やつあたり雑記帳…お出かけ記録

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May. '02

5/18 ゴールデンフィッシュ・サーカス2
5/25 「うたじま」リリース・コンサート


  5月 18日


 ゴールデンフィッシュ・サーカス2 at 代々木公園野外ステージ

 昨年三月に新宿の「シアターPoo」で行われた「ゴールデンフィッシュ・サーカス」に続き、十四ヶ月ぶりの続編である。 そういえば、前回の「…サーカス」出演者の一人と、奄美三味線教室の「ダイタイEカップ」が知り合いであることが判明したのはいつだったか。世間が狭いのか、それとも、広い世間の狭い谷間に好んで棲みたがる者同士なのか、まぁどうでもいいんだけど。
 今回の「…サーカス2」に関して特筆すべき点は、近藤洋一である。というか、近藤洋一の不在である。
 詳しいことは知らないのだが、どうも復調までにかなり長い時間を要する病気に罹ったらしく、この日もリハーサル中に姿を現したものの、なんだか影が薄くて、本チャンのステージに出たかどうか実を言うとおぼえていない。
 「ゴールデンフィッシュ・サーカス」というのは、近藤洋一、ジュテーム北村、ハギー・イルファーンという強烈な個性が三人集まって、それぞれが互いに主張しあうことでオモシロクなったらいいな、というのが基本のコンセプトである。カメラの三脚を見れば判るとおり、三極構造というのは安定と不安定が紙一重で共存する、見て良し、使って良しのなかなかいい状態である。それがひとつの極を取り去ったらどうなるか。
 幹事役のハギー・イルファーンにしても、その不安はあったのだろう。昨年の「…サーカス」が、中心メンバーの三人以外は「ちょっと個性が弱いかな?」という人選だったのに対し、今回は出演者として「さいとういんこ(with aqui?)」、「桑原滝弥(from Nagoya)」を加えたほか、ゲストに「松岡 宮(Unko Expert)」、「鶴岡美直子」という、なかなか濃いメンツだ。

 さて、話はその前の週に遡る。
 いちど現場を見て打ち合わせをしたほうがいいだろうとのハギーの考えで、名古屋の桑原滝弥以外の出演者が代々木公園の野外ステージの前に集まることになった。
 天気は上々。おまけに「タイ・フード・フェスティバル」なる催しが行われている中でさほど集合時間を気にすることもなく集まった面々は、野外ステージをそれぞれの思惑のうちに眺めると、タイ・フードやらポテトチップスやらを手に道路を挟んだ公園のほうに移動して打ち合わせをすることになった。
 ちょうどその日、オレは銀座の沖縄ショップ「わした銀座店」に三線のソフトケースを買いに行くつもりで奄美三味線を持っていた。打ち合わせが一段落したのをいいことに勝手に取り出して弾いていたのだが、松岡 宮が「自分のリーディングの時に弾いてもらえないか」と持ちかけてきたのだ。この当時のオレの個人的テーマは、「人前で弾く度胸をつける月間」であったので、二つ返事で引き受けた。ただし、「自分よりも上手い友人が来たら、友人に弾かせる」という条件を付けて。
 「…サーカス2」に対するオレのコンセプトは、「青筋立ててやるべきものではないが、ちゃらんぽらんでもイケナイ」であって、PAのバランスをないがしろにしてまで出て行って弾くのは、後者の部類に入ると考えたのだ。
 それに、「自分よりも上手い友人が来たら…」という条件には、いささかの成算もあった。奄美三味線教室でオレよりも三、四ヶ月ほど先輩にあたる+ガイ(意外と出たがり)■ウジが「なんだか面白そうだから見に行く」と言っていたのだ。
 さて、当日は朝まで篠つく雨。これは中止かな、と支度もせずにいるとハギーから電話がくる。
 「やります」という。やらずにおらりょうか、という感じである。慌ててありったけの道具と三味線を持ったり担いだりして家を出る。ぐへぇ、重い。
 すっかり忘れていたのだが、今回の「…サーカス2」は、ステージ前広場と通路で行われるフリーマーケットと共催する形で行われ、フリーマーケット側の主催者から「あまり大きな音は出さないでくれ」と言われていた。これがなければ家からスピーカーとアンプを持ち出し、レンタカーを借りたのに…と、肩に食い込むデイ・パックを恨めしく思う。
 それで代々木公園に着くと、フリマは雨天中止なんだって。ぽこぺん。

 もっと悪いことがある。
 原宿の駅を降りて橋を渡り、野外ステージに向かって歩いていくと、女の子がチラシを配っている。ジャージみたいな地味な服装の(まだ雨は微かに降っている)、体育会系テニスサークルのミスコン三位という風情の女の子で、「こんな娘までが…、世も末か…」と思いつつチラシを受け取ると、「ザ・ブーム 代々木公園 シークレット・ライブ」とある。にゃにおう?!
 野外ステージに到着し、目と鼻の先の多目的広場を眺める。PAが積み上げられ、ステージが組まれ、着々と野外ライブの準備が整いつつあるようだ。どうやら開始時間はこちらのステージ中らしい。ふ〜ん、宮沢和史とか言ったな。オレに喧嘩を売るつもりなら、それ相応の覚悟はできているんだろうな。

