「ツイてないひと」

朝、すごい娘がいた。いつものように歩いていると、後方からバタバタと
かなり下品な感じの足音が。おそらく、かかとを踏んだ状態の運動靴からで
あろうと思われるその音は、すごい勢いで私を追いぬいていった。

そこで、たまたま前方から来ていて、その娘とすれ違ったはずの
男性が、柔道の足技を食らったかのような、とても鮮やかな弧を描いて
宙を舞い、地面に轟音と共にたたきつけられたんだよね…。

別に大げさな表現じゃなくて、マジですごい音。所持していた、カバンから
モノが飛び出して散乱したから、その音は余計にすごかった。男の人、
顔面から着地してるし…。原因は簡単で、そのうるさい足音の娘が
手にしてたスポーツバックがその人の足をすくった形になり、大惨事に…。

男性は、突然の出来事にしばし呆然。その間に、娘は気づいているのか
いないのか、最初と変わりない速度で走り去っていってしまった…。

朝っぱらからツイてない人…。


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