『伝説のコスモダイヤ』


『願いの行方』

ついにラストステージ「シリウスの島」

宇宙空間にぽつんと浮かんでいる一つの島。
そこにシリウスがいた。島の中央部には大きな機械の中に入ったコスモダイヤがある。
「コスモダイヤさえあれば・・・・私は無敵だ・・・」
「そうですとも!シリウス様にかなう者などおりません!」
「んなっ!?貴様いつの間にいた!?」
「申し遅れました。私ザコノビッチともうします。
是非ともあなた様のお役に立ちたいと・・・」
得意の揉み手でシリウスの手下になろうとするザコノビッチ・・・
ひたすらに腰が低い。
虎の威を借る狐とはいったものだ。
「いらんわ!」
バキッ!
「あれぇぇぇぇぇ・・・・」
キランッ
文字通りザコノビッチは星になった。
さっきのことわざは訂正しよう。狐のほうがまだ賢い。

「・・・・来たな・・・」
シリウスが見上げた方向から宇宙船が現れた。
乗っているのは太助達だ・・・
「シリウス・・・敵だったのか・・・」
「味方と言った覚えはないですがね」
「ダイヤは返してもらうぞ」
「いいですよ。もしそれが出来るなら、ですが」
そう言うと島のバックに巨大な黒い穴が現れた!
「御存知でしょう・・・全てを飲み込む次元の穴、ブラックホール。
飲み込まれれば二度と出て来れません・・・」
そしてシリウスは戦闘態勢に入った。
「ブラックホールを君達の墓場にしてあげましょう・・・」

「車騎!」
「陽天心召来!」
「万象大乱!」
総攻撃をかける精霊達!
ドガァァァン!
「ふふ・・・・蚊に刺されたほども効きません・・・」
しかしシリウスにはまったく通じない!
「私はコスモダイヤから無限のパワーを吸収しています。
君達に勝ち目はありませんよ・・・」
そう言ってシリウスは軽く力を放出した。
バシィッ!
「うあっ!!」
倒れるメンバー。力の差がありすぎる。これでは勝てない・・・・
「やれやれ。あっけなさすぎますね」
「くそっ・・・」
余裕のシリウスに全く手も足も出ない。
その時だった。
「ん・・・・あれは・・・」
「何かこっちに向かって・・・」
「突っ込んでくる・・・・」
「あれは・・・ダークブラスター!?」
ドガァァァン!
「うおっ!?」
島に直接体当たりをかますブラスター!
振動でシリウスも体勢を崩す。 「二人の仇でノス!覚悟するでノス!」
「ふん・・・貴様一人で何が出来る・・・」
「おらぁっ!」
ブラスターはそのパワーでダイヤを入れていた機械を破壊した!
その瞬間シリウスの表情が変わった。
「し、しまった!!」
「俺だってこのくらい出来るでノス!!」
機械から飛び出したダイヤは太助が受け取った。
「ウラノス・・・・」
「今はこいつを倒すのが先でノス!」
「そうだな!行くぜ!」
シリウスを倒すため、ここはウラノスと手を組んだ!
「おのれぇ・・・ダイヤを返せ!」
シリウスの攻撃!
「くっ!」
ダメージは多少受けたがさっきよりパワーが落ちている。
やはりダイヤをなくしたせいだろう。
「車騎!」
ドォン!
「ぐっ!」
さきほどは全く通用しなかった攻撃が効いた!
どうやら無敵ではなくなったようだ。
「よぅしいけるぞ!」
「陽天心召来!」
「万象大乱!」
ルーアンとキリュウの攻撃!
「うぐっ!」
「ブラスターカノン!!」
「ぐぁぁぁぁぁぁ!!」
さらにウラノスの攻撃もプラスされ、シリウスにダメージを与えていく。
「おのれっ・・・・こしゃくな真似を!!」
再びシリウスの攻撃!
ダイヤを取り返され、パワーが落ちたとはいえ、まだまだ強い。
「このままじゃらちがあかないでノス。ダイヤのパワーを使うでノス!」
「ど、どうやって!?」
「ダイヤのエネルギーを放出するでノス!」
「こ、こうか?」
ダイヤを握りしめ、力をこめる太助。一瞬ダイヤが光ったかと思うと・・・
ズバァッ!
「うわっ!?」
ダイヤからビームが発射された。
太助はその勢いで後ろに倒れてしまった。
「すげぇ!こんなことが出来るのか!」
このパワーならシリウスに勝てる!
「あ、でも・・・素直に当たってはくれないよな・・・」
「それなら・・・任せて下さい!」
シャオはルーアン、キリュウに合図を送った。
「北斗七星!!」
「陽天心最大出力!」
「万象大乱フルパワー!」
3精霊の攻撃がヒットしてシリウスの動きが止まる!
「ぐぉぉぉぉぉぉぉ!!」
「たー様!こいつの動きをあたし達が止めてる間に早く!」
「よし!」
太助はダイヤのビームを発射した!
ズバァッ!
「だぁっ!?」
しかしビームの勢いが強すぎて後ろに倒れ、ビームは外れてしまった。
「くそっ・・・もう一度!」
ズバァッ!
「ああもう!また失敗した!」
「主殿早く・・・こっちも長くはもたんぞ・・・」
しかし何度やってもビームが当たらない。
発射の衝撃で体勢が崩れ、狙いが定まらないのだ。
その時、ブラスターが太助の後ろについた。
「俺が後ろを支えてやるでノス!」
「ウラノス・・・」
「さっさとやるでノス!!」
「おう!!」
ダイヤを持った両手を前に突き出す。
後ろはブラスターが押さえている。
「いくぞ!!」
ズバァッ!!
ものすごい衝撃でいくぶん後ろに下がるがなんとか体勢を維持し、
ドガァァァァン!!
「ぐぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!!」
ビームは見事にシリウスにヒットした!
「やったか!?」
爆炎の向こうを見つめるメンバー。
「あれは!?」
現れたのは傷付きボロボロになったシリウス・・・
「まだ生きてる・・・・しぶとい・・・」
その時!
ぴしっ!ぴしぴしっ!
「島にひびが!?さっきの衝撃で!?」
「崩れるでノス!ここから離れないとやばいでノス!!」
メンバーはすぐさま島から脱出した!
「待てぇぇ・・・・コスモダイヤを返せぇぇ・・・・」
傷付いた体では太助達を追うこともできず・・・
ガラガラガラ!!!!!!!

