「にゃーーーーーははははははははは!!!!」
「お前は・・・いつかの!!」
「覚えてるッチね」
「バカノビッチ!!」
「ザコノビッチだ!!わざと間違えてるだろ!!」
壁を突き破り、大きな乗り物に乗って突然現れたのはザコノビッチ!
「とにかくこのマシーンは頂いていくッチ!!
こいつで強い霊を呼び寄せてその力で今度こそやりたい放題ッチ!!
にゃーーーーーーはははははは・・・・・・・・・」
ザコノビッチはマシーンを奪い、去っていってしまった。
ちなみに彼について詳しいことは超外伝2で。
「ま・・・まずいぞ!!」
「何が!?」
「あのマシーンは使い方次第では悪霊や妖怪も呼び出せてしまうんだ!!」
「そんな危険なものを作るなぁ!!」
「主様、とにかくまずいのではないですか?」
「そうだな・・・変なもの呼び出さないうちに取り返そう!!」
「ルーアン!コンパクトであいつの居場所を映してくれ!」
「任せて!あたしが先導するからついてきて!!」
メンバーはそれぞれ空を飛んで追いかけていった。
太助は軒轅に乗せて貰っている。
「ちぇーっ。せっかく遊びに行ったのに太助の家、誰もいなかったなぁ」
「恐らく大二郎さんの家に行っているのでしょう。何もなければいいのですが・・・」
「しかし大人数だな・・・まぁ今に始まったことじゃないけど」
たかし、出雲、翔子、花織、乎一郎は揃って大二郎宅へと向かっていた、その時。
「あっ、七梨先輩!」
「えっ!?どこどこ!?」
「ほら、上!!」
「ほんとだ!ルーアン先生もいる!!」
「みんな揃ってどこに行くんだ?」
「追いかけてみる必要がありそうですね」
下界から姿を確認した他のメンバーも後を追いかけていった。
しばらくして、太助達はとある山奥に降り立った。
「着いたわ、この向こうにいるはずよ」
「早くしないと・・・」
バキッ!メキメキメキ!!
「!!!」
木をへし折りながら巨大メカに乗って現れたザコノビッチ!
「やっぱり追いかけてきたッチね」
「ザコ!!」
「変な略しかたをするな!!
とにかくこのワンダフルザコノビッチャーリターンズでお前達をやっつけてやるッチ!!」
「う・・・・」
シャオ達は嫌な思い出を思い出した。
「なんなんですか。あのセンスのかけらもない変なメカは」
一人ヨウメイは落ち着いていた。まぁ初対面だし無理ないが。
「むきー!よくも言ったッチね!!くらえエキセントリックビーーーーム!!」
変な名前はさておきザコノビッチの攻撃!!
ドーーーーン!!
「くっ!相変わらずメカの方は強いな」
「主様。こんな奴私が・・・来たれ雷!!」
ビシャーーーーーン!!
「あれ?」
「にゃーーーーははははははははは!!そんなものは効かないッチ!!」
「むむ・・・見た目は果てしなく弱そうなのに・・・」
「余計なお世話ッチ!!」
リターンズになっても丈夫な装甲は健在のようだ。
と、そこへ。
「おい、大丈夫か!?」
追いかけてきた残りのメンバーが追いついてきた。
そしてザコノビッチのロボを見た瞬間・・・
「ぷ・・・あはははははははは!!」
全員大爆笑。
「うぐぐ・・・もう頭きたッチ!!ぶっとばすッチ!!」
自慢のメカを笑われ、逆上したザコノビッチは攻撃のボタンを押した!
「ビューティフルファイヤー!!」
・・・このネーミングセンスのなさはどうにかならんのか?
とにかく激しい炎を吹きだしてきた!
「なんでお尻から火を出すのよ!!」
かなり間抜けな攻撃だが火が辺りの木に燃え移って大変なことになりつつある!!
「や、やばいよ!このままじゃ山火事だ!!」
「にゃーーーーははははははは!!燃えろ燃えろッチ!・・・・・・あら?」
気がついたら自分も炎に囲まれていることに気付く。
「うわわわわ!!このままじゃ俺も燃えるッチ!お前ら助けろッチ!!」
「自業自得だ、アホ!!しかし火は消さなくちゃ・・・」
「主様、私に任せて下さい!!」
その時ヨウメイが自信満々で名乗り出た。
「来たれ豪雨!!」
ザーーーーーー!!
ヨウメイの呼び出した激しい雨で炎はすぐに鎮火した。
「ふいーーー・・・・助かった・・・」
そこにいた全員が安堵のため息をついた瞬間。
ドォォォォォォォン!!
「今の音は!?」
「まさか!」
「遅かったか・・・・」
奥に進むとバラバラになったマシーンと空中に浮かぶ青年の姿があった。
肌の色や服装からして人間ではないことがすぐにわかった。
「これはこれはどうも初めまして!私はあなたを復活させた恩人、ザコノビッチでございます!」
早速揉み手をしながら近付くザコノビッチ。メカも揉み手をしているところが芸が細かい。
「ふん・・・・」
ボカーーーーン!!
