やつあたり雑記帳…お出かけ記録

　赤坂Graffity ＰＡＮＴＡ featuring ロケット・マツ、阿倍 美緒 special guest 石間秀機。

　一月に続き、今世紀、二度目のＰＡＮＴＡである。前回は、「あんまり評判よくないんだよな」とか言っていたバンド名「漣(さざなみ)」も、今回は堂々と呼んでいる。だから言ったじゃないか、ＰＡＮＴＡ相手に「あんましなぁ」なんて言うと、却って意固地になるんだって…。

　早めに会社を出て、いったん帰宅して着替えてから赤坂に向かう。ネクタイしたままでは絶対に行きたくないライヴってのも、世の中にはあるんですよ。ま、ンなこと言っても相変わらずのダサダサ・スタイルなんだけどさ。
　グラフィティの内部は、やはりＰＡＮＴＡのライヴらしく、得体の知れなさそうなオヤジたちが大勢集まっている。一般人の部、かなりダサい組に属するオレなんか、かなり退いてしまう客層だが、ここまで来て怯えて泣いて帰るわけにもいかない。ステージから７〜８ｍ、正面をちょい外し気味のあたりに、マサ斎藤の又従弟風オヤジの前の席が空いていたので入り込む。

　入場時に受け取ったウォッカのオン・ザ・ロックが空になって、チラシの類をぜんぶ二回読みおえて、周囲の観察に飽きた頃、後ろのほうが騒がしくなる。
　「１９８０Ｘ」や「マラッカ」のアルバム・ジャケットの、カミソリのようなイメージの男から、かなりマサ斎藤気味の横幅、奥行きになったＰＡＮＴＡのご入場である。
　「きらびやかにミラー・ボールを回しながらはじめようか」といたずらッ気たっぷりに(本当に回した。似合わね〜)はじめた一曲目は「まるでランボー」。「午後の悪魔」、秋に発売予定のアルバムに収録される新曲(タイトル忘れた)、これも新曲だが、一月のライブでも演奏してメチャ格好良かった「とりあえず氷川丸(仮題)」と、四曲やって第一部おしまい。ありり？
　「風邪ひいちゃって、ブロン飲みながらやってます」とか言ってたが、そういう理由か？まぁ、オレとしては、トイレが近くなって苦しかったから、いいタイミングで休憩だったけど。

　トイレを済ませ、もう一杯ウォッカを受け取って飲み終えたところに、ＰＡＮＴＡが高円寺辺りのアジア雑貨屋のオヤジ風の男とともに登場。彼こそ本日のスペシャル・ゲスト、元フラワー・トラベリン・バンドのギタリスト、石間秀機である。'70年代初頭からシタールの演奏をはじめた石間は、シタールのネックにギターの弦を張り、ピックアップを取り付けた「シターラ」を手に登場。ＰＡＮＴＡのギターのチューニングを待ちながら、シターラの紹介やらした後、石間のシタールをバックにＰＡＮＴＡが即興詩を詠む。これが、けっこうスゴかった。いや、詩としてどうだというのではなくて(オレ、詠まれた詩には文学としての批評はしない主義だから)、ＰＡＮＴＡのエネルギーが強烈だったんだ。詠み終えたあと、「もうダメ。廃人になりました」とか言って、予定に従って(としか思えん)やった二つ目は、スキャットというかハミングというか、詩と呼ぶにはちと苦しいモノであった。たして二で割りゃちょうどいいのかも知んないけど、ＰＡＮＴＡに平均だのちょうどいいだのと言うのは、あまりに似合わな過ぎるのだから、これでいいのだ。
　ここでいったんＰＡＮＴＡが引っ込んで、石間のソロが二曲。再度、ＰＡＮＴＡが登場して一曲演奏したあと、ロケット・マツ、阿部美緒も加わって、ニュー・アルバムから石間参加の二曲を演奏して第二部も終了。

　第三部は、新曲がメイン。「うらむらく」、「リサイクル・デイ」と新曲を続けて、「ＮＡＫＥＤ」から「Diego,Libre dans sa t^ete 〜 オリオン頌歌・第二章」、新曲(タイトル忘れた)、新曲「虫の街」で第三部すなわち本編が終了。
　おなじみの名曲が少ないのは、ニュー・アルバムのプロモーション目的(早くても秋だろ〜って文句のひとつも言いたくなる)が半分と、頭脳警察の再始動(ＴＵＢＥみたいに季節限定だってさ)が絡んだのとで致し方ないのかもしんないけどさ。ンでも、それならそれで、ソロ時代の名曲をやって欲しかったな。万物流転とかさ。

　そんな不満を抱きながら、アンコール。
　まずは「スホーイ」、続いて「瓦斯」。もちろん、この程度で満足するような観客ではない。二度目のアンコールは、石間秀機も加わって「悪たれ小僧」、「サンフランシスコ・ベイ」。よっしゃあ、「世界夫人」だ、と思ったら、今日はこれでおしまい。まぁ、風邪もひどそうだったし、仕方ないか。

　次は６月９日、ロックの日に、日比谷野音で頭脳警察じゃ。



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