|
賛成票234枚。反対票244枚。棄権22。以上の結果をもちまして、内閣不信任案は否決となりました!
ざわめく国会。今、1つの大勝負の決着がついた。
バカなっ!!!
負け・・・・・か。
・・・・・・・
おかしいよ!絶対勝てるはずだったのに!!どうしてよ!!
棄権が22ということは・・・・
・・・・梨華ちゃんだね。
石川!?
(鬼のような形相で石川の席の方へ振り向く保田)
(その視線の先には、目を真っ赤にして、普段の美人顔からは程遠い顔をした石川の姿があった)
そ、そんな・・・・・(ダンッ!!)(石川の席へ走り寄る保田)
石川!!!どういう事なの!!!
・・・・・・・・・・
昨日私に協力するっていったよね!!そうでしょ!!!
・・・・・・・
(唇をかみ締め、表情を崩さない石川。目は前を向いているが、何も見てはいない・・・)
なんとか言いなさいよ!!!
・・・・・・・
こいつっ!
(石川の服の肩のところを鷲づかみにし、自分の方を向かせようとする)
・・・っ!
(目を閉じて耐える石川。肩を震わせ必死に耐えている)
圭ちゃん、やめときなよ。もう終わったんだ。行こう。
でも・・・・でも・・・・ひどいじゃないこんなの!(目に涙をためる保田)
うん。そだね。
だって・・・だって約束したんだよ・・・・
・・・・・・・・
一緒にやろうって・・・・裕ちゃんのかたきを取ろうって約束して・・・・
・・・・・・・(泣いちゃだめ・・・・)
なのに・・・・なんで・・・・
・・・・・・・(泣いちゃだめだ!あいぼんが見てる・・・・)
行こう・・・・・
(市井に肩を抱かれ去っていく保田)
(石川は動かない。加護の自分への視線を気にして必死に耐えている)
・・・・・・(ここで泣いたら、あいぼんが気にしちゃう・・・泣いちゃだめだ・・・・・)
棄権か・・・・梨華ちゃんらしいね。
・・・・・・
昔から変わらないね。八方美人で調子がいいところ。
・・・・・・・(よっすぃ・・・・)
そういうところ直した方がいいよ。これ最後のアドバイスね。もう話すこともないだろうから。
・・・・・・(泣くな!泣いちゃ・・・だめ・・・・)
・・・・石川。
・・・・・・・(中澤さん・・・・・ごめんなさい・・・・)
あんたにはあんたの事情があるんやろ。
・・・・・・
あんたはもう昔の頼りない石川やない。自分の信じることをやったらええんや。誰にどう思われてもな。
・・・・・・・(じわっ)(石川の目に涙が溢れる)
がんばりや・・・・じゃ。
(もうだめ!)
(ダンッ!!)
(自分の席を立ち、会場から逃げるように走り出る石川)
(1つ上のフロアの誰もいな女子トイレへ)
そしてトイレに入ると同時に号泣した・・・・
・・・・どうして・・・・・どうして・・・・みんなあんなに仲良く頑張ってたのに・・・・なんで喧嘩するの・・・・なんで戦わなくちゃならないの・・・・・わたしは・・・・中澤さん・・・飯田さん、保田さん安倍さん・・・・・みんなと仲良くしたい。誰も嫌いになりたくないし、誰にも嫌われたくない・・・・それだけなのに・・・・・どうして・・・・・・
石川はひたすら泣いた。どのくらいの時間泣いたのかも忘れるほどに。
ただ悲しくて泣いた。
どうすればいいのかもわからないまま・・・・・
「裏切りの代償」編 終わり
次回、「たった一つの冴えたやり方」編 に続く
| |