唐突に青年が放った光弾でザコノビッチはメカごと吹っ飛んでいった。
「あれぇぇぇぇぇぇ・・・・・・」
キランッ
「ふん・・・復活したてで俺もまだ本調子ではないな・・・
まずは妖怪世界に行って力をつけるか・・・・」
そうつぶやくと青年は太助達の方を向いた。
「お前達、俺の名を覚えておけ。いずれこの世界を支配する者「皇鬼(おうき)」だ!!」
しゅんっ!
そう言い残して皇鬼はワープして姿を消した。
「・・・なんかやばそうなのが出てきたな・・・・」
大二郎宅
「で・・・結局復活阻止には間に合わなかったんだな。まぁしかたない」
「あんたの作った機械だろうが!!」
「まぁ、待て・・・そいつはひとまず妖怪世界に行ったんだな?
じゃあすぐには攻めてこないだろう・・・ならば攻撃される前にこちらから乗り込んで奴を倒すのだ!!」
「無茶苦茶言うな・・・」
「大丈夫。こんなこともあろうかと妖怪世界へ行くための機械を発明しておいたのだ!」
「どういう状況を想定して作ったのか聞かせてほしいね・・・」
「ただ・・・問題が一つ。霊的なエネルギーがないと機械が動かないんだ」
「霊的なエネルギーがある所・・・・」
その瞬間、全員の視線が出雲に集中した。
「・・・あの・・・なんで皆さん、私の方を見るんですか?」
「いやです!!私の神社に妖怪世界の扉を開けるなんて!!」
「神社は霊的エネルギーの多い場所。他にないんだ。しかたないだろう」
「観念しろ、出雲」
嫌がる出雲を引きずって、メンバーは宮内神社の境内に集まった。
太助、シャオ、離珠、ルーアン、キリュウ、ヨウメイ、
たかし、乎一郎、花織、出雲、翔子
役者はそろった。いざ!
「エネルギー充填!!」
バリ・・・バリバリ!!
境内の電気のようなものが流れ始める。
「いくぞぉ!!スイッチオン!!」
バシューーーーーーーン!!
一瞬の閃光とともにメンバーの姿は消えた。
「あれ?戻ってくる時はどうするんだ・・・・まあなんとかなるか」
いいのか大二郎。
ここでは私、ヨウメイがこの話に登場するメンバーを紹介しちゃいまーす。
主様「私の主様です。名前は七梨太助。心が清くて優しい方なんですよぉ」
シャオリンさん「主を守る守護月天さんです。主様とはとっても仲がよろしいんですよ」
ルーアンさん「幸せを授ける慶幸日天さん。ご飯をすごくおいしそうに食べてくれるので大好きな人です」
キリュウさん「試練を与える万難地天。無愛想ですけどからかうと結構面白いですよ」
ヨウメイ(私)「私は知識を与える知教空天!統天書という本でいろんな自然現象を呼び出せるんです。すごいでしょ?」
愛原花織ちゃん「私のお友達。この時代ですぐに仲良くなってくれたんですよ」
野村たかしさん「主様の友達その1。とにかく叫んでばっかりでちょっとうるさいです」
遠藤乎一郎さん「主様の友達その2。真面目でおとなしい人です。ルーアンさんが好きらしいし、気が合うかもしれません」
宮内出雲さん「とにかくキザな人です。あんまり好きじゃありません」
離珠さん「シャオさんの星神です。なんか出雲さんと仲いいみたいです。どこがいいのかなぁ・・・」
山野辺翔子さん「シャオさんのお友達。いろいろ苦労してらっしゃるみたいです」
そして彼女はのたもうた
『ヨウメイのザコノビッチを見た感想』
今回の事件の発端となったザコノビッチさん。
私は彼のことを知りませんので統天書で調べました。
なるほど、前作「超外伝2」のザコキャラですか。
うーーーん・・・・彼のことを一言で言い表すなら、
『バカ』
ってことでしょうか?
頭が悪いだけならまだ救いはありますが、
性格も悪いですからね。
どうしようもない『バカ』です。彼は。
まぁおかげでこっちも余計な情けをかけなくて済みます。
どんな仕打ちも彼なら平気でしょうから。
全く・・・あの丈夫な体と不屈の精神を
もっと違うことに使ったらいいのに。
ねぇ?
「はぁ・・・どうしよう・・・」
見知らぬ土地でシャオとたった二人になった太助。
どうしても不安になってしまう。
地面に座って途方に暮れていた。
しくしく・・・
「ん?」
その時草むらから誰かのすすり泣く声が聞こえてきた。
「誰かいるのか?」
草むらをかきわける太助。
「!!!!!」
そこに一人の少女を見つけた。
泣いている。しかし太助にとっての問題はその少女が何故か一糸纏わぬ裸だったということ。
ぶはぁっ・・・
太助、鼻血大量出血で倒れる・・・・
「どうしたんですか、太助様!?」
「来々女御」
ひとまず少女に服を着せるシャオ。しかし少女はあまり落ち着かないようだ。
「で・・・どうしたの?」
頭が貧血でフラフラしながら話す太助。
「実は・・・この泉で水浴びをしていたらここに棲むカッパに服を盗られたんです・・・」
「カッパ!てことはやっぱりここは妖怪世界・・・」
「太助様・・・かわいそうですわ」
「そうだな・・・なんとかしてみるか」
泉を前にして立つ太助とシャオ。
「どうやってカッパを引きずり出すか・・・だな」
太助は大きく息を吸い込んだ。
「こらぁぁぁぁぁぁ!!カッパ!!女の子の服盗むなんて最低だぞ!!
