☆☆☆うちゅーじんの地球探検記☆☆☆
<だいきゅうかい>
部屋の扉の鍵はしっかり締めた。
実は音声認識システム採用なのだ。
「開いて欲しいの〜ん、うきゅ☆」
と言うと鍵がかかる。
開いてと言うと鍵がかかる。何やら反抗期めいた気もする
がまあよいのだ。
さて、ゴミも出した。ガスも止めた。
次は何をしよう。
とりあえず右側のジャケットのポケットをごそごそと探っ
た。僕の右手は四角い物体を認識するとそれを抜き取る。
何を隠そうこれこそがうちゅーじんの7不思議アイテム、
『運命のサイコロ』だ!
このサイコロの目には数字でなく行動が書かれている。
1〜6は次のようになっている。
1:通販で高枝切り鋏を買う。
2:唄の喉自慢に出てノリノリで「カモメが飛んだ日」を
熱唱して鐘が「カーン」とひとつしか鳴らなくて地球人不
信に浸る。
3:ラーメン屋で「カップメン大盛」と注文。
4:福引きをしに商店街に行き、ティッシュを引き当て、
「当たたたたたたたたったぁ!」
と裏声で言い放つ。
5:世界規模でもっとインターネットが普及できるよう
通信インフラの整備に取り組む。
6:川で洗濯。
え〜い、おんどりゃあ〜!!
僕は誰もが忘却の彼方であろうトルネード投法で正面の壁を
めがけてサイコロを投げた。
サイコロは壁にぶつかりコロコロと転がった。
半か丁か!?
6だ!
僕は川に洗濯に行くことになった。
今日こそは桃太郎に逢えるだろうか。
(つづく)
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