懲りずに第二百三十五弾です。
★瑞佳
名雪「うんうん、神秘的だねっ」
★名雪
瑞佳「そっか、雪国かぁ」
★雪見
瑞佳「えっ、と……何てコメントしよう……」
★有紀寧
雪見「はあ……」
★ボタン
雪見「ほうほう、なるほどね」
★ユズハ
雪見「ふむ、これは戦場の話ね」
<白い屍が……>
サウンド企画って、ゲーム内容をそれなりに覚えていてやるべきでしょうねぇ。
個々人のテーマ曲はともかく、他の曲ってどこで使われたとかがわからん。
まぁ……そんなの気にせず書いていけばいんでしょうけど。
『4行小説』
「またまた間が空いたけど、サウンドタイトル企画。今回は、雪のように白くだよ」
「しんしんと降り積もる雪を想像してみてね」
「町を、世界を白く染め上げてゆく様は……」
「なかなかに神秘的なものだよ」
瑞佳「随分とご機嫌な声だね」
名雪「だって、わたしの名前にも雪は使われてるしね」
瑞佳「そっか。自分に近いイメージがあるんだよね」
名雪「つまりはわたしのテーマってことだよっ」
瑞佳「いや、違うでしょ」
名雪「うー、瑞佳意地悪だよ」
瑞佳「意地悪も何も、名雪はそもそも居ないでしょ?」
名雪「うー」
瑞佳「えっと、機嫌直して四行やってよ、ね?」
名雪「……しょうがないなぁ、わかったよ」
「うちの方は、降り積もった後の雪をよく目にしたかな」
「雪国だからね。一晩で積もるなんてよくある話なんだよ」
「朝に見る町が白いのは、異世界に迷い込んだ錯覚を覚えるよ」
「雪の力って凄いんだね」
名雪「うん」
瑞佳「異世界に迷い込んだ、っていいたとえだね」
瑞佳「なんだか、とっても身近に感じるよ……」
瑞佳「その異世界が……」
名雪「瑞佳?」
瑞佳「……あ、う、うん、何?」
名雪「ぼーっとしちゃってどうしたの?」
瑞佳「ううん、何でも。ちゃんとぼーっとしてない状態になったから大丈夫だよ」
名雪「目がうつろだった気がするんだけど……風邪?」
瑞佳「熱はないから大丈夫っ。さてと、それじゃあお客さんを招くよ〜」
雪見「ふふん、雪っていうからにはわたしが居て当然よね」
瑞佳「なんだか自信満々な深山雪見先輩だよ」
名雪「そっか、わたしと同じで名前に雪がついてるんだね」
雪見「そうよ。今回は雪まつりになるわね、間違いないわ」
瑞佳「とりあえず先輩、どうぞ」
雪見「おっけ」
「雪のように白く……」
「透き通るような肌が、白く染められてゆく……」
「血の通ったはずの腕は、徐々にその力を失ってゆき……」
「やがて、彼女は残された力を振り絞って叫んだ。“最後まで、愛していたから”と……」
名雪「何かの劇ですか?」
雪見「今度やろうと思ってる話の一つよ。でもありきたりなのよね……」
瑞佳「はあ、そうですか」
雪見「だってね、今にも死にそうな女性の愛の告白なんて」
雪見「よく使われるシチュエーションじゃない」
名雪「けど、雪のように白く……ん?」
名雪「なんだかおかしいよ、今の四行」
瑞佳「何が?」
名雪「だって、透き通る肌がなんで白くなってゆくの」
瑞佳「そりゃ、血が通わなくなったら白く……」
瑞佳「あれ、血が通ってたら透き通らない……いやいや、これは表現の一つでしょ」
名雪「白く染められてゆくって事は、元は透明だと思うんだけど」
瑞佳「え……そういうこと、ですか? 深山先輩」
雪見「ああーもうやっぱやめた。別の話にするわ。次呼んでよ」
瑞佳「いや、あのですね」
名雪「わたし達の疑問を……」
雪見「過ぎたことをぐだぐだ言わないの。ほら早く」
瑞佳「は、はいっ。それじゃあ次の方いらっしゃいませ〜」
有紀寧「こんにちは〜」
瑞佳「おっとりさんの宮沢有紀寧さんだよ。初めまして」
有紀寧「初めまして〜。よろしくお願いします」
雪見「ん? 名前に雪、はついてないわね。読みだけ?」
瑞佳「そうです」
名雪「あれっ、もしかしてもうそろそろネタ切れなの?」
瑞佳「そろそろも何も、名前に雪を持ってる人なんてほとんどいないから」
雪見「ええ〜!? がくっ、終わったわ、何もかも……」
有紀寧「あの〜。何だかわかりませんが、元気を出してください」
有紀寧「元気が出るおまじないをしてみましょうか?」
瑞佳「宮沢さん、それより先に四行やってね」
有紀寧「はいっ、そうでしたね〜」
雪見「折角、ここでもっといい案が出てくると思ったのに……」
「雪って不思議なものですよね」
「ただ大地に降り積もるだけではなく」
「何らかの意志を、願いを伴って天より舞い降りているように見えます」
「根拠としては、覆い尽くし世界を変えてしまうほどの量と質をもっているからです」
名雪「わ、深山さんまだ落ち込んでる」
瑞佳「もう、折角宮沢さんがいいこと言ってるのに……」
有紀寧「いえ、それほどでも」
名雪「願いを伴って、って神秘的だよ」
