車で走っていると、暗黙の了解というものが多数存在していることに
気づきます。有名なところで言えば、割り込みをしたり、道を譲って
もらったりした時に、お礼や謝罪の意味でつける「ハザードランプ」、
渋滞に差し掛かると後ろに対して教えるという意味でも使いますし
警察がいるから、取り締まりがあるからと反対車線で教えてくれる
人もいますね。ま、基本であるのが、駐車中の「ハザードランプ」。
誰でもやりますもんね。教習所で教えていたかは覚えていませんが。
今回は、この「ハザードランプ」のお話です。
日本では当たり前のように使い、結構軽い扱いで使われていますよね。
そういう私も路肩で地図を見たりするときに使いますし、コンビニに
寄っている時などもつけていたりします。さて、この使い方、果たして
本当にいいのでしょうか。日本の常識は世界では使えなかったという
例を紹介したいと思います。ま、日本にいる限り関係ないですけどね。
知り合いにX氏という人がいます。X氏はイギリスに行く用事があり
それも長期だったため、向こうで車の運転が出来るように国際免許を
とりました。そして、はれてイギリスへと旅立ちました。
向こうではレンタカーを借り、楽しいドライブを楽しんでいました。
そんな折、地図を確かめようと路肩に車を止めると、「ハザードランプ」を
つけたのです。完全に日本の時の習慣のままに・・・・・・・・。
しばらく地図を見ていると、急にドアのガラスを叩かれました。
そこには心配そうなイギリス紳士が数名います。何事かと思い、おそる
おそる窓を開けると、「だいじょうぶか?(英語で)」ときました。
「は?(英語で)」と聞き返すと「緊急事態でもあったのか?(英語で)」
と慌てた調子で聞き返してきます。おかしいと思って出てみるとX氏の
車の後ろには数台の車が停車しているじゃないですか。一体なんなのか。
困ったX氏は素直に自分が地図を見ていただけであることを説明すると
向こうの紳士も飲み込めたようで、何故こうなったのか説明してくれました。
話によれば、イギリスでは「ハザードランプ」というのは緊急用のもの、
S.O.S.信号的扱いなのだそうです。だからこそ、路肩に停車して
「ハザードランプ」をつけていたX氏の車は緊急事態発生であり
S.O.S.で助けを求めているという風にうつってしまったそうなのです。
日本では駐車中の「ハザードランプ」は当たり前的な感じがありますが
同じような意味合いではイギリスでは「路肩側のウィンカー」の点灯
なのだそうです。これだと、日本と同じ意味になるので問題なしと。
X氏は丁寧に紳士達に謝ると、「ハザードランプ」を消し、「ウィンカー」
にしたそうです。当たり前と思っていても、国によってはずいぶんと
違うものなんですね。話を聞いて、私もいい勉強になってしまいました。