Linux のユーザは自ディレクトリ内であれば、自由にファイルの登録・編集・削除を行える。 またその容量には制限がない。
唯一制限があるのは、全ユーザの合計使用量がファイル システム (当該パーティション) の割当量を超えられないことだけである。
quota は、ユーザがシステム上のディスク スペースを際限なく使うことが出来ないようにして、ユーザのディスク消費量を一定限度以下に保つことを目的とする。
quota はカーネルのサポートを必要とするが、ディストリビューション提供の CD-ROM 等でインストールした Linux なら、殆どの場合標準でサポート済みであり、インストールも行われる。
一応、quota のインストールを確認する。
/home パーティションでユーザ単位の容量制限を行うため、/etc/fstab ファイルに記述されている /home の第4フィールドに usrquota オプションを追加する。
グループ単位での容量制限も grpquota オプションで可能だが、ここではユーザ単位の容量制限を行う。 両方適用することも可能。
エディタで /etc/fstab ファイルを開き、/home の第4フィールドに usrquota (
赤字部分) を追加 (defaults の後ろにカンマ "," と usrquota を続ける) して保存する。
usrquota を追加後、/home パーティションを再マウントする。
再マウントすることで追加した usrquota オプションが該当パーティションに適用される。
mount コマンドで確認と再マウントを行う。
- 現状を確認する。
- 再マウント実行。
- 再度マウント状況を確認する。
/home がマウントされ、usrquota が適用されている事。
/etc/fstab を編集し、再マウントを終了した段階で quota による容量制限を行う準備は整ったが、
quota を on (有効) にするためには該当パーティションのルート (ここでは /home) 上に quota ファイル (aquota.user, aquota.group) が必要となる。
quota ファイルはユーザ (aquota.user) 、グループ (aquota.group) ごとのディスク使用量を記録しているデータベースで、quotacheck が実行するディスク スキャン結果で更新される。
quota ファイルは quotacheck コマンドを使って生成する。
- aquota.user ファイルの新規作成。
- 作成ファイルの確認。
◎ quotacheck の主なオプション
-a | : | /etc/fstab に quota を設定済みの全てのパーティションをチェックする。 |
-c | : | quota ファイルを新規作成する。 既設の quota ファイルがあった場合は新規作成したファイルに置き換える。 edquota で設定したユーザ (グループ) 毎の制限値はクリアされる。 |
-m | : | チェック対象パーティションを、リード オンリーで再マウントしない。 (quotacheck は実行前にパーティションをリード オンリーで再マウントし、チェック終了後元に戻す) |
-v | : | 実行状況を表示する。 |
-g | : | グループの quota チェックを実行する。 |
-u | : | ユーザの quota チェックを実行する。 -g あるいは -u のどちらの指定もしない場合は -u が選択される。 |
◎ quotaon / quotaoff の主なオプション
-a | : | /etc/fstab に quota を設定済みの全パーティションの quota を 有効/無効 にする。 |
-v | : | 実行状況を表示する。 |
-g | : | グループの quota を 有効/無効 にする。 |
-u | : | ユーザの quota を 有効/無効 にする。 -g あるいは -u のどちらの指定もしない場合は -u が選択される。 |
-p | : | quota の状態 (有効/無効) を表示する。 |
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