瑞佳「うん。それに、世界を変えてしまうって……」
有紀寧「ただ、真っ白な世界に、という意味合いだったんですけどね」
瑞佳「それでも、そういう発想にはなかなかなれないよ」
名雪「願い……どんな願いかな」
有紀寧「そうですね〜。雪の後は、きっと昆虫が脱皮するように」
有紀寧「町が一皮剥けた……」
雪見「雪が皮ってこと!? ふむふむ、その発想はなかったわね……」
名雪「わ、深山さん復活した」
瑞佳「この人の頭の中はもうちょっと他に余裕があっていいと思うんだけど」
有紀寧「でも、元気になられたようで何よりです」
瑞佳「じゃ、じゃあ次のお客さんどうぞ〜」
ボタン「ぷひ」
名雪「わわわっ、何この子。可愛いよ〜」
瑞佳「うりんこのボタンちゃんだよ」
有紀寧「たしかこの子は……藤林杏さんのペットですね」
ボタン「ぷひ」
名雪「ペット? へえ〜、どういう経緯でペットになったんだろ」
名雪「うりーうりーうりー」
ボタン「ぷひーぷひー」
瑞佳「名雪、何そのうりーうりーって」
名雪「猫さんはねこーねこー。うりんこさんだから、二文字とってうりーうりー」
瑞佳「なんか、指とかでいじってるみたいに聞こえるよ……」
名雪「うりーうりー」
ボタン「ぷひーぷひー」
瑞佳「聞いちゃいない……」
雪見「……よしっ、まとまったわ。さてと、次のゲストの四行はまだかしら?」
瑞佳「深山先輩も深山先輩で……」
瑞佳「えっと、ボタンちゃん。四行やってくれるかな」
ボタン「ぷひ!」
「ぷひ〜、ぷひ〜」
「ぷひ……ぷひ……」
「ぷ……」
「ぷひー!」
有紀寧「えっと、今ので何かわかったんでしょうか」
瑞佳「わかったんじゃないかな……わたしにはわからなかったけど」
名雪「うりーうりー」
ボタン「ぷひーぷひー」
瑞佳「名雪はこんな調子だから聞けないし」
有紀寧「でも、ボタンさんもまんざらじゃないようですね」
ボタン「ぷひ……」
瑞佳「たしかに幸せ心地っぽいけど……」
有紀寧「幸せならいいことです」
雪見「そうそう」
瑞佳「……」
雪見「そいや、なんでボタンなの?」
有紀寧「ボタン雪、ですね」
雪見「へえ、なるほどね」
雪見「って、ホントネタ切れっぽい気がしてきたわね……」
瑞佳「うう〜、もういいじゃないですか」
瑞佳「えっと、最後のゲストさん呼ぼうかな。どうぞ〜」
ユズハ「こんにちは」
瑞佳「ユズハちゃんだよ」
雪見「あらっ、たしかみさきが言っていたわね。目が見えない子が他にもいたんだよ、って」
雪見「当然のように仲良くなって魔法も伝授してみた、とか迷惑そうなことも一緒に」
ユズハ「……ハイ」
有紀寧「魔法?」
瑞佳「有紀寧ちゃんやボタンちゃんを連れてくるために必要な力のことだよ」
瑞佳「ま、誰が使えるとかはあまり気にしてないんだけどね」
有紀寧「はあ」
瑞佳「じゃあユズハちゃん。最後の四行お願いするね」
ユズハ「ハイ」
「先にも申しましたが、ユズハは目が見えません」
「従って、雪がどのように白いのか、それは計りかねますが……」
「ただ、雪は何もかもを白く染め上げて流してくれる、優しいものだと聞きます」
「とても、優しい……」
ユズハ「おわかりになるんですか?」
雪見「そういう歌劇もやったからねぇ」
有紀寧「歌劇……歌ったりされるんですか?」
雪見「ああ、わたしは脚本が主だったからそういうのはしてないけど」
瑞佳「っていうか深山先輩、劇と名のつくものなら何でもやりそうですね」
雪見「まぁね。さてと、この優しい雪ってのも含めよっか♪」
ユズハ「なんだか、とてもゴキゲンですね」
瑞佳「いい劇の材料になって喜んでるんだよ」
ユズハ「そうなんですか?」
有紀寧「ところで、何故ユズハさんなのかと思ったのですが……」
有紀寧「名前に、雪の“ユ”が含まれているからですか?」
瑞佳「ぎくっ」
有紀寧「なるほど〜」
ユズハ「……? 何の話ですか?」
瑞佳「ああー、な、なんでもないの。さ、終わろ終わろ」
名雪「うりーうりー」
ボタン「ぷひーぷひー」
瑞佳「ってそっちの二人はいつまでやってるんだよ!」
雪見「ふーん。さて長森さん」
瑞佳「な、何ですか」
雪見「終わったあとにちょっとお話しましょ。二人だけでね」
瑞佳「うわあ、なんでわたしが先輩にゲスト呼びについて文句をつけられなきゃいけないんですかー」
雪見「あら、話の内容よく心得てるじゃない。手間が省けていいわ」
瑞佳「わわわわーっ」
雪見「ほらほら、早くこっちに来なさい」
瑞佳「うわーん、こんなの理不尽だよー。名雪ー」
名雪「うりーうりー」
ボタン「ぷひーぷひー」
有紀寧「えっと、終わり……でいいんでしょうか」
ユズハ「そう、みたいですね」
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