服を返して出てこーーーーーーい!!」
シーーーーーン・・・・・
「駄目だ、無視された・・・」
「こうなったら直接こっちから潜って見つけましょう!」
シャオが泉に入ろうとしたその時、
「駄目よ!あなたまで服を盗られちゃう!
あたし泳いでたら水中で服をはぎ取られたのよ!!」
少女に止められてしまった。
「水中で・・・・」
一瞬シャオが水中でカッパに服を盗られるシーンを想像する太助。
「うわわわわ!駄目駄目駄目絶対に駄目!!他の方法を考えよう!!」
「そうですか・・・」
慌てて妄想を振り払い、シャオを止める。
心なしか顔が赤い。
「瓠瓜に水を飲み込ませましょうか?」
「おっ、それだ!!」
早速行動に移す。
「来々瓠瓜!!水を飲み込んで!!」
ズォォォォォォォォ・・・・・
瓠瓜がすごい勢いで水を飲み込んでいく!!
みるみるうちに泉の水位が下がっていく。
「だぁぁぁぁぁぁ!やめんかい!!」
突然水の少なくなった泉から声がした!
「誰だ!俺様の泉を荒らすやつは!!」
現れたのは本物のカッパだった。
泉から陸地に上がってくる姿はどこか偉そうだ。
「すげぇ・・・本物だ・・・」
感心する太助。
「あなたが勝手に泉を乗っ取ったんでしょ!?あたしの服返して!!」
服を盗られた少女が怒鳴る。
「ふん!この泉は俺様の物!だからここで泳ぐ奴の物も俺様の物なんだよ!!」
反省する気のないカッパ。
「仕方ない・・・シャオ」
「はい。来々天鶏!!」
ボワッ!
「あっちゃぁぁぁぁぁぁ!!」
天鶏の攻撃をくらって丸焦げになるカッパ。
火の攻撃には弱いらしい。
「これ以上みんなに迷惑かけてはいけません!」
シャオが喝を入れる。
「く・・・くそっ。覚えてろ!」
カッパはすたこらさっさと逃げていった。案外根性がない。
「ちょっとあたしの服!」
「ふん!こんな色気のねぇ服返してやらぁ!!」
逃げながらカッパは大きな亀の甲羅を放り投げてきた。
・・・・・甲羅?
「わっと!」
甲羅を受け取った少女。
「よかったぁ・・・どうなるかと思ったよぉ」
心底ほっとしている様子。
「あの・・・その甲羅は・・・」
「じゃ早速着替えて来ますね」
少女はそのまま草むらに入っていった。
数分後・・・
少女が亀の甲羅を身につけて現れた。
「あぁ、布の服は落ち着かないわ。やっぱりこの甲羅でなくっちゃ」
「・・・・君も妖怪だったの?」
「そうよ?見ての通り亀妖怪よ。助けてくれてありがとう。
この甲羅あたしにとって命と同じくらい大切なの」
「はぁ・・・・」
少女は屈託のない笑顔で話す。
亀の甲羅から人間と変わらない頭手足を出した姿は少し不思議な感じだが。
「あたしの名前は涼。あなた達は名前と種族は?」
「ええと・・・実は」
「えええ!!人間と精霊!?」
「うん・・・」
「へぇぇ・・・・人間って初めて見た・・・どうしてここに?」
「ちょっとわけありで・・・」
「ふーん・・・なんか興味あるな。助けてもらったお礼も兼ねて、あたし達の村に来たら?」
「そうだね・・・じゃお言葉に甘えて」
「あっと、その前に」
「何?」
「泉、元に戻しといてね」
涼に案内されて進む太助とシャオ。
「あれ?河が流れてる」
「あたし達の村はこの河の上流の陸地にあるの。
泳いでいくから二人は甲羅に乗りなよ」
そういうと涼は河に入ってうつぶせになった。
「それじゃ・・・」
太助とシャオは涼の甲羅の上に座った。
「それじゃ行くよ!」
涼は二人を乗せて河をさかのぼり始めた。
「ふーー・・・到着。ようこそ怪奇村へ!」
しばらく泳いだ後、村に到着。
あたりは村人がたくさんいるが羽や尻尾が生えてるところからして全て妖怪だ。
その時村人の一人が駆け寄ってきた。
「長老!何処に行っていたんですか。最近このへんも物騒なんですよ!」
「あはは・・・大丈夫よ。この人達に助けてもらったから」
「この方達が・・・これはどうもありがとうございます」
「はぁ・・・」
「とりあえずあたしの家においでよ」
「ふぁぁ・・・・大きなお家ですぅ・・・」
涼の家は村の中でも一番大きな建物だった。
「涼ちゃん、さっき『長老』って・・・・」
「そうよ?あたしこの村の長老なの」
「・・・はぁ?」
涼の見た目年齢は太助達とあまり変わらず、どう見ても長老には見えない。
「これでも10万年は生きてるから」
「10万年!?」
「まぁ、私より年上ですのね」
そういう問題じゃないぞ。
「亀は万年でしょ?妖怪のあたしならもっと長い・・・そうね、100万年は生きるんじゃない?」
「すげぇ・・・・」
