〜ブルマー2000〜


あらすじ

  主人公は運動神経超抜群・頭脳超優秀・家庭超金持・容姿超美人な天上天下唯我独尊女子高生・愛ちゃん。そんな彼女がある夜一升瓶片手に道端で酔いつぶれていた所、奇妙な外人二人組に出くわした。彼らはMIB(メン・イン・ブルマー)の一員で、ブルマーの力により世界征服を企むビッグブルマー団から、壮絶な力を持つ『月のブルマー』を守る為逃げ回っていた最中だったのだ。追いつめられていた彼らに、かくなる上はとそのブルマーを託された愛ちゃん。そして彼女が燐光放つそのブルマを着用した瞬間、問答無用のブルマー狂想曲が始まった! ブルマー奪回の為襲い掛かる刺客・十ケツ衆! そして明らかになるブルマーの秘密とは? 地球はブルマーによって(!)作られたという歴史、『木星のブルマー』戦士との対決、真のブルマー戦士の正体、そして地球を飛び越え月にて繰り広げられるビッグブルマー様との最終決戦・ラストブルマゲドン!! 行け、愛ちゃん! 世界をブルマーで救うのだ!!


 何度このページでブルマーという字を使わなければいけないのか分かりませんが、それほどブルマーにて世界観が統一されたノンストップ・お笑いノベル。『何故そこまでブルマーにこだわる?』というのは正しいツッコミ方ではありません。『よくぞそこまでブルマーですべてをまとめたものだ!』と感心するほど、会話もブルマー、歌もブルマー、敵もブルマー味方もブルマー。友情も愛情もすべてブルマー! 天晴れです。無論襲い来る刺客達とのバトルもブルマーで、『ブルマカッター』『ブルマレインボウ』『チェルノブルマー』等の必殺技を応酬している最中に『アキラ×ヒカルがライバルを追い掛けるってシチュエーションでイチ押しなんじゃないの! もっとも若獅子戦を見れば左為×緒方も必須じゃない?』と特濃のやおい談義が始まったりしますのでウッカリ途中で『ヒカルの碁』8巻を読み返しに行ってしまい、本当にこのゲームはつくづく気が抜けません。
 そんなどうでも良いことは置いておくとして、このゲームを紹介と同時に、メーカー・ライアーさんについて語らせて頂きますと、評判なのは『笑える』という要素がとにかく大きい事で、その才能たるやハンパでありません。小説を書いたことのある方ならお分かり頂けるかと思いますが、『笑わせる』文を書くというのは、実は並大抵の技ではありません。『泣かせる』話など、別れるとかいうエピソードを入れりゃ結構簡単に出来上がるモンですが、『笑い』とは、描写においてリズム、テンポ、タイミング等すべてが揃わないと容易に出来るものではありません。ところが、これらすべてを易々とやってのけているのが、ライアーという会社なのです。家庭用も含め、ゲーム界全般を見ても意外に『笑える』ゲームというものは多くなく、『笑い』というジャンルは大変難しい、前人未踏のテーマであると言えるでしょう。そう鑑みるとライアーという会社の、難題へと果敢に立ち向かい成功した、チャレンジブルかつアグレッシブな姿勢は、一介のエロゲーメーカーという評価だけで収めてはいけないと思います。
 定評あるキャラクター達の漫才会話、シリアスと見せかけて次の瞬間にはガクッとギャグで落すその緩急鋭いタイミング、あっちこっちからパクってきた放送禁止ものの不謹慎ブラックパロディ等、内容の馬鹿馬鹿しさも相乗効果になって、正に一瞬の油断も出来ない見ごたえ満点のコメディノベルズ。笑いも立派な癒しですので、無性に笑いたい時などに是非プレイして頂きたいゲームです。