☆☆☆うちゅーじんの地球探検記☆☆☆

<だいにかい>



 僕はごみ袋をかついだ。
 半透明。
 なぜ地球人はごみを食べないのだろう。
 そうすれば食糧問題もごみ問題も一気に解決する というのに。
 僕は、−無論食べる気はない。ごみなんて食って られない。ごみんこうむりたい。寒い。

 とりあえず地球人に「ゴミヲ食ベタライイジャナイ デスカ、エ、ドウヨ?」と問うてみたい。
 何を怒っているんだ。落ち着け、僕。
 でもいいや。捨てよっと。

 僕はアパートを出て、階段を一気に降りる。
 5段目のところからジャンプした。
 ふわっ。

 すたっ。
 着地成功。
 ああ、あの時、今のような着地ができていれば甲子園 出場が夢でなくなったのだが・・・。
 白球に賭けた青春も今では薄給の人生である。
と、この前サラリーマンの外山くんが言っていた。
 外山くんの言うことはよくわからない。
 外山くんはそもそも実在しない。僕が今勝手に考えた 人間である。

 さて、ごみ捨て場に着いた。
 目を左右にやりスパイがいないかをちょっとチェックする。

 どうやらいないようだ。
 ふうと息を吐く。

 そしてごみ袋をごみ捨て場に置く。
 本当は月曜日がごみ集収日だ。
 つまりこれは地球で言う「はんそく」なのだ。
 はんそく、はんそく。
 はんそくまけー。

 でも反則でも負けでもいいからごみ捨て場にごみ袋 を置いてしまう。はっきり言ってじゃまなのだ。
 じゃまじゃまじゃまー。ジャマァ星人の逆襲!
 そんな感じだった。

 もちろん、「ごみんごみん」というメッセージを残して いる。
 象形文字か、くさび形文字か迷ったが、結局象形文字 で書いた。
 もうこれでばっちりだ。

 そんな1日が始まった。

(つづく)


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