なんて若々しい長老なんだ。
「じゃ・・・そろそろ聞かせてよ。この世界に来た理由を」
太助とシャオはこれまでの経緯を話した。
「なるほど・・・皇鬼復活にからんでいたとはね・・・」
「皇鬼を知ってるの?」
「10万歳を甘く見ないでよ。確か2万年くらい前かしら・・・
この妖怪世界を支配しようと一人の鬼が現れたのよ、それが皇鬼だったわ。
皇鬼一人の手によって妖怪世界はほぼ制圧され、いよいよ人間世界に出ようとしていたわ」
「で・・・そいつは人間世界に現れたのか!?」
「ううん。寸前のところで当時の戦士の手によって倒されたの」
「で・・・今皇鬼はどうなってるの?この世界に来ているはずなんだけど・・・」
「皇鬼はこの世界で「邪灯団」を組織したわ。
今この世界は邪灯団に支配されつつあるわ・・・」
「そういやさっきの村人が「最近物騒」って・・・」
「邪灯団が現れてから悪い妖怪が急激に増えたわ。
あのカッパもたぶん組織の一員でしょうね・・・」
つまり敵は皇鬼率いる「邪灯団」ということを理解した二人。
「とにかく皇鬼を倒さなきゃ。このままじゃ人間世界だって危ないし、
妖怪世界だってほっておけないよ」
「復活を阻止出来なかった私達にも責任のあることですし」
「・・・はっきり言って強いわよ、皇鬼は。
それでも行くってんなら止めないけど、せめて武器くらい持ったら?太助君」
「あ・・・」
「考えてなかったの?全くもう・・・うちに刀があるから貸して上げる」
「どうも・・・・」
「それから今日はここで休んでいったら?
いろいろあって疲れたんじゃない?」
「そうだね・・・ありがとう・・・・」
こうして今日は涼の家に泊まることになったのであった。
「・・・いい妖怪ってのもいるんだな・・・」
異世界で触れた暖かい心に感謝して、太助就寝。
翌朝、出発準備を整えた二人。
「はい、太助君、この刀を持っていって」
「ありがとう、助かるよ」
約束通り太助は涼の刀を受け取った。
「昨日いろいろ聞いて回ったわ。東の青龍村に最近女の人と眼鏡の子がきたらしいよ」
「ルーアンと乎一郎だ!早速行ってみよう!」
「この村には河の流れに乗っていろんな情報が流れてくるの。
わからなくなったらいつでも聞きにきて」
「ありがとう。それじゃ、また!」
「涼さん、また会いましょう」
ひとまず怪奇村をあとにした二人であった・・・
その頃どこかの建物。
「それでぇー・・・逃げてきたわけ?」
「だって俺火は苦手で・・・」
いつかのカッパがビクビクしている。
「ふん・・・いいわ。あんたの給料引いておくから」
「あぁ!そんな・・・」
涙するカッパ。向かう相手は邪灯団の女幹部、阿修羅。
6本の腕をもつ妖艶な女性・・・なのだが。
「手柄を立てれば認められて、いつかは皇鬼様と・・・
いやぁぁぁぁぁん!!恥ずかしいぃぃぃぃぃん!!」
皇鬼のことになると乙女チックモードに突入するらしい。
「あの・・・もしもし阿修羅様?」
「あっ・・・・ごほんっ」
部下に話しかけられ乙女チックモード解除。
「下っ端とはいえ負けたというのは事実。皇鬼様に知られたらまずいわね。
カラス天狗達!やっちゃってきなさい!!」
「ははっ!!」
大勢のカラス天狗が返事をする。
彼らの立場はショ○カーの戦闘員とほぼ変わらない。
「軒轅にのっていけば、青龍村までそんなにはかからないだろ」
「ではいきましょう」
飛び立つ軒轅。
「なんか二人っきりでいいなぁ・・・」
大変な状況なのにのんきな太助。
しかし。
「・・・あれは・・・」
「ん?」
向こうから何かたくさんの黒い鳥が飛んでくる。
「カラス・・・にしては大きい・・・」
それは紛れもなくカラス天狗達だった!!
「いたぞ!あいつらだ!!」
空中でいきなり襲いかかってきた!!
「わぁぁぁぁぁぁぁ!!」
突然の襲撃に為す術のない太助とシャオ。
「しかたない、一旦降りよう!」
軒轅は森の中へと降りていった。
「くそっ・・・どこへいった・・・」
森の中を探し回るカラス天狗達。
そこへ
ドォォォォォォォオオン!!
「ぐわっ!」
車騎の砲撃が直撃した!
「くそっ!隠れて攻撃する気か!!」
「まいったなぁ・・・一体ずつは弱いけど数が多いからなぁ・・・」
車騎だけではこの大勢のカラス天狗を相手にするのはちょっときつい。
「よし・・・涼ちゃんに借りた刀を試してみるか・・・」
刀を構えて一体のカラス天狗に斬りかかった!
「でやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
ズバッ!
