懲りずに第二百三十三弾です。
★柳也
美汐「なるほど、それゆえアシスタントは私というわけですか」
★美汐
智代「なるほど、園芸部か」
★智代
美汐「今更ですね」
★留美
智代「奇遇だな。私も、女の子らしいという事にこだわりを持っているぞ」
★友里
留美「なんか投げやりな自己紹介ね……」
★アルルゥ
智代「友達が多いのか。それはいいことだな」
<フラグはありません>
初参入シリーズもそろそろ終わりです。
というよりかは、すべてやろうとするとキリがないのでひとまずということで。
むしろ、別シリーズを早くやろうかなってな感じです。
そんなことより……いや、まぁいっか。
『4行小説』
「柳也だ」
「神奈の護衛……いや、忠実なる……何なんだろうな」
「信に深い間柄だというのは間違いないだろう」
「だが、もう少し穏やかにこの場がならんものかと憂う一人であるのは間違いない」
柳也「何がなるほどかはわからんが、よろしく頼むぞ」
美汐「……わかっています」
美汐「ゲスト様次第ですけどね」
柳也「不安だな……」
柳也「えーとだな、最初に特別の客人だ」
柳也「初回が姉弟同盟の会に巻き込まれたってことで、改めて招いてみるぞ」
智代「坂上智代だ」
智代「まったく、私は忙しいんだぞ?」
柳也「そう言うな。ちゃんと挨拶くらいはしておきたいだろう」
智代「分かったから早く済ませてくれ」
美汐「……随分と偉そうですね」
柳也「とりあえず美汐からだな」
美汐「……わかりました」
「天野美汐です」
「園芸部に所属しています」
「乙女というものは難しいことを直に説くために……」
「苦労は若いうちにしないといけませんね」
柳也「……そうだったのか?」
美汐「昔出身の柳也さんになぜつっこまなければならないのでしょう」
留美「っていうかあんたデタラメ言ってんじゃないってーの」
柳也「そういうお前も勝手に出てくるな」
留美「嘘をつくような輩に比べればましでしょ」
美汐「ただの冗談ですよ」
美汐「どこかの自称乙女さんがわざわざ飛び出してきそうなトラップです」
留美「あんた喧嘩売ってるわけ? だったら容赦しないわよ……」
智代「こら。私の前で喧嘩なんて許さないぞ」
柳也「いい入りだ。こういうのは助かる」
智代「お前も。黙って見てないで仲裁くらいしろ」
柳也「申し訳ない……」
柳也「……うーん、なんだかまた厄介そうな奴が加わった気がするな」
智代「何か言ったか?」
柳也「いや……」
美汐「私達はスルーされていますね……」
留美「はぁ……ま、喧嘩がよくないってのはわかるけど」
留美「原因はこの美汐よ」
美汐「七瀬さんは自覚というものが無いのでしょうか」
美汐「その存在だけで私を威嚇し続けているというのに」
留美「なんですってぇ……」
智代「やめろと言っているだろう」
柳也「そうだ。先に智代の四行だ。それを聞いてから話に入れ」
美汐「ふう……わかりました」
留美「いやその前に、訂正しなさいよ。園芸部なんてあんた入ってないでしょ?」
美汐「……訂正します、入っていません」
美汐「これでいいですか」
留美「ええ。……って、なんとなく誰かを思い出すわね」
美汐「そんな気のせいな事はないでしょう」
留美「どういう事よ……」
柳也「もういいかげんにしてくれ……」
「坂上智代だ」
「生徒会長を務めている身でつい仲裁などと言ってしまったが……」
「まったく、妙な厄介ごとに巻き込まれたもんだな」
「喧嘩の話ではない。こういう場に招かれたことだ」
留美「ええ、今更ね」
智代「そんな言葉をはくのに妙に団結力があるな」
美汐「集団の力は説得力があります」
留美「こうやって二人揃って言ってあげるだけでも、諦めがつくってもんでしょ」
智代「やれやれ、諦めか……」
柳也「進行役の俺の立場が無い気がするんだが」
