娘。代議士物語 第2話 「副総理の誤算!石川の裏切り」 (前回のあらすじ) 後藤外相を更迭した娘。党の飯田政権。支持率の急落を受け、安倍衆院議長、矢口幹事長とともに緊急会議を開き、党内の再結束を図る。だが、保田副総理はこの時とばかりに現執行部へのクーデターを計画。後藤、吉澤を引き入れ、チバ〜ずの盟友市井との連携を図っていた。 前回 |
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某月某日 P.M.10:25 石川金融担当大臣執務室にて いよいよ明日、内閣不信任案を国会に提出するわ。石川、もう覚悟を決めなさい。 でも・・・・・・本当に大丈夫なんですか? 大丈夫。さっきも説明した通り数は揃ってるの。紗耶香の市井党と裕ちゃんの中澤党で80議席。娘。党から後藤派55人、吉澤派24人、私の保田派が10人。そしてあなたの石川派が22人で計111議席。そして協力を約束してくれてる松浦党やメロン党などの諸勢力が計65議席。全部足して256議席。過半数は250・・・・・勝てるのよ。 それは・・・・分かってるんですけど。でもなんかやっぱり不安で・・・・。 石川。あなたネガティブは卒業したんじゃなかったの? !?そっ、そうですね。私ポジティブになったんだもの。・・・・うん。大丈夫。大丈夫ですよ! 裕ちゃんもあなたと一緒に政権を組めるのを楽しみにしてるって言ってたわよ。あなたをここまで引き立ててくれたのは、他ならぬ裕ちゃんだもんね。 はい。私、頑張ります! うん。じゃぁ頼むわよ。明日は日本中の注目が私達に集まるわ。ぐっすり寝て、いい顔で出てらっしゃい。 はい。じゃあ保田さんは、たーーーっくさん寝なくちゃだめですね。 おいっ!! へへ・・・ ふふ、その調子よ。じゃね。(パタパタ・・・・パタン)(ドアを閉める音) ふぅ・・・明日か。ドキドキするな。まるで娘。党のオーディションの時みたい。あの時は、ただオドオドしてただけで、全然余裕が無かったな。なんでもネガティブに考えてて。みんなに迷惑かけて・・・・。あの頃と、今の私、少しは成長できたのかな・・・・・・ (コンコン)(ドアをノックする音) あれ?保田さんかな?は〜い。どうぞ開いてますよ〜!! (カチャリ) あっ・・・・・。あいぼん・・・・。 ・・・・ あ、あいぼんどうしたの?こんな夜中に。びっくりしちゃったぁ。はは。 梨華ちゃん・・・・ あれ?どうしたの。顔色悪いよ。おなかでも痛いの?一緒に先生のところに行ってあげようか? ううん。違う・・・・ えっ?でもなんか元気ないよ。どうしたのあいぼんらしくない。あいぼんはいつも元気印でしょ。 梨華ちゃん、行っちゃだめ・・・・ えっ? やめちゃだめ・・・・ ・・・・・ 聞いちゃった。さっきの保田さんとの話・・・・。梨華ちゃん、よっすぃ達と一緒に娘。をやめて出て行っちゃうって。 そ、それは・・・・・ だめだよ!梨華ちゃんは娘。党にいなきゃだめだよ!! あいぼん、聞いて!!私だって娘。党を辞めるのはいやだよ。でもね、今の執行部のやり方はだめだと思うの。構造改革、構造改革ってスローガンだけで、やってることは昔と全然変わらない。おまけに後藤外相だって、あんな辞め方をさせられて。 だからって辞めてどうするの?ごっちんの事だって、ごっちんだって悪いんだよ。なんでも自分のペースでやればいいってんじゃないんだよ。 それはわかってるけど、でも今の飯田総理や安倍さんのやり方は問題が多いと思うの。特に去年のクーデター・・・・あんなに娘。党に貢献してくれた中澤さんを・・・・ ・・・・梨華ちゃんは結局、中澤さんと一緒にいたいだけなんだ。 そうじゃないよ。ただ中澤さんにはすごくお世話になったから・・・・ ・・・・うちより・・・・中澤さんの方が好きなんや・・・・・ えっ・・・・ ・・・・・・・行っちゃやだ・・・・ あいぼん・・・・・ やめちゃやだよ・・・・うち、梨華ちゃんと一緒にいたい。甘えられるんは梨華ちゃんだけやもん・・・・・・ ・・・・・ 4人で一緒に娘。党に入って、すっごくお仕事大変で、友達とも離れて、さみしくて・・・・・・でも梨華ちゃんがいたからうち頑張ってこれたんやもん。梨華ちゃんといる時が、一番楽なんやもん・・・・・・・ ・・・・あいぼん・・・・ (グスッ・・・) じゃ、じゃぁそうだ。ねっ、あいぼんも一緒にやめようよ。一緒に中澤さんたちのところに行こう。みんな喜んで迎えてくれるよ。ねっ。そうしよう! (グスッ・・・)そんなんできへん。ののと矢口さんにはうちがついてなあかんねん。あの2人を置いていかれへん・・・・ で、でもそれじゃぁ・・・・ ののにはうちが必要やねん・・・・でも・・・・・うちには梨華ちゃんが必要やねん・・・・・・梨華ちゃんがおらへんかったら・・・・・・・うち・・・・もう頑張られへん・・・・・・ ・・・・あいぼん。 翌日。市井党と中澤党により内閣不信任案が提出される。 議員投票の結果は、 賛成234 反対244 棄権22 反対多数により、不信任案は否決され、保田副総理らのクーデターは失敗に終わる。 石川派の棄権が勝敗を決めたのである。 「副総理の誤算!石川の裏切り編」 終わり 次回、「裏切りの代償編」 に続く |
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第1話 「政界再編の予兆」
第2話 「副総理の誤算!石川の裏切り」
第3話 「裏切りの代償」
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