私が学生の頃、香港や中国で作られた謎のソフト達が
電気街で相当数売られているときがあった。
「256in1」というのは、読んで字の如し。まさに、
256種類のソフトが1本に入っているわけです。
発売当初、それらはとても重宝され15000円前後で
当たり前のように取り引きされていました。私も、そんな
値段で買った一人でした。
ある日、繁華街を歩いていると露天が出ていて、結構な
人だかりが出来ていた。虫が群がるライトの下には、
オレンジ色した大きなソフトが並んでいる。
対応機種はファミコン。そう、元祖ファミコンだ。
ドキドキする胸を押さえつつ、ソフトをそっと手にとってみる。
裏面には遊べるソフト名がぎっしりと、ほんとにぎっしりと
並んでおり、漢字で書いてあるものの、なんとなく何が
はいっているのかわかってくる。これは、そうとう数のソフトだ。
ファミコンで結構売れてたソフトがいっぱい入って、12800円。
うーん、256本のファミコンソフトが遊べて12800円か。
今から7年くらい前だから、それほどファミコンがひどい扱いを
受けていたわけでもない。だから、迷ったけど、勢いにまかせて買った。
はやる気持ちを押さえつつファミコンのセッティングをし、
電源を入れる。と、無愛想にも字だけが出てきた。
まぁ、256本もあるんだから、こういうほうがいいのかな、
などと、自分に自分でフォローを入れつつゲームをセレクト。
そこにひろがっていたのは、同じ名前の連続。ん? これって
どういうことなの? 256本あるんじゃないの? あれ?
もしかして、256種類のゲームって意味なの? じゃぁ、
裏面のゲームの名前がいっぱい並んでるのは何? うそ?
そこにあるのは、「ギャラクシアン」の題名と「レベル○○」
などというちょっとした難易度の違いだけ。ひたすらに同じ
「ギャラクシアン」が入ってるだけ。何なの?
悔しいから、全部やってやった。
さみしくなった。