懲りずに第八十弾です。
★往人
ぼかっ
★聖
往人「おいこら!いきなり司会を追い出そうとするな!」
★栞
往人「お前な、俺だって久しぶりなんだぞ?」
★晴香
往人「それはつっこんではならないぞ」
★繭
晴香「ちょっと、逃げないでよ」
<よくないな、これ>
ちょっぴり原点に戻ってみたり(もはや何が原点だか)
会話に困ったりするのはいただけないが。
それでもやろうとするのが偽〜
『4行小説』
「なんだか久しぶりだな、俺の司会も」
「ちなみにここは霧島診療所。相変わらず閑古鳥が鳴いてるが…」
「それでも企画は行う」
「テーマは空間だぞ」
往人「いたいっ、何をする」
聖「閑古鳥が相変わらずとか余計な事は言うな」
往人「事実だろうが。今日は客が誰も来てないんだぞ」
聖「これから来る予定だ。あらぬ噂は流さないでもらいたい」
往人「これから来るって、ゲスト達だろうが…」
ぼかっ
往人「いたい、だから殴るな」
聖「まったく…。さて私からいくぞ」
「この診察室の空間を見てもらいたい」
「売れない人形遣いの所為で空気が淀んでいる」
「清潔さが損なわれている」
「汚染源は処分しないとな…」
聖「出て行く気はないのか?」
キラン
往人「やめろ!その手に持ってるメスをしまえ!」
聖「しまう気はないな」
往人「う、うわああ…!」
がちゃり
栞「あのう…」
聖「お?患者さんか」
栞「いえ、そうではなくて…」
往人「ふう、いいところに来た栞」
聖「違うぞ国崎君。この子はしおりんだ」
栞「い、いえ、栞ですけど…」
聖「佳乃と同じくりんつながりだ。可愛いこと請け合いだぞ」
栞「あ、あの…」
往人「強引に自分の意見を通すなって」
聖「汚染源は黙っていてもらおう」
往人「うをっ!いいかげんそのメスをしまえって!」
栞「あの、往人さんは汚染源なのですか?」
聖「その予定だ」
往人「予定って、おい…。だいたい栞を呼んだのは俺だぞ」
聖「それが何の関係がある」
往人「閑古鳥が鳴いているところへ客を呼んでやったんじゃないか」
聖「閑古鳥など鳴いてはいない」
栞「ばっちり鳴いてるように見えますけど…」
聖「…君は国崎君の手先なのか?」
栞「そういうわけではないですけど」
往人「閑古鳥とかそういうのはもういいから、栞も四行をやってくれ」
栞「はい、わかりました」
聖「逃げたな…」
「空間、なんですよね、テーマ」
「空間よりも何よりも…」
「ここ最近私の出番がなかったことに異議を唱えたいです」
「だって…私凄く久しぶりでしたから」
栞「第一、私とおねえちゃんで司会をやる話はどうなったのですか?」
聖「そんな話が上がっていたのか…。ならば私もやってみたいものだな」
往人「俺に言われてもな…。今回はたまたま神奈達がリタイヤしてるから代理で出ただけであって…」
栞「祐一さんのお願いは聞き届けてもらえたのに、ずるいです」
晴香「そう、ずるいわね」
往人「突然現れるなよ…」
聖「君はどこから来たんだ?」
晴香「どこでもいいでしょ。ちなみに妹として一言言わせてもらっていいかしら?」
往人「妹?誰が妹だ?」
晴香「私よ、私」
聖「ほう、君には姉がいたのか」
晴香「姉じゃなくって兄なんだけど…」
栞「お兄ちゃんですか?なるほど、祐一さんと通じ合うわけですね」
晴香「はあ?どういうこと?」
栞「祐一さん、私と会った時に“俺のことお兄ちゃんと呼んでいいぞ”なんて言ってましたから」
晴香「それは関係ないと思うけど…」
聖「どういうつもりでそんな風に呼んでいいぞと言ったんだ…」
