懲りずに第八十二弾です。
★香里
栞「お姉ちゃん、なんだか酷いこと言ってない?」
★栞
香里「…ねえ栞、あんた本気で魔法が使いたいの?」
★詩子
栞「あの、それって誰のことなんですか?」
★葉子
香里「だそうよ、栞」
★みちる
香里「…なによ、それ」
<しおりんふぁいと>
そろそろなんか目的がほしいかも。
って、あるにはあるのか…。
っていうか、神奈たちに戻そうか…。
『4行小説』
「はいはい、また司会やってあげにきたわよ」
「一部の人にとっちゃあこういう事が大事みたいだけど…」
「あたしにとってはほんっとどうでもいいわね」
「テーマは出番、よ」
香里「何よ。思ってることを言って何がわるいっていうの?」
栞「でも…」
香里「ま、あんたはまだまだ出番にこだわってるみたいだけどね」
栞「だって、私はそんなに呼ばれてないもの。出番がないもの」
香里「無いほうが幸せよ」
栞「お姉ちゃんは出番が多いからそういう事言えるんじゃないの」
香里「何言ってるの。一度バニラエッセンスで顔を洗って出直してくれば?」
栞「うわ、それはしたくない…」
香里「贅沢ねえ。バニラアイスが好きなくせに」
栞「そういう問題じゃないよ」
香里「まあいいから、さっさと四行やっちゃいなさい」
栞「うん…」
「私、実は長期に渡って呼ばれていないことがありました」
「皆さんと色々お話するのが好きなのに、それはさびしいです」
「もっとたくさん呼んで欲しい…」
「そのためにはやっぱり魔法が必要です」
栞「言っとくけど、誘拐目的じゃなくて話をするためだからね」
香里「自分が行くだけなら別にいいと思うわよ。あたしが言ってるのは、連れてくることよ」
栞「なんだ、じゃあ大丈夫だね」
香里「それでもあの魔法は嫌いだけどね」
栞「うぐっ…」
香里「でもね、あんたがそれを打ち払ってくれるならあたしは賛成よ」
栞「え?それってどういう…」
香里「これ以上は言わないわ。栞次第よ」
栞「うーん…」
詩子「つまりは、香里は栞に期待してるってことよね」
香里「うわっ!ちょ、ちょっと!」
詩子「いちいち驚かなくていいでしょ。こんにちは、柚木詩子よ」
栞「こんにちは。お姉ちゃんがいつもお世話になってます」
ぽかっ
栞「いたい…」
香里「あんたいきなりなんつう挨拶してんの」
栞「だって…」
詩子「まあまあ、香里も栞も」
香里「だいたいあんたもあんたで、どうして初対面の人間にそんなに馴れ馴れしいのよ」
詩子「あれ?初対面だっけ?おっかしいな…全員集合やったのにな…」
栞「直接は会ってない、ってことじゃないですかね」
詩子「ああ、そういうこと。…もう、香里って細かいこと気にするのね」
香里「あのね…。さてと、肝心の四行をやってちょうだい」
詩子「おっけー。あんたたちより更に日の目を見ない脇役の力を見せてあげるわ」
香里「………」
「出番はね、待ってるだけじゃこないものよ」
「自ら出る!縁とかいろんなものを使ってね」
「使い方もちゃんと考えないと…」
「ただ自爆して…はいそれま〜で〜よ〜♪」
詩子「予言だから気にしなくていいわよ」
栞「予言、ですか…」
詩子「そう、予言」
香里「なんだかいいわねえ、気楽で」
詩子「気楽にやらなきゃ。ただ参加して苦痛なのも勿体無いでしょ?」
香里「そうね…そうなんだけど…」
栞「お姉ちゃんやっぱり考えすぎなんじゃないの?」
香里「うーん…。まあ後でそれは考えるとして、次の人どうぞ」
葉子「…こんにちは」
詩子「ああっ、たしかあんたは茜をバイトに誘った!…えーと、葉子、だっけ?」
葉子「はい」
詩子「その節はどうもどうも。で、茜はうまくやってる?」
葉子「暇ですから、二人で静かな時を過ごしています」
詩子「あ、そ…」
栞「あのう、あなたは…」
香里「あたしが紹介するわ。この人は鹿沼葉子さんよ」
栞「へええ…」
葉子「あなたとは初対面でしたか?」
栞「はい…。だって私、出番が少ないですから…」
詩子「あのねえ、あんたそれは贅沢よ?私はもっと少ないんだから」
栞「う…すいません」
香里「ったくう、なんでそう卑屈なのよ。アイスを求めて出現しまくってるくせに」
栞「うう、そんなことしてないもん…」
香里「してるじゃないの。よく皆からそういう事聞くわよ」
栞「うう…」
葉子「あの…」
詩子「ああそうそう、葉子も四行ね。えーと、テーマは出番についてよ」
葉子「わかりました」
香里「ちょっと詩子、司会の数少ない役割をとらないでよ」
詩子「いいじゃないの。こうやって平和でいられるんだから満足しないと」
