『AIR偽小説第九十三弾』

懲りずに第九十三弾です。
そういえばこの企画が終わった後は何しよう。
なんて考えてたりします。
まあ、元々何もかんがえてませんけでね(笑)


『4行小説』

★神奈
「さて、こたびも人物語りであるぞ」
「今回はいつもぶしつけに現れる香里殿だ」
「誰かと声が同じだとか言う事を余は聞いたが…」
「それは余も負けておらぬぞ」

あゆ「うぐぅ、神奈ちゃんいきなり何言ってるの…」
神奈「声の話であるぞ」
あゆ「そういうことは、知らない人が聞いてもわからないよ」
神奈「ふうむ、そうであるか…」
香里「ちょっと、声がどうとかよりあたしについてちゃんと語るんでしょうね?」
神奈「おぬしは…いきなり不機嫌ではないか?」
香里「わざわざ来てあげたんだから。これで不快な結果出されたらたまったもんじゃないわ」
あゆ「まあまあ、香里さん」
香里「あゆちゃんもあゆちゃんでなだめ役ばっかりしてないで、誤魔化さないでよ?」
あゆ「うぐぅ…」
神奈「こほん。兎に角一番に…香里殿からであるぞ」
香里「…自分を語るの?って、そういえば前の連中もやってたわね。わかった、やるわ」
あゆ「じゃあお願いしま〜す」

★香里
「自分で自分を語るってのもなんか新鮮ね」
「そうねえ…あたしは別にこれといった特徴は無い普通の人だと思うわ」
「人をさらったり紙切れで征服しようとしないもの」
「間違っても妹にはそうなってもらわないよう、しっかり言っておかなきゃ」

神奈「…のう、香里殿」
香里「何よ」
神奈「既に自分以外を中心に語っておらぬか?」
香里「気のせいじゃないの」
あゆ「名前は出してないけどあからさまに誰か分かるんだけど…」
香里「分かってるつもりになってるだけじゃないの」
神奈「つもり…なのかの?」
香里「つもりよ」
あゆ「うぐぅ…」
神奈「え、えーと、次はあゆ殿だ」
香里「無理しなくていいから思うまま語ってね。ちゃんとしてくれればいいから」

★あゆ
「えっと、香里さんだけど…かなりしっかりしてる人だよね」
「けれども内面にちょっと弱さを持ってるかもしれない…」
「なんてボクは思うんだよ」
「理由としては、かなり凄い事を言ってる中にちらっと垣間見えるものとか…」

香里「気のせいよ。たしかにあたしはそんなに強い存在じゃないけど…」
神奈「余には強すぎる存在にしか思えぬ」
香里「言葉遣いに騙されてない?あたしなんかまだまだよ」
あゆ「まだまだってほどでもないと思うよ。結構皆を引っ張る役とか得意じゃないかな」
香里「そうかしら…でもまあ、それも一つの印象よね」
神奈「ふうむ、なるほどな…。さて、次は客人の登場であるぞ」
詩子「やっほー。人を語らせたらこの詩子ちゃんの右に出る者は居ないわよ〜」
神奈「むむっ、そうなのか!?」
詩子「あははは。いくらなんでもそういうので順序付けってのはできないわよ」
神奈「………」
あゆ「けど言い回し上手いよね。ボクも信じちゃったよ」
香里「たしかに。何を語ってくれるのか楽しみね」
詩子「うーん、そう楽しみにされても困るけど…」
神奈「ともかく詩子殿であるぞ」

★詩子
「ちょっと固い感じがあるかな…」
「もうちょっと軽く捉えるとかすれば、気も楽になると思うわよ」
「けれども、物事をそう考え込んだりするのは性格だけじゃなくて…」
「何か重大な事件を体験した、とかじゃないかしら。どう?」

香里「ど、どうって言われても…」
詩子「動揺してるって事はあったってことかしらね」
香里「………」
神奈「凄いものだの詩子殿は…この香里殿の上をいっておる」
詩子「上って表現はいかがなものかと思うけど…」
あゆ「ところで香里さんはどんなことを体験したの?」
香里「それは…」
詩子「無理に言わなくてもいいと思うわよ。重大ってことは軽々しく言えるものでもないでしょうし」
香里「ふふ、ありがと」
あゆ「うぐぅ、なんだか気になるよぅ」
神奈「あゆ殿、ここは耐えようぞ。余は後で聞くつもりだがの」
香里「子供みたいなズルをしようとしてんじゃないの。って、子供か…」
詩子「それは香里も私も、そしてあゆちゃんも」
香里「あゆちゃんだけ“ちゃん”付け?」
詩子「だって香里がそう呼んでるじゃない」
香里「ああ、なるほど」
あゆ「うぐぅ、なるほどってことじゃないよう〜」
神奈「おほん。さて次なる客人であるぞ」
観鈴「にはは、こんにちは」
神奈「なんだか久しぶりであるの、観鈴ちん」
観鈴「そうかもしれないね。最近わたし、あんまり来ないし」
詩子「それまたどうして?」
観鈴「最近忙しいの。佐祐理さんとお弁当作り。でもって、舞さんに振舞ってるの」
あゆ「食べるためのいい人が居るってことだね」
香里「そういうのは結構なことね」
神奈「余にも振舞って欲しいぞ」
香里「さりげにこういう事言ってくる子とかにあげたらまた喜ばれるしね」
神奈「…香里殿、今のは非常に失礼なことを言っておらぬか?」
香里「言葉どおりよ」
神奈「うぬぬぬ…」
観鈴「あ、それかのりんの口癖だね」
神奈「はっ!?…うう、余は一体どうなってしまっているのだ…」
詩子「そんなに気にすることでも…。ま、それより観鈴。四行やってね」
観鈴「あ、うん。…えっと、あなたは…」
詩子「詩子よ。柚木詩子。自己紹介しなかったっけ?」
観鈴「したと思うけど…ほとんど会ったことないと思う」
詩子「あ〜、言われてみれば。まあ今覚えればいいことよ」
観鈴「にはは、そうだね」
香里「それはそれでも観鈴って名前はしっかり覚えてたのね」
あゆ「詩子さん、しっかりしてるね…」
香里「で、四行なんだけど…テーマ分かってる?」
観鈴「うん。香里さんについて語るの」
香里「そうそう。それじゃあ早速お願いするわ」
観鈴「………」
あゆ「どうしたの?」
観鈴「がお、そういえばあんまり香里さんとお話もしてない」
香里「今更それはないでしょ。幾度とあるはずよ。少なくとも詩子よりたくさん」
詩子「ちょっと香里、そういう言い方ってないんじゃない?事実だけど…」
あゆ「え、えっと、観鈴ちゃん頑張って」
観鈴「よっし、観鈴ちんふぁいと」

