『AIR偽小説第七十三弾』

懲りずに第七十三弾です。
自分の中では特別編。
いやあ、やっぱ言葉はちゃんと意味を知って使わないといけませんね。
この場で言ってもあんまり説得力が無いですが(爆)


『5行小説』

★美凪
「こんにちは、遠野美凪です」
「今回は無理を言って司会をやらせてもらいました」
「何故なら謝罪しなければならないからです」
「神奈ちんとみさきちんに大食漢と申し上げましたが…」
「この言葉は男性を指します。慎んでお詫びします…」

神奈「そうだったのか?」
みさき「それは気付かなかったね」
美凪「はい、本当に申し訳ありませんでした」
神奈「ところで…みさき殿はどこで言われたのだ?」
みさき「楽屋的内容だから明かせないよ」
神奈「そうなのか…」
美凪「とにかく。“大食漢”から“大食らい”と訂正させていただきます」
神奈・みさき「………」
美凪「どうされました」
神奈「もう少し別の表現はないものかの?」
みさき「うー、私はただ食べるのが好きなだけなのに…」
あゆ「だからそれって大食らいなんじゃ…」
みさき「私を食べようとしたあゆちゃんにそんな事言われたくないよ」
あゆ「うぐぅ、結局楽屋的な事言ってる…」
神奈「…あゆ殿、みさき殿は食べ物ではないぞ?」
あゆ「うぐぅ!そんなのわかってるよ!」
美凪「存じませんでした。たい焼きだけでは飽き足らず…」
あゆ「うぐぅ!だからあれは事故だって!!」
みさき「仕返しとして、あゆちゃんにご馳走をねだるね」
あゆ「うぐぅ、それってどういう事なの…」
みさき「だって私は食べられるのは好きじゃないからね」
あゆ「だからそんなの理由になってないよ!」
みさき「冗談だよ」
あゆ「うぐぅ…」
美凪「さて、食うか食われるかの生存競争はまた今度にして、5行をやりましょう」
神奈「今度にしてよいものかの…。もっとも、平和が一番だが」
みさき「じゃあ平和に食べ物について五行だね」
美凪「…それはまた今度に」
みさき「残念だよ…」
あゆ「えっと…五行はいいけどテーマは何かな?」
美凪「冒頭で私がお詫びしましたので…謝罪、という事で」
神奈「余は謝るような事などしておらぬぞ」
美凪「神奈ちん、嘘はいけませんよ」
神奈「余は嘘などついておらぬ!」
あゆ「ま、まあまあ」
みさき「うー、食べ物についてなら誰でも気軽にやれるのに…」
美凪「まずは月宮さん、どうぞ」
あゆ「…ねえ美凪さん」
美凪「はい?」
あゆ「ボクの名前、一定してくれないかな?3つか4つくらい呼び名があるのも…」
美凪「気分によって変えたいのです。月宮さん、あゆさん、あゆちん、あゆりん…駄目ですか?」
あゆ「…まあその程度だったらいいけど」
神奈「あゆ殿はうぐぅ…ちんと呼ばれるのを恐れておるのだな」
あゆ「…神奈ちゃん、今うぐぅ殿とか言おうとしたでしょ」
神奈「し、しておらぬ!しておらぬぞ!」
あゆ「後で五行で謝ってね」
神奈「う…」
みさき「良かったね、謝る材料ができたよ」
神奈「良くないのだが…」
美凪「話がそれましたが、あゆさんどうぞ」
あゆ「うん…って、また呼び方変わってる…さっきは月宮さんだったのに…」