「ぐあっ!」
「手応えあり!強いぞこの刀!」
喜ぶ太助。そこに他のカラス天狗が集まってきた。
「よぅし!1で鍛えた剣の腕を見せてやるか!!」
カラス天狗を次々に薙ぎ倒していく太助。
みるみるうちにカラス天狗の数が減っていく。
「く・・・くそっ・・・」
その時一匹のカラス天狗が後ろから不意打ちを仕掛けてきた!!
「太助様!!」
ザクッ
「ぐあっ!」
「あれっ?」
カラス天狗はどこからか放たれた手裏剣が刺さって倒れた。
「一体今のは・・・」
「くそっ・・・仕方ない一旦引くぞ!!」
形勢が悪くなったのを見て残りの連中は去っていった。
「ふぅ・・・助かった。でもさっきの手裏剣はなんだったんだろう・・・」
『あたしがやったんだよ・・・』
「え!?」
「この声は翔子さん!?どこにいるんですか!?」
辺りを見回してみるがどこにも人の姿はない。
『こっちこっち』
「むむ・・・声はすれど姿は見えず!」
「翔子さーん!どこなんですかぁ!?」
ぱらっ
「えぇっ!」
突然翔子が現れ驚くシャオ。
翔子はすぐ近くの木の前にいた。
ただ木の幹と同じ模様の布を被っていたため見えなかったのだ。
「忍法隠れ身の術!ってか?」
「に、忍者!?」
現れた翔子は黒装束に身を包み、忍者そのものの格好をしていた。
「へへ・・・似合うか?」
「なんで山野辺が忍者に・・・」
「それは後で話すよ」
「とにかく無事で良かったですわ・・・」
「よし、このまま青龍村へ行こう!!」
翔子を仲間に加え、再び青龍村へと向かう。
あたしはたった一人でみんなを探していたんだ・・・
そしたらいつの間にか墓地に来ていた。
「気味悪いなぁ・・・」
『おぬし・・・』
「おわっ!?」
見ると墓から一人の忍者が姿を現した。でも透けて見えるあたり亡霊だ。
『わしの忍術を・・・受け継いではくれんか?』
「はぁ?」
『わしはかなりの忍術を身につけたつもりだ・・・でもそれを継げないまま死んでしまった・・・
お主継いでくれんか・・・』
「・・・唐突だな。まぁいいか。面白そうだし」
『ではこの巻物を・・・』
そうして受け取った瞬間。
翔子の服が忍者服に変わった。
『頼んだぞ・・・』
「あっ・・・消えた」
「・・・・というわけ」
「簡単に決めるなぁ。お前。でもまぁこの先なんかの役に立つかもな」
「青龍村が見えてきましたわ」
軒轅は村に降り立った。
「・・・嫌に静かな村だな」
「はい・・・」
青龍村は人(妖怪だけど)はいるものの、どうも雰囲気が悪い。
「とりあえずルーアン達探すかな・・・」
捜索を開始する。
「ルーアンがいそうな所といえば・・・」
太助は大体の予想はついていた。
「ほら、もっと持ってきなさい!」
「食べ過ぎですよ先生・・・・」
ルーアンはお店で団子をたらふく喰っていた。
「やっぱり・・・」
「んぐっ!?たー様!!」
「太助君!」
乎一郎も一緒だ。
「やれやれ見つかってよかった・・・」
「でもどうしたんです?この村は・・・」
「なーんか最近泥棒がよく出るらしいのよ。
それでみんな警戒してるのよ」
「泥棒か・・・もしかしたら・・・」
「邪灯団!」
「よし・・・ちょっと調べてみるか・・・」
夜。
「手分けして泥棒の見回りだ。何かあったらすぐに知らせてくれ」
「オッケー!」
5人は村のあちこちに散っていった。
「しかしその泥棒ってのはどんな奴なんだ・・・」
太助は村を巡回しながらつぶやいていた。
と、その時!
ガタンッ
家の中から何かが飛びだしてきた。
「まさか!?」
そいつはそのまま逃げていった。
「待ちやがれ!!」
追う太助。
「くそっ・・・逃げ足が速いな!」
それでも追いかける太助。
「あっ、たー様!」
「ルーアン!そいつを捕まえてくれ!!」
しかし泥棒はルーアンの目の前で道を曲がっていった。
「ああんもう!!」
「大丈夫だ。あの先は行き止まりのはず・・・」
太助はそのまま追いかけていった。
「もう逃げられないぜ」
行き止まりに追いつめた太助。
「くそっ・・・さっきの女に慌てて曲がったらこんなとこに・・・」
「・・・・狸?」
それは紛れもなく、狸だった。
「バカにすんなよ!俺は立派な邪灯団の妖怪なんだぞ!」
「やっぱり邪灯団か・・・でもここまでだ」
「・・・・そうかな?」
ボンッ!
「・・・・何!?」
「太助様!!」
みんなが応援に駆けつけた、そこには
「・・・・なんだぁ!?」
「太助君が二人!?」
なんと太助が二人になっていた!