智代「ところで、自己紹介がまだ終わってない気がするが」
柳也「ああ、先にやっておいたほうがいいか。留美」
留美「そうね」
「七瀬留美よ」
「乙女とはどういうものかを懸命に追い求めているわ」
「満足という域に達するのは難しいけど……」
「昔は剣道部に所属してたけどね」
留美「本当? ふふ、あたし達いい友達になれそうね」
美汐「乙女と女の子らしいというのはそこまで近いのでしょうか」
柳也「当人同士が近いって言ってるんだからいいんじゃないのか」
智代「そこ。いい関係が築けそうだというのに茶化すな」
留美「そうよ。智代とあたしはもう乙女同盟を結成するんだからね」
智代「なんだその乙女同盟というのは」
留美「名前の通りよ」
智代「別に構わないが、私は忙しい身だからな……」
留美「心配しないで。生徒会活動にも是非貢献するから」
智代「どうやって」
留美「言うまでもないけど、女の子はこの界隈では非常に人数が多いわ」
智代「そうなのか?」
留美「ええ。その中でも乙女な人の意見を生徒会活動に取り入れる……」
留美「なかなかいい案が出ること間違いなしよ」
智代「生徒会として意見を聞くというのはいいと思うが、乙女がいい意見というのは……」
留美「まぁまぁ。要は取り入れ方次第ってことよ」
智代「……」
智代「だったら、乙女同盟とやらはひとまず保留にしておいてほしい」
智代「私自身、生徒会を中心に動きたいからな」
留美「そ、ならしょうがないわね」
美汐「乙女同盟って……なんでも同盟にすればいいってものではないと思いますが」
友里「最近は同盟ブームなんじゃないかしらね」
柳也「お前また……」
友里「いいじゃない。ね、アルルゥ」
アルルゥ「ん」
柳也「ぐあ……はあ、もういい」
智代「また初対面の人物だな」
留美「司会が呼んで登場って法則がなくなりつつあるわね」
柳也「ま、別にいいんだがな。初対面の場合は自己紹介くらいしかすることがないだろう」
柳也「と、往人も言っていたし」
留美「そんなのでいいのかしら」
美汐「それはそれとして、同盟ブーム、ですか」
友里「ええ。ついさっきこの子、アルルゥも……」
アルルゥ「四行」
友里「え?」
柳也「そうか、先に四行すべきだよな。というわけで二人とも頼むぞ」
友里「ああ、はいはい」
「名倉友里よ」
「なんつうかね、この場にいるのが不思議な存在ね」
「ああいや、別世界からという点じゃなくてね」
「ええと、由依の姉よ」
友里「あんまり話すこともないのよ」
美汐「更に言うと、由依さんの名前を出しても、お会いしていないとわかりませんが」
友里「あれっ、アルルゥはまだ会ってないんだっけ?」
アルルゥ「会ってる」
友里「なら大丈夫じゃない」
柳也「いや、アルルゥじゃなくて智代だが」
智代「会っていないぞ」
友里「じゃ、次会ったら覚えておいてよ」
智代「そういう問題だろうか」
智代「では一つ尋ねてみよう。何かやっていたことは無いのか?」
友里「自己紹介の続きってこと?」
智代「そのつもりだが」
友里「FARGOに入って……」
友里「ごめん、やっぱ伏せといて」
智代「……そうか。言いたくなかったことを言わせているようですまない」
友里「いやいや、知らないとどうしようもないし」
柳也「ところで、そこのアルルゥはなんでお前に懐いてるんだ」
アルルゥ「……?」
友里「何が?」
柳也「ほら、足にしがみついているだろう」
柳也「随分人見知りをすると、たしかそいつの姉から聞いたぞ」
友里「えーっとね……ま、先にアルルゥの四行しちゃってよ」
「アルルゥ」
「カミュちー、ユズっち、ムックル、ガチャタラ……」
「みんなみんな、ともだち」
「けど、おねえちゃん、こわい」
留美「人見知りするって言ってたその姉を恐がってるんじゃないの?」
柳也「けどここにはいないぞ」
