過渡的なものだと思いますが、プレハブ造りの素っ気無い物置みたいな建物で、とても中に入ってみる気にはなれません。
'95/ 8/?? 高台より芝海水浴場を眺める。
撮影者:quickone

 町営フェリーは、古仁屋と加計呂麻島を一日七往復しています。
 おおざっぱな運行スケジュールとしては、古仁屋と加計呂麻島の中央部にある瀬相(せそう)港を、午前と午後にそれぞれ二往復ずつと、加計呂麻島南部の池間(いけんま)港に午前二往復、午後一往復で運行しています。詳細な時刻と料金は、こちらを参照してください。
 町営フェリーの乗船切符は、フェリー発着所横のAコープで買います。出港時間直前はたいへん込み合いますので、すこし時間に余裕を持って行きましょう。
 ここで気をつけたいのは、「大人ひとり、バイク一台」なんて言い方をすると、原付用の切符が出てきますから、126cc以上のバイクで利用する方は、必ずバイクの排気量を申告してください。でないと、乗船するときに係りのお兄ちゃんに「これじゃダメ!」と怒られてしまいます。

 上の写真をじっくりご覧戴きたいのですが、このフェリー、出入り口が一箇所しかありません。ですから、車はバックで乗船し、バイクは中でUターンするか、後ろ向きに押して載せるしかありません。
 キャンプ・ツーリングなどで荷物満載状態の場合は、なるべく早めに乗船するなどしましょう。

 船は、三層の構造になっていて、下から車両デッキ(冷房付の小さなお年寄り専用客室あり)、屋根付展望デッキ(単に壁がないだけとも言う)、客室デッキ(冷房付の客室と屋根無しの喫煙コーナー)に分かれています。瀬相まで25分、池間までは20分の航海ですから、どこで過ごしてもいいのですが、第二層の屋根付展望デッキにある自動販売機は小さな特色です。なにしろ町営フェリー、税金で営業していますから、副業で利益を上げられません。というワケで、自動販売機のドリンクの値段は \110 になります。ちょっと得をした気分でスポーツ・ドリンクをごっくん。なにしろバイクは喉が渇きますからね。
'01/ 5/ 5 こちらは、フェリー入港前の瀬相港。
撮影者:quickone

 おっと、忘れてはいけない。ガソリンは満タンですか?加計呂麻にはガソリン・スタンドは瀬相と池間に二軒しかありません。そのうち池間の一軒は、それほど熱心に営業していません。地図で見る限り小さな島ですが、海岸沿いに作られた道路は複雑なカーブを描いて、実際の距離を途方もなく長いものにしています。大島海峡沿いに島を縦断する県道だけを走れば、端から端まで走っても50kmとありませんが、ちょっと好奇心を出して県道から外れた集落に行ったり、ダートを求めて林道に入ったりなどすれば、簡単に150〜200kmを走ることになります。
 もっとも帰りのフェリーの時間を考えれば、泊まるつもりがない人はそんなに走ったりはしないでしょうが、それでも用心のため、ガソリンはなるべく多めの状態で行きましょう。
 おっと、忘れてはいけない。人間の方は満タンですか?
 加計呂麻も本島と同様、あまり外食産業に縁のない土地ですから、食事を摂るのはたいへんです。島の中央から南よりには県道沿いになん軒かあるのですが、瀬相港から来たに向かうと、フェリー発着所を出てすぐの徳州会病院に喫茶店がある以外には、およそ20km先の芝にペンション兼レストランがあるだけです。
 また、キャンプ派のライダーにとっても、事情は厳しくなります。加計呂麻には生鮮食料品を扱うお店がほとんどありません。キャンプが前提の場合、あらかじめ野菜や果物だけでも日数分を用意してから行きましょう。

 さて、のんびり大島海峡を眺めているうちに加計呂麻に到着です。バイクは先頭で下船しますから、車両デッキで入港を待ちましょう。ゲートが開くと、そこは南海の秘境・加計呂麻です。
 長々と無駄話にお付き合いいただきましたが、次からいよいよ加計呂麻島を走ります。よろしければ、下のNEXTをクリックしてください(現在、作成中です)。


← BACK ← → NEXT →

メールは、こちら