「違う!こいつは偽物だ!変身して俺に化けてるんだ!」
「なんだと!偽物はお前じゃねーか!!」
狸の化けた偽太助に困惑するシャオ達、
「どうしましょう・・・・」
「大丈夫。見分ける方法がある」
「ほんとですか翔子さん!」
「シャオ、ルーアン先生・・・ぼそぼそ・・・」
翔子は何やら二人に耳打ちした。
「わかりました」
「ふふ・・・任せなさい!」
そのままシャオとルーアンは二人の太助に近付いていき・・・
ぎゅっ
「太助様!」
「たー様ぁん!!」
思いっきり抱きついた。
「おわぁぁぁぁぁぁ!!しゃ、しゃしゃしゃシャオおおぉぉぉ!!!!?????」
シャオに抱きつかれた方の太助は顔を真っ赤にして叫びまくる。
「えっ?えっと・・・いいなぁ・・・」
ルーアンの方はちょっと喜んでいる。
「・・・あんたが偽物ね!?」
「えっ!?」
「くっそーーっ・・・」
縛り上げられた狸。
「太助はうぶだかんな。二人が抱きつけば反応でわかると思った」
「山野辺お前な・・・」
「いいじゃん、ラッキーだったろ?」
「それは・・・・うん」
「太助様?」
「ああいや、その・・・」
「ちっ、あたしの方は『はずれ』だったわ、あわよくばそのまま押し倒そうと思ったのに」
「ルーアン・・・お前な」
こうして青龍村の泥棒事件は幕を閉じた。
翌日、メンバーはひとまず怪奇村へと戻った。
新たな情報を求めて。
「へー・・・仲間が3人見つかったんだ」
「ああ、涼ちゃんの情報のおかげだよ」
「あれから何か情報は?」
「んーとね。西の白虎村に男の子と女の子が一人。北の玄武村に女の子が二人って聞いたわよ」
「誰なんだろう・・・」
「よし、あたしは玄武村に行く。白虎村は頼んだよ」
「一人で大丈夫か?山野辺?」
「平気平気、今のあたしは忍者だからね」
翔子はそのまま去っていった。
「じゃ僕達も行きましょうか・・・」
「待って、眼鏡くん」
「・・・僕のこと?」
涼に止められる乎一郎。
「武器なしじゃこの先つらいわよ。そうねあなた頭良さそうだし・・・からくりに挑戦してみない?」
「からくり?」
「からくりの技術を身につければ自分で武器や道具が作れるわ。
村の職人さんには長老のあたしが話つけてあげるから教えてもらうといいわ」
「それじゃ僕は村に残るのぉ?僕ルーアン先生と一緒にいたいなあ・・・」
「からくりが作れるようになったら便利よ。先生も頼りにしてくれるわよ」
「・・・・わかりました。やってみます。太助君、ルーアン先生を頼んだよ・・・」
「ああ」
「たー様ぁん、あたしを守ってぇん」
「あのな・・・・」
阿修羅の砦。
「あんたらそれで帰ってきたわけ?」
「す・・・すいません・・・」
ビクつくカラス天狗と狸。
「あんたら今月の給料ひいとくからね」
「そんなぁ・・・・」
「全く情けない・・・そうね、ここは一つ・・・傭兵でも雇おうかしら」
阿修羅は一人の男を呼び出した。
「なんや?わいに用って」
「あんたに仕事をくれてやるわ」
白虎村。
「おぉーっ!!やっと会えたぜぇぇぇぇぇ!!」
「七梨せんぱぁぁぁぁぁい!!」
「静かにしろって・・・」
太助達はたかしと花織の二人と再会していた。
「二人とも無事で良かったですわ」
ほっとするシャオ。
その時であった。
カンッ カンッ
「これは・・・和太鼓の音?」
ヒラヒラ・・・
「お、おい。紙吹雪が・・・」
「あっ!あれは!?」
「とうっ!」
しゅたっ
派手な演出をしながら屋根の上から和傘を持った一人の男が現れた。
「見つけたでぇ!」
「誰だ!?邪灯団か?」
「正確には違うけど・・・頼まれたんや。あんたら倒せってな」
「何・・・」
「わいの名は染五郎!世界をまたにかける天下一の芸人や!」
「・・・・はぁ?」
「なんで芸人が俺達倒しに来るんだ?」
「わかってへんなぁ・・・芸人は前に出てなんぼや!
あんたら倒して有名になったんねや!」
「んな無茶苦茶な・・・」
「あんたらに恨みはないけど・・・堪忍な!」
そう言うと傘の先端の刃の部分で攻撃してきた!
「うわっと!」
「太助様!許しません・・・車騎!!」
「おっと!」
ガンッ!
「えぇっ!?」
「甘いなぁ、じょーちゃんよ」
染五郎は傘を開いて車騎の砲撃を防御した。
「ルーアンにお任せ!陽天心召来!!」
適当にそのへんのものに陽天心をかけて染五郎を攻撃する!