香里「…さりげにあんたズルいわね」
詩子「なんのこと?」
香里「しらばっくれちゃって…いいわね、自由奔放で」
詩子「香里はまだまだ悩みすぎてるのよ。もうちょっとおおらかになれば?」
香里「あたしってそんなに固い?」
詩子「そうね。少なくとも私よりね」
香里「ううーん…」
葉子「あの…」
栞「二人とも結局勝手にやってるし…というわけで葉子さん、四行どうぞ」
葉子「はい」
「出番、私は根本的に少ないのです」
「何よりそれは立場というものでしょうか」
「それでも私は気にしていません」
「ですから、少ないと嘆く方の心情は察しいたしかねます」
栞「なんで私にふるの…」
詩子「このメンバーの中で唯一、出番の少なさを嘆いている人だしね」
栞「ひどいです…」
葉子「気にすることはありませんよ。それはあなたの個性でもあります」
栞「そうなんですか…?」
葉子「と、郁未さんが以前おっしゃられてました」
栞「………」
詩子「おおっと、また知らない人の名前が!」
香里「郁未なら名前は聞いたけどね」
詩子「あれ?それまたどうして?」
香里「この前晴香とさんざっぱら話をしたからね」
詩子「へええ…。そうそう、私のさっきの四行に付け加えるなら…」
香里「色んな人と話をするのもいい、ってことかしら?」
詩子「そういうこと。だから葉子も茜から色んなこときいてるわよね?」
葉子「そこそこは…」
詩子「…そういや、あんまり話はしなさそうね。無口だし」
葉子「そうですね…」
詩子「葉子も葉子で無口よねえ。うーん、こりゃ大変だわ」
葉子「そうでもありませんが…」
みちる「美凪も結構無口なんだよ。初めての人に対してだけど」
香里「それは嘘でしょ…ってみちるちゃん!もう、司会にことわりなく…」
詩子「また細かいこと言ってる…。いいじゃないの」
みちる「んに、これはみちるのこせいってやつだから」
栞「うう、私すっかりおいてけぼり」
詩子「話に参加しないからでしょ。もっと積極的にならなくちゃ!」
みちる「そうだぞー。まずは一発けりをかまし…って、かます相手がいないねえ」
香里「人の妹に変なことやらせようとしないでくれる?で、誰なのよその相手ってのは」
みちる「国崎往人」
香里「じゃんじゃんやらせてやって。一発と言わず百発くらいやってあげなさい」
みちる「りょうかーい」
栞「ちょ、ちょっとお姉ちゃんもみちるちゃんも!」
葉子「頑張ってください、栞さん」
詩子「新たな門出、だね」
栞「うわーん、なんか勝手に変な方向に決まってるしー!」
香里「さて、まとまったところでみちるちゃん、四行よ。テーマは出番」
みちる「うん、わかった」
「みちるの出番はねえ…」
「まずは子供の集まり!」
「でもほとんどがみせいねんだから…」
「美凪の召集で!ということにするね」
みちる「そのまんまだよ」
香里「嫌な召集ね…」
葉子「美凪の召集ならば…私も行かなければなりませんね…」
詩子「どうして?」
葉子「無口、ですから…」
詩子「あ、あははは、そ、そうね…」
栞「私は行けない、でしょうか?」
みちる「栞と美凪の共通点はなにかなー?」
栞「うーん…」
香里「あってたまるもんですか。あるんなら姉妹の縁はこれまでよ」
栞「ええっ!?お、お姉ちゃん!」
詩子「ねえ、なんでそこまで美凪が嫌いなの?」
香里「色々あってね…」
みちる「むむっ、美凪を悪く言う奴はこのみちるが許さないぞー!」
香里「許さないって言われても…」
みちる「えいっ!」
ぱしっ
みちる「ああっ!」
香里「ふふ、まだまだ甘いわね」
詩子「やるわね、香里。みちるちゃんの不意打ちキックを受け止めるなんて」
葉子「あの程度なら私でも受け止められます…」
栞「葉子さんさりげなく挑戦的…」
みちる「うう〜、くやしい〜!」
香里「後で言い分は聞いてあげるわ。ま、今回はこれまでね」
みちる「国崎往人にはおもいっきり効いたのにー!」
詩子「…あの人強そうに見えて実は弱いんだ」
香里「所詮はみかけだおし、ってことね」
葉子「栞さんもそうならないよう、頑張ってください」
栞「え?何をですか?」
葉子「往人さんにけりを一発やるのですから」
栞「ええー!?やっぱり私がやるんですか!?」
詩子「当たり前でしょ。もう決定してるんだし」
みちる「みちるの無念をはらしてねっ」
栞「ちょ、ちょっと待…」
香里「じゃあまとまったところで終わりましょ」
栞「待ってってばー!」
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