〜堕落の国のアンジー〜


あらすじ

 夜の町で退屈を持て余していた、超絶ナイスボディ&美女の杏樹(通称アンジー)。『何かおもしろいことないの?』と友人の萌(通称・ルビー)に愚痴っていた時、良く言えば個性的、普通に言えば猟奇的なうさぎに出会い、興味本位に追い掛ける内、奇妙な世界に迷い込んだ。何とそこは、すべてがエロ&下ネタで支配されたワンダーランドだったからさあ大変。この変態版『不思議の国のアリス』な二人は、迷い込んだイリュージョン&アホワールドから、無事帰る事が出来るのか!?


 二人が紛れ込んだこの国は、不思議の国というよりは、明らかに『えの素』の世界と言った方が通りがよろしいかと存じます。雑魚キャラからボスキャラは勿論、プレイヤーのステータスに至るまで、隅から隅までお下品力に満ちている当ゲームの形式は一応RPG。元の世界に戻る為さまざまな試練を乗り越えなければならないのですが、到底万人には正気を保つことすら至難なイベントが目白押しで、本当にこんな所に来てしまった主人公2人につくづく同情差し上げるとしか言いようがありません。
 まずゲームのチュートリアル役として登場するのが変態看護婦(剃毛趣味)あたりはまだギアもロー程度。道を歩けば『鞭でしばいてくれ』とねだるマゾ猫娘に出会い、小便を飲ませろと強要する色男を振り切れば、大便を(以下略)とせがむ色男等ザコキャラまでも余念の無い品の無さ。その上これでエロをサービスしているつもりなのか、エンカウント率が異常に高く、それら愉快な住人達に2歩も歩けば行く手を阻まれ、目的地に辿り着くことすらままなりません。
 途中、帰る方法を模索しているところ本当のアリスが登場し、お茶会に招待されたので『新参者としては近所付き合いも大切!』とばかりにありがたくご訪問させて頂きましたら案の定スカトロパーティー。机の上に並ぶ小便のビールや生大便が山盛りの皿を前に言葉を失う二人ですが、破綻しきったこの世界はまだまだ許してくれません。精神体力ともに疲れ果て、道具屋で回復のアイテムを探しても『黄金水』『バイブ』と涙も涸れ果てる豪華な品揃え。というかこれではタダの大人のおもちゃ屋さん以外の何物でもないと思うのですがいかがでしょうか。
 さて、とうとう当国の女王様と謁見に成功し行ってみると、女王様湯浴みの真っ最中はイイんですが、それが数百人分の精液風呂という、想像しただけで生臭そうな湯船にてリラックスなさってました。メゲずに事情を話すとヒントを下さったのは良いのですが、更に女王様は寛大にも『湯浴みを許可する』とありがたいお言葉まで下さいました。流石この変態ワールドを統括なさる女王様、その慈悲深さに別の意味で涙を流し、二人入らせて頂いたのですが『ルビー、あそこ閉じて入るのよ〜! 妊娠しちゃうから!』と、常人より29歩ほど先を行く憂慮が飛び出すあたり、どうやら二人ともかなりこの世界に溶け込んだ模様で、尚のこと無事なエンディングへと向かう気が萎えて仕方ありません。
 音楽はノリノリで絵も恐ろしく上手く、気が付けば結構長時間プレイしていたというのもアリなんですけれど、RPG周りのシステムもこのアホワールドに呆れるほどマッチしているものですから、『次のボスキャラ対戦の為にヴァギナを20ポイントほど鍛えて行くか…』などとウッカリ冷静に考えている自分に気付いた時大変切ない気持ちになりますので、ゲーム進行上くれぐれも途中我に返らないほうが無難です。
 どこを見ても下ネタしか転がっていないこの素敵に無敵な世界、ありきたりなRPGに飽き飽きした方など、是非どうでしょうか?