ところが
「頂きや!」
くるくるくる・・・
「い゛!?」
なんと陽天心を傘で防御した後、傘の上で回し始めた。
「見たか!わいの大道芸!ほら返したる!!」
そのまま陽天心を投げ返す。
「きゃんっ!」
押しつぶされるルーアン。
「くそっ・・・見た目よりずっと強いぞ・・・どうしたら・・・」
「ここは俺に任せてくれ」
「たかし!?」
何故か自信満々のたかしが前に出た。
「おいお前!よほど傘回しに自信があるみたいだな」
「当たり前や!これで飯食ってるっちゅうねん」
「なら俺と傘回しで勝負だ!!」
「はぁ?」
太助はなんのことかわからなかった。
しかし染五郎は興味を示したらしい。
「ええ度胸や・・・よっしゃその勝負うけたる」
そう言ってもう一本の傘を投げてきた。
「わいの予備の傘をかしたる。それ使え。
勝負はいたって簡単。長く傘を回し続けたほうの勝ちや!」
「よっしゃあいくぜぇ!!」
その瞬間、二人は全力で傘を回し始めた。
「・・・・なんなんだ?」
あっけに取られる太助達。
二人が傘回し勝負を始めてから3時間経過。
「はぁ・・・はぁ・・・」
かなりへばってきたたかし。そりゃ3時間も傘を回していれば当然。
むしろよくここまで頑張ったが。
「くそぉ・・・俺の熱き魂が・・・」
その様子を見守る太助達。
「まずいな・・・たかしこのままじゃ・・・」
「そうだ!シャオ先輩!ぼそぼそ・・・」
「そうですね。たかしさーん!頑張ってー!」
「!!!!!」
シャオちゃん!!そうだ俺にはシャオちゃんがついてる!
シャオちゃんがいる限り俺の熱き魂は無敵!!
俺は決して負けない!!
「うぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
「すごいなたかし・・・」
「単純だからシャオ先輩の応援で回復すると思ったんですぅ」
その様子を見る染五郎。
「思ったよりおもろい勝負になりそうやな・・・」
24時間経過。
「ほんとよくやるよ・・・」
「あたし眠くなってきちゃった・・・」
「寝ようか・・・俺達・・・」
3日間経過。
「まだやってるよ・・・」
「頑張りますねぇ・・・」
「いつまでやるのかしら・・・」
5日間経過。
「まだ・・・やってる・・・」
「ここまでやると逆にすごいですね・・・」
「ちょっと見守ってみるか・・・・」
1週間経過。
「なんかギャラリーが集まってきましたね・・・」
「あいつらいつまでやる気だ・・・」
「いよいよ目が離せなくなってきましたね」
そして10日間経過。
「すげぇぞお前らー!!」
「頑張れ二人ともー!!」
「最高の勝負だぜー!!」
いつの間にか村中の妖怪が集まって二人の勝負を見守っていた。
中には涙する妖怪までいる。
なにしろ不眠不休で傘を回し続けるたかしと染五郎。
食事もとっていないので体がやせ細ってきている。
ある意味確かにすごい勝負だ。
そしてついに決着がついた。
「・・・もう・・・・あかん・・・」
バタッ・・・
染五郎ついにダウン。
記録、10日と16時間3分40秒。
「・・・勝った・・・俺は勝ったぞぉ!!」
バタッ・・・
緊張が解けてたかしも倒れた。
「やっと終わったのか・・・」
「長い戦いでしたね・・・」
二人の無茶苦茶な戦いに呆れながらもちょっと感心する太助達であった。
数日後。
弱り切った体をようやく回復させ、たかしと染五郎が太助達のいる宿へやってきた。
「わいの負けや・・・天下の傘回し芸人のわいが負けるなんて・・・」
「いや・・・お前の傘回しは確かにすごかった。
天下一の芸人として恥ずかしくない、立派な戦いだった・・・・
お前の持つ熱き魂・・・・見せてもらったぜ!!」
「ありがとう・・・なんかわい目ぇさめたで!!こんな感動は始めてやぁ!!!」
「そうだ!その感動こそ熱き魂の印だ!!」
「最高やぁ!あんた最高やでぇ!!」
「染五郎!!」
「たかしぃー!!」
いきなり二人は男泣きをするのであった。
「・・・なんか友情出来てるんだけど・・・・」
「仲良くなったのですね、よかったですわ」
阿修羅の砦
「あのおバカ・・・なにしに行ったのよぉ!!」
阿修羅は一人荒れていた・・・・
「その傘はお前にやるわ。この傘はな、先端に刃がついてて槍になるんや。
しかも傘を開けば盾にもなるんやで!」
「すげぇーっ!!いいのか!?」
「当然や!わいとお前は魂の友や!」
「ありがとう!魂の友よ!!」
「たかし・・・いつまでやってんだ・・・とりあえず怪奇村に行くぞ・・・」
死力を尽くして戦った二人の男に熱き友情が芽生えていた。
そして一行は怪奇村へと戻るのであった。
怪奇村にて。
「なんか・・・大変だったみたいね」
「うん・・・」
ぐったりしているメンバー。たかしは元気だが。
「どうしたみんなぁ?熱き魂が足りないぞぉ!」
「あのな・・・」
「あ、そうそう。翔子ちゃんから手紙届いてるわよ」
「えっ!?」
涼から手紙を受け取る。
「こっちでキリュウとヨウメイが見つかった、そのうち戻る・・・だって」
「よかった無事だったんだ・・・」
「ってことはあと出雲と離珠か・・・」
「大丈夫、調べておいたわ。南の朱雀村に神主と小さな女の子がいるって」
「間違いない。二人だ!」
「すぐに行きましょう!!」
「あ、待って。乎一郎君のからくりを見ていったら?」
からくり職人の家。
「おお、来たか。話は長老からきいとる。おーい、乎一郎君」
「はーーい」
奥の方から乎一郎がやってきた。
「どうだ?調子は」
「まだまだだよ。でも結構楽しいから大丈夫だよ。
あ、そうだ。出来たばかりだけどこれあげる。僕のからくり第一号!」
「・・・サイコロ?」
「ああ?降っちゃ駄目!それサイコロに見えるけど爆弾なんだよ!」
「ひぃっ!あぶね・・・」
あやうくサイコロをふるところだったたかし。
「あたしが持っておきます・・・」
花織がサイコロ爆弾を持つことに。
「じゃ・・・朱雀村に行くか!」
というわけでようやく出発した一行であった。
阿修羅の砦
「皇鬼様・・・」
ぼーっとしている阿修羅。
「阿修羅様・・・もしもし?」
「はっ!?何よ!?」
「例の奴ら朱雀村に向かったみたいですよ」
「そう・・・・じゃあの二人に任せましょ」
「はっ・・・」
朱雀村についたメンバー達。
村人に聞いてその人は神社にいることがわかった。
「離珠!!」
(シャオしゃま!!)