往人「っていうか、通じ合ってたのか?」
晴香「単に意見が合っただけよ」
往人「意見?どんな意見だ?」
晴香「神奈とあゆっているじゃない?あの二人を見てると由衣と似てるなって思うのよ」
聖「由衣とはたしか、佳乃と喜んで写真に写った子だな」
栞「写真なんて撮ったんですか?」
聖「ああ。その子がカメラを持ってきていたからな」
栞「へええ、用意周到ですね。私も見習わなければ」
往人「見習うのかよ…。で、なんで似てるんだ?」
晴香「貧乳だからね」
往人「…直球だな、お前」
聖「女性だから言ってもまだ許されるかもしれないが…」
栞「でも祐一さんも賛同したんですよね…あんまりです…」
晴香「私は事実を言っただけなんだけど」
栞「あゆさんも神奈さんも、たしかに私よりも胸は小さいですけど…」
往人「お前までそういうこと言うなって」
聖「狂った映像が作られるくらいだ、無理もない」
晴香「狂った映像?」
往人「楽屋的なこと言うなよ…」
聖「ちなみに私は…言うまでもないがな」
晴香「…ま、いいわ。四行やるわね」
「思い出したくもないけど…」
「FARGOの部屋はどこも酷いものだったわ」
「で、それよりもっと気になるのは…」
「どういう空間を経て私はここにいるの?」
晴香「佳乃の魔法だなんて事だけで納得していいものじゃないでしょ?」
聖「納得しておきなさい。医者からの警告だ」
栞「警告なんですね…」
晴香「凄い圧力ね…」
往人「まあ、聖にとっちゃあ佳乃は目に入れても痛くない存在だしな」
聖「そういうことだ」
晴香「そんな問題で済ませていいことじゃないと思うんだけど…」
繭「みゅーっ」
栞「あ、始めまして。みゅーっさんですね」
繭「ちがう…」
栞「違うんですか?でも私は佳乃さんから…」
往人「あいつの言うことを素直に信じるなよ…」
ぼかっ
往人「いてっ!」
聖「佳乃が嘘をついているとでも言うのか?」
晴香「嘘っていう以前にそんな名前を名前だと信じる方もどうかしてるわよ」
栞「ひどいです…そんな事言う人嫌いです…」
晴香「あのねえ、まじめに言ってるの?それ」
栞「うう…あんまりです…」
繭「みゅー…」
聖「みゅーっが困っているぞ。早く四行に移ってもらったらどうだ」
往人「お前な…。えーと繭、空間について四行だ」
ぼかっ
往人「いてっ!」
聖「みゅーっだろう?」
往人「…みゅーっ、四行だ」
繭「みゅ、みゅー(ふるふる)」
晴香「弱弱しい否定ねえ…」
栞「だってみゅーっさんですから」
繭「うー…」
「みゅーっ…ちがう…」
「しいな…まゆ…」
「ここ、いやな…ばしょ…」
「みゅーっ」
繭「みゅーみゅー」
栞「みゅーっさん。ちゃんと最後までいないとだめですよ」
聖「まるで注射を嫌がる子供だな、みゅーっは」
往人「ひどいことになってるな…どこぞのうぐぅみたいじゃないか…」
繭「みゅーっ!」
晴香「…こうなったら由衣のネーミングも考えてみようかしら」
往人「お前な…」
晴香「あ、でも貧乳ってのがあったわね。なんだ、考える必要ないじゃない」
往人「おい…」
聖「まとまったか、では終わるとしよう。茶でもどうだ」
栞「診察室でいいんですか?しかもこんなに大勢…」
聖「構わない。みゅーっは佳乃のお気に入りだしな」
繭「みゅーっ!みゅーっ!」
晴香「大変ねぇ、あんたも」
往人「先行き不安だな…聖までこんな事を言い出すようになっては…」
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