☆☆☆うちゅーじんの地球探検記☆☆☆

<だいじゅうさんかい>



 僕とケロッピ博士だ。
 まさに竜虎と呼ぶにふさわしい二人。
 お互いに緊張感は高まる。

 ケロッピ博士は鼻めがねをかけた。すっかり表情がわからなく なった。その用意周到ぶりはさすがとか言いようがない。

 博士はぽつりとつぶやいた。
「ケロが渚のバルコニーでどれだけ待っていたか・・・」

 博士は自分のことをケロと呼ぶのだ。
 僕は自分のことを僕と言う。だって僕だから。
「僕ボクサー」
 僕は駄洒落を放った。しかし博士はうろたえることはなくにや りと不敵に笑った。
「ふん、ケロにそんな駄洒落は効かない。効くのはバルサンだ」

 僕はカルタを見詰めた。
 交通安全カルタ。しかし地球のそれではない。うちゅーじん スペシャルだ。なんならスペシャルはSPと略したっていい。
『UFOを 見たらやきそば 思い出せ』
『コウノトリ ブラックホールに 吸い込まれ』
『木星で 木製バットを 振り回す』
『映画観る でかける先は オリオン座』
『美味しいな 人工衛星 しょうゆ味』
などなど人生の教訓や世の中の風刺・皮肉・ワビ・サビ・ワサビを 含んだ素晴らしいカルタに仕上がっている。
 僕はカルタから目をそらし博士を見つめて質問を投げかけた。
「観客は要りますか、ケロッピ博士。ぐわっぐわっぐわっ」
「ちょっと多い方がいいが、まあいいだろう。ぐわっぐわっぐわっ」
「ぐわっとすいません。これ寸志ですが」
「ありがとう。ケロは君にデコピンを授けよう」
「それはそれはどうも」
 僕は額に強かにデコピンを食らうのだった。全く博士は大胆不敵 なお人だ・・・。

(つづく)


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