★あゆ
「たい焼きやのおじさん」
「今まで食い逃げしちゃったりしてごめんなさい」
「でもちゃんとお金は払ったからね」
「だから許してね」

美凪「…あゆさん、失格です」
あゆ「なんで失格なの…」
美凪「だって、あゆりんの商売は食い逃げ…」
あゆ「うぐぅ!だから違うって!!」
みさき「食い逃げを商売にしてるなんていい度胸してるね。負けたよ」
あゆ「うぐぅ〜、みさきちゃん信じちゃ駄目だよぅ〜」
神奈「食い逃げ商売とはなんだ?」
美凪「人様のものを盗って食ってはいさようなら、です」
神奈「…それは商売なのか?」
あゆ「だから違うって!美凪ちゃんいいかげんにしてよ!!」
美凪「…わかりました。でも失格です」
あゆ「うぐぅ、何が失格なの…」
美凪「月宮さんは5行をやっていません。だから失格、です」
あゆ「あっ…う、うぐぅ、ごめんなさい」
みさき「あゆちゃんってよく謝るよね…」
神奈「そんなに悪者でも無いと思うがの…」
あゆ「うぐぅ…」
美凪「さて、次は神奈ちんの番です」
神奈「余か?しかし謝る内容は…あったの。では参るぞ」
みさき「失格したら私に食べ物をご馳走してね」
神奈「………」
みさき「冗談だよ」

★神奈
「何故に余の立場がここまで弱いのか…余は悲しくなってきたぞ」
「しかしあゆ殿は更に弱くも見える…」
「そんなあゆ殿にうぐぅ殿などと言おうとしてしまった事は許されるものではない」
「あゆ殿、済まぬ…」
「これで良いかの?」

美凪「神奈ちん、合格です」
みさき「やったね。これでご馳走だね」
神奈「な!?」
みさき「冗談だよ」
神奈「………」
あゆ「みさきちゃん、ちょっとは食べ物から離れようよ」
みさき「ここに来る時はいつもお腹が空いてるんだよ」
美凪「そんなみさきちんはやっぱり大食らい」
みさき「うー、だからもうちょっと他に呼び方考えてよ」
美凪「では…大食短命」
みさき「…いくら私でもそれは怒るよ?」
美凪「失礼しました。では…退職金」
みさき「それはなんだか違ってない?」
美凪「同音異義語で絡めてみました」
みさき「うー、ひどいよ…」
美凪「では…食通でどうでしょう?」
みさき「いいね、それいただきだよ」
美凪「無事決まりましたね、ぱちぱちぱち」
神奈「…のぅ、食通とはなんだ?」
美凪「食に通じる…いわば名人さんです」
神奈「名人…いい響きだの。余も気に入ったぞ」
みさき「美凪ちゃん、センスいいね」
美凪「いえいえ」
あゆ「うぐぅ、どうして大食が食通になるの…」
みさき「細かい事を気にしちゃ駄目だよ」
神奈「そうだぞあゆ殿」
あゆ「うぐぅ…」
美凪「ではみさきちん、5行をお願いします」
みさき「あ、うん、分かったよ」

★みさき
「謝らなければいけないこと…そうそう、食堂でこんな事があったんだよ」
「浩平君と一緒にお昼を食べてたらね、浩平君の背中に澪ちゃんがうどんをこぼしちゃったんだ」
「その時は澪ちゃんは何度も頭を下げてたって浩平君言ってたっけ…」
「申し訳ないと逆に思ってしまうほどだったんだって」
「だから…あんまり度を過ぎて謝るのもよくないよ」

美凪「そうですね…」
あゆ「…ねえ、結局みさきちゃんが謝罪する事は無いって事?」
みさき「過去にたくさん謝ってきたから…それについては終わってるよ」
神奈「しかしみさき殿、招いた時にかなり傍若無人ぶりを発揮せなんだか?」
みさき「記憶に無いよ」
あゆ「うぐぅ…」
神奈「卑怯であるの…」
みさき「冗談だよ。迷惑してたならごめんね、謝るよ」
あゆ「うわ、す、素直だね…」
神奈「ふむ…さすがはみさき殿であるな」
みさき「そう言われると照れるよ。さて、次はご馳走だね」
あゆ「まだご馳走の事考えてたんだ…」
神奈「謝ってもそういう所は変わらぬの…」
美凪「御心配なく。こんな事もあろうかとお弁当を持ってまいりました」
どどどん
あゆ「うぐぅ、おっきい…」
みさき「うわあ!いいの!?」
美凪「はい。約10人分あります。遠慮無く召し上がれ」
神奈「十人分とな…そんなに食べきれるのか?」
美凪「はい。みさきちんが8人分はぺろりです」
神奈「そ、そうなのか…」
みさき「嬉しいよ。ありがとう」
あゆ「じゃあ早速食べよう」
美凪「仲良く皆でお食事会、です…」

<ぱくぱくぱく食通>


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