友里「恐がってはいるけど、おねえちゃんのこと大好きよね?」
アルルゥ「うん」
美汐「推察するに……友里さんは、由依さんの、姉、という立場です」
友里「そうね」
美汐「そして、アルルゥさんにも、お姉さんが居ます」
美汐「恐がってはいるけど、お姉さんが好き。だからでしょう。友里さんは実の姉ではありませんがね」
美汐「姉、という立場なりの優しさを感じたのでしょう」
友里「へえ……。ややこしいけど、そういう事?」
アルルゥ「……ん」
智代「これはまた面白いつながりだな」
留美「ふーん。姉つながりねぇ」
柳也「ちなみに、俺はアルルゥの目にはどう見える?」
アルルゥ「……ボロボロ」
柳也「喧嘩売ってんのかお前は」
アルルゥ「おとーさん……じゃない」
柳也「はあ……もういい」
留美「っていうか当たり前でしょ。おとうさんじゃないって」
柳也「実際、アルルゥにはハクオロっていう父代わりの存在がいるんだよ」
留美「へえ。ああ、それに似てはいないってことね」
柳也「そういう事だ」
美汐「現実は厳しいですね」
柳也「わざわざそういう事言うな」
友里「話を戻すんだけど、私が姉っていう事について」
友里「智代」
智代「うん、なんだ」
友里「あなた、確か姉よね。弟いるんでしょ」
智代「そうだが」
友里「姉同盟ってのを作らないかって話が挙がってるのよ」
智代「そりゃあ、姉弟同盟なんてのがあるくらいだ。できなくはないと思うが……」
美汐「発端は遠野さんですか」
友里「よくわかったわね」
留美「姉妹同盟もあの子が作ったんでしょ」
友里「そうよ。ただ姉妹を集めたってだけなんだけど……」
友里「今度は、姉だけを集める同盟も発足させるらしいわ」
柳也「もしかして、妹だけのそういうのも作ったりするのか」
友里「察しがいいわねぇ。アルルゥもそれに加わるのよ」
アルルゥ「ん?」
友里「妹同盟。あんたの友達の、カミュちゃんやユズハちゃんも同じ妹でしょ」
友里「だから一緒に何かできるかもね」
アルルゥ「おー」
友里「で、智代。貴方も私と一緒に姉同盟にどう? って」
留美「なんだ、勧誘だったのね」
友里「勧誘しろって言われてただけなんだけどね……」
美汐「やはり根源は遠野さんですか」
友里「一緒に、聖さんからもね」
柳也「なるほどな」
智代「さっきも同盟がどうたらという話を聞いたが……」
智代「その同盟という存在にはどういう意味があるんだ?」
友里「さぁねえ。話のタネ、という事が一番近いわね」
智代「話の種……」
友里「生徒会の参考には多少はなるんじゃないかしら」
友里「何かの共通点で仲間を結束させるという事とかね」
智代「ま、一理あるかもな」
柳也「ふむ、アルルゥは妹同盟、智代と友里は姉同盟」
柳也「美汐と留美は何同盟になるんだ?」
留美「おばさん同盟でしょ、美汐は」
美汐「乙女を永遠に追い続けるだけの孤独同盟の七瀬さんに言われたくはありませんが」
留美「なんですってえ!?」
アルルゥ「長い」
柳也「そうだな、確かに同盟名が長すぎるな」
留美「そういう問題じゃないっ!」
友里「ま、別に拘束して何するってわけでもないからさ、考えておいてよ智代」
智代「やれやれ、仕方が無いな」
智代「だが、負の面が特に見えないし、前向きな姿勢は評価できる」
智代「折角の機会だ、喜んで参加させてもらうとしよう」
友里「ふふ、ありがと」
柳也「まぁここらで十分か。終わりにするぞー」
アルルゥ「おー」
友里「じゃあ後でよろしくね、智代」
智代「ああ、こちらこそ」
美汐「七瀬さん、あまり怒っていると残り少ない乙女指数が消滅してしまいますよ」
留美「そんなもんないっ! つーか怒ってるの誰のせいよ!」
柳也「毎度毎度最後まで騒がしいな、まったく……」
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