 雨も完全に上がり、ゆるゆるとサウンド・チェックなどして、ちょっと休憩。
 みんなが楽屋で食事などをしている隙に、オレは単独ステージジャックを企てることにした。連休明けに沖縄の三線用のピックアップを買っていたので、それを装着してステージ上で三味線を弾いてみる。
 相変わらずの下手糞さ加減なのだが、気分はすっかり「オイコラ宮沢、出てきてオレと勝負せぇ!」である。でも、誰もまったく気にも留めてくれないので、十分ほど一人で遊んでステージジャックを終えることにした。

 時間となり、ぼちぼちと始めると、あちこちのポエトリー・リーディングで見たことがある顔がステージ前広場にちらほらと現れる。大村”ポエム王子”浩一の満面の笑みが印象に残る。どうしてこの人はこんなに幸せそうに笑っていられるのか。これが大人ということなんだろうか。

 何しろ近藤洋一がステージに出たかどうかすら覚えていない、というナサケナイ記憶なので、どういう順番だったかなどというのは、ニワトリの脳細胞のDNAの塩基配列と同じくらいわかんない。よって、覚えている所だけ、順不同に列記することにしよう。あ、そうそう、サウンドチェックを終えた直後に+ガイ■ウジがやってきたので、こんなかんじで適当に、と言ったら案の定、深く考える様子もなく引き受けた。でも、バックステージで調弦したり、松岡 宮となにやら打ち合わせていたので、まぁ何とかしてくれるやろ、とお任せすることにする。

 ハギー・イルファーンは、休憩を挟んで二度の登場。まずは先頭で出たのかな?ブルース・ハープの二山”TEXAS”敏雄と。二度目はトリを取って、サックスの井上政宏、TEXASと。
 こういうコラボレーション的なのは、やはり好きなのか、ずいぶんノッているようだ。傍から見ていても、やはり安心して見ていられる。しかし、やっぱりブルース・ハープって、こういうブルース系のがオレは好きだな。単純にノレるから。

 ジュテーム北村は、愛用のママチャリに乗っての登場。ステージ前広場をぐるぐると叫びながら回る。このやんちゃなスタイルがいい。どこかでステージに上がるとすれば、ママチャリをコカすしかないだろうな、と思っていたら、やはりコカした。
 でも、これは当人にとってはまったく予定外の行動だったようだ。やはり本能で生きる人、ジュテーム北村は、オレのような凡人には予測不能なのか。

 名古屋のミニFMで詩人として番組を持っているという(今回の「…サーカス2」出演は、番組にハギーらが招かれたことが契機らしい)桑原滝弥は、見かけよりも若いらしくて、例の、ほれ、ストリート系とかいう類のルックスで、オレのようなオッサンには、二人以上並ばれるとどっちがどっちやらワケわかんなくなる訳で、要するにナニが言いたいかというと、歳を食うのも悪くはないな、ということなのだ。
 桑原滝弥は、今のところ自分の個性を確立しようとしている時点であって、いずれそれは外見だけでなく、内面からも滲み出てくるのではないか。と、ワカモノ嫌いなオッサンは言ってみました。

 さて、時は流れて、って順不同なんだけど。松岡 宮のリーディング。いよいよ+ガイ■ウジの登場である。おぉっ、スゴイぞ。とか言って、コラボレーション自体はあまり覚えてないんだけど。ナニゴトも経験ですなって感じか。+ガイ■ウジが勉強になったかどうかは知らんが、オレは学習したつもりだ。

 でまぁ、なんだかんだといっても、オレにとっての一番の目玉は「さいとういんこ with aqui?」であったと言うと、ハギーは怒るだろうか。いや、確かにハギーのジャムセッション・リーディングは良かったのだが、舞台ナナメ上の調整室からだとイマイチ他人事という感じがするモノなんです。なにせパフォーマーのエネルギーはステージから客席に向かって放たれるものですからな。
 あ、そうか。いま、ぜんぜん別のことに気づいてしまったのであった。。
 えっと、なんだっけ。だから、パフォーマーのエネルギーが向けられてる方向とはぜんぜん別な場所にいると、変なことに気付いたりするわけなので、それはそれで新鮮なのだ。
 大雑把に言って、ハギーやジュテ、近藤洋一なんかのリーディングというのは、「自分」というモノを俎板の上に乗っけて包丁だのおろし金だのすりこぎだのを使って料理し、「おーし喰ってみろォ」とかやる感じなのだが、この日の「さいとういんこ with aqui?」は、「オトコのコは食べちゃダメ!」風で、しかしそれは男にとってもじゅうぶんに食欲をそそる匂いがしていて、要するにここに居たのは「さいとういんこ」ではなくて「にゃんこ」だったのではないかとおもうのだが…。



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  5月 25日


 「うたじま」リリース・コンサート at 王子北トピア 大ホール


 いろいろ考えましたが、あまりおもしろおかしく料理できるような話でもないし、なんの責任もない人が責任を感じたりするのは本意ではないのでやめておきます。



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