島は音をたてて崩れた!
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・・・・・・・・・・」
シリウスは自ら用意したブラックホールに落ちていった・・・・・

「終わった・・・・よな?」
「そうですね・・・・」
名もなき星に戻ってきたメンバー達。
ウラノスは二人の仲間の墓に語りかける。
「仇はとったでノスよ・・・」
「ウラノス・・・・」
その様子をみて話しかける太助。
「ウラノス・・・コスモダイヤはもういいのか?」
「ネプチューンとプルートがいないんじゃ・・・・意味ないでノス・・・
一人で遊んで暮らしたって寂しいだけでノス・・・」
そこへルーアンが話しかける。
「たー様!向こうがいいって言ってるんだからいいじゃない!
願いをかなえちゃいましょうよ!!」
「う・・・うーん・・・・」
太助はしばし考えた後、こういった。
「二人を・・・・生き返らせてやってくれ・・・・」
ピカァッ!!
コスモダイヤが激しく輝いたかと思うと・・・

バリィィィィィン・・・・・
音を立てて砕け散った・・・
その瞬間!
ボコッ・・・
「な・・・・なんでこんな土の下に埋まってるルート?」
「ど・・・・どうなってるでネプ?」
「プ・・・・プルート!!ネプチューン!!」
涙を流し喜ぶウラノス・・・
「よかったぁ・・・よかったでノスよぉ・・・」

「主殿・・・・」
「いいんだ、これで」
「太助様が思うようになさってくれればいいですわ」
「全くたー様ったら優しすぎ・・・・」
長かった宇宙の旅は終わりを告げた・・・・

地球まで戻ってきたメンバー達。
ダークシップも一緒だ。
「お前らはこれから・・・・どうするんだ?」
太助が3人組に問いかける。
「決まってるでノス!遊んで暮らす方法を探して宇宙を旅するでノス!!」
「宇宙は広いでルート!コスモダイヤ以外にも遊んで暮らす方法があるはずでルート!!」
「俺達『3人』の夢・・・・あきらめないでネプ!いざ、レッツゴーでネプ!!」
シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥ・・・・・・・
ダークシップは空のかなたへと飛び去った・・・
「あいつら・・・・全然こりてない・・・・」
「いいんじゃないの?あいつらはあれで」
呆れる太助をルーアンがたしなめる。

「まぁとにかく・・・・これでやっと家に帰れる・・・・」
そう言って久しぶりに玄関のドアを開けると・・・
「どうもー!お待ちしておりましたッチ!!」
ガターン!!
思いっきりずっこける太助。
出迎えたのはなんとザコノビッチ!
「あのシリウスを倒すなんて、さすがでございます!
私ザコノビッチ、そんな皆さんのお役に立ちたいと思ってやって参りましたッチ。
どうか私をみなさんのお側に・・・・」
腰を低くして、揉み手をしながら近寄るザコノビッチ。
「いい加減にしろぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
バキッ!!
ザコノビッチは吹っ飛んでいった。
「最後までこういうキャラで終わるッチかぁぁぁぁぁぁ・・・・・・」
キランッ

おしまい。


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