神社の境内で掃除(と本人はそのつもり)をしていた離珠を見つけた。
何故か巫女スタイルである。走り寄ってきた離珠。
「くぅぅ、かわいいなぁ」
「たかし・・・お前巫女フェチだったのか・・・」
「よかった・・・無事だったんだ。で、出雲さんは?」
(出雲しゃんは山に出掛けているんでし!早く助けに行ってくだしゃい!)
「どういうこと?」
(最近山に妖怪が出るって出雲しゃんが退治に向かったんでし!)
「大変ですわ!太助様!みなさん!」
「うん、出雲を助けに行こう!!」
山に入っていったメンバー達。木が生い茂っている。
「いかにもって感じだな・・・」
たかしが言った瞬間!
バサバサバサ!!
「どわぁっ!?」
「カラス天狗!!」
またも大勢のカラス天狗が出現した!!
「行くぞみんな!!」
こちらも人数が増えた。カラス天狗ぐらいならもう楽勝である。
ものの数分でカラス天狗を撃退した太助達。
所詮雑魚キャラである。
しかし!
「ほほぉ・・・やるじゃねーか」
「次は俺達が相手してやるよ・・・」
「誰だ!!」
空中に浮かぶ二人の妖怪!
「俺の名は雷神!」
「その弟、風神!!」
「邪灯団きっての兄弟妖怪とは俺達のことよ!行くぞ風神!」
「おぅ!」
そういうと二人の妖怪は攻撃を開始した!
「突風!!」
風神が風を呼び出す。
「くっ・・・」
「近づけないよ、これじゃ!」
そこへ雷神。
「雷!!」
ドォォォン!!
「わぁぁぁぁ!!」
突然の落雷に衝撃を受ける。
もし直撃したらただじゃすまない。
「くそっ・・・強いぞこいつら・・・・」
始めてのまともな強敵に苦戦する太助達。
「火炎の札!!」
ぼわっ!
「あっちぃ!!」
その時どこからともなく炎が飛んできて風神を襲った!
「?今のは・・・」
(出雲しゃん!)
「えぇっ!!」
森の木の影から一人の青年、出雲が現れた。神主スタイルである。
「シャオさん、やっと会えましたね・・・」
しかし出雲はすぐに真剣な顔になる。
「しかし今はそこの二人を倒すのが先決ですね」
そういって出雲は二人の妖怪に向き直った。
「行きますよ!火炎の札!」
取り出した札を投げつけると札は燃え上がり炎を発した!
「あちちちっ!!」
攻撃をうける雷神。
(出雲しゃんはこの世界で符術を身につけたんでし)
「そうなのか・・・」
「すごい・・・」
「くそっ!調子にのるなよ!雷!!」
雷神が落雷攻撃を再開した。
「ちいっ!」
なんとかよける出雲。
「突風!」
風神の風も吹いてきた。
これで動きが制限される。
「まずはあの風をなんとかしないといけませんね・・・」
「そうだ!これ!」
乎一郎作のサイコロ爆弾。
「いっけーーーー!!」
ボグッ!
「いってぇ!!」
爆弾が命中して痛がる風神。
その瞬間強風が止む。
「今だ!衝撃の札!」
出雲が札を風神に投げつける。
ドンッ!
「おわぁぁぁぁぁ・・・・」
衝撃で遠くに飛ばされる風神。
「ああっ!風神!」
驚く雷神にも隙が出来た。
「今です。車騎!」
シャオの星神攻撃!
ドンッ!
「ぐぁぁぁぁぁぁ・・・・」
同じように飛ばされる雷神。
「なんとか勝ったな・・・でも俺達の出番ほとんどなかったな。
助けにくることなかったかな?」
「いえいえ。シャオさんが来てくれたことで私の力も上がったのです。
ああ、シャオさん。会いたかったですよ・・・」
「出雲さん・・・」
「ええぃ、くっつくな!」
「とりあえず怪奇村に戻ろうぜ。あとの3人も戻ってるかもしれないし」
というわけで出雲と離珠を仲間に加えて怪奇村に戻る一行だった・・・