★観鈴
「香里さんは、成績学年トップ」
「うらやましいな。観鈴ちんあんまり頭よくないから」
「勉強教えて欲しいな。補習受けなくてもいいように」
「よっし、今から教わる」

香里「勝手に決めてるんじゃないわよ…」
観鈴「が、がお、残念」
あゆ「香里さんってそんなに頭いいんだ?」
詩子「しかも容姿端麗とくりゃあ男子がだまっちゃいないでしょうね」
香里「容姿端麗はともかくとして…成績はたまたまよ、たまたま」
詩子「たまたまでトップはとれないでしょ」
香里「そりゃそうだけど…」
観鈴「だから教えて欲しい」
香里「だいたい、倉田先輩とよく一緒にいるなら彼女に教えてもらいなさいよ」
あゆ「あれっ、佐祐理さんも学年トップなの?」
香里「そう聞いてるわよ。それにたしか、美凪も学年トップだったんじゃないの?」
観鈴「美凪ちんと勉強してると不思議なことにお米券がどんどんたまっていくの」
香里「…それは嫌でしょうね」
観鈴「でも、うん、佐祐理さんに教わることにするね」
香里「うんうん、そうして頂戴」
詩子「ケチねえ、香里。勉強くらいいいじゃないの」
香里「教えるのは苦手なのよ」
あゆ「そうかなあ…」
香里「なんでそこであゆちゃんがそういう言葉を発するのよ…」
あゆ「うぐぅ…。あ、そうだ、後一人お客さんがいるんだよ」
詩子「そうなんだ。じゃあ早く招かなきゃ」
香里「そういや司会の神奈は?」
神奈「………」
観鈴「わ、神奈ちんかたまってる」
詩子「それまたどうして?」
香里「佳乃の口癖をやってたことに相当ショックを受けたんでしょうね」
あゆ「うぐぅ、神奈ちゃんしっかりしてよ」
神奈「………」
あゆ「…仕方ないねこうなったらアシスタントのボクが」
詩子「別にアシスタントじゃなくても招けるんじゃないの?呼べば」
あゆ「うぐぅ、そういう身も蓋もないこと言わないでよぅ」
香里「別に悩むことでもないと思うわよ」
由依「こんにちわぁ」
香里「ほら。どうせ司会とかに断りもなく現れるんだから」
由依「失礼ですねぇ。人を傍若無人みたいに言わないでください」
観鈴「にはは、こんにちは」
由依「はい、こんにちわです〜」
あゆ「由依ちゃん相変わらず元気だね」
由依「今回は香里さんについて語るんですね。もうばしばしやっちゃいますよぉ」
詩子「やけに明るい子ね…なんていう子?」
あゆ「あ、そういえば詩子さんはまだ会ったことなかったっけ?」
由依「だったら自己紹介をしないといけませんねぇ。あたしは名倉由依っていいます」
詩子「今回、二回目の自己紹介か…まいっか。えーと、私は柚木詩子よ、よろしくね」
由依「詩子さんですね」
詩子「そ、詩子さん」
由依「よろしくお願いします〜」
詩子「こちらこそ」
由依「さて、自己紹介も終わったことですので早速語りいきますね〜」
香里「もう何でもすっかり心得てるって感じね…」

★由依
「香里さんは、晴香さんに似てますねぇ」
「という理由で以前は酷くからかわれてしまいました」
「う〜、少しは性格違う方だと思っていたのに…」
「残念です」

香里「何よ。あたしは思ったことを言ったまでよ?」
由依「遠慮がなさ過ぎです!」
香里「っていうか、似てたって理由でからかったわけじゃないんだけど…」
詩子「本人の思い込みよ。香里も気にしないことね」
香里「そうね、そうするわ」
由依「ちょっとぉ、それはあんまりですよぉ」
観鈴「ねえねえ、どんなからかわれ方したの?」
由依「うう〜、あんまり言いたくないです〜」
香里「貧乳、ってね」
由依「って、その傍で言わないでください!」
あゆ「うぐぅ、そうだよぅ〜」
詩子「ひどいじゃないの香里。本当のことわざわざ言わなくても」
由依「そんなこと言う詩子さんもひどいです!」
あゆ「うぐぅ、ひどいひどい!」
観鈴「わ、なんか荒れてきちゃった…。神奈ちん、早く終わろ?」
神奈「…はっ、そ、そうであるの」
観鈴「今の今まで固まってたんだ…」
神奈「うむ…ええい、とにかく終わりにする!」
香里「ヤケでやっちゃったわねぇ」

<言葉どおり>


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