懲りずに第二百三十一弾です。
★裏葉
久瀬「貴方の四行は自己紹介になっているのですか?」
★久瀬
幸村「名字、というのは気になりますかな」
★幸村
裏葉「そうでございますか?」
★サクヤ
裏葉「サクヤさま」
<そのままに……>
相関図なんてないのかとか質問されました。
ええ、あると実にいいですねぇ。
書く時に困りません、色々と。
とはいえ、200以上を読み返して作るというのはある意味努力が……
というわけで、多分できないのでしょう(爆)
『4行小説』
「裏葉にございます」
「私の生きがいとは神奈さま、神奈さまにございます」
「すべては神奈さまのために、私は存在するのです」
「何故に、神奈さまはこの場にいらっしゃりませぬか……」
裏葉「何を申されますか。裏葉は哀しゅうございます」
久瀬「そうですか……。ところで、恐縮なのですが……」
裏葉「何でございますか」
久瀬「あの、僕がアシスタントなどやってよろしいので?」
裏葉「仕方ありませぬ。残り物に贅沢など申しておれませぬゆえ」
久瀬「残り物って貴方ね……」
裏葉「いつまでも嘆いてはおれませぬ。此度の特別なる客人を招くとしましょう」
久瀬「マイペースですね、まったく」
裏葉「幸村俊夫さま、にございまする」
幸村「これはどうも」
久瀬「ず、随分お年を召した方がゲストなんですね」
裏葉「ええ。もう教職を退職されようかという御歳にあらせられます」
裏葉「ですよね、俊夫さま」
幸村「……ええ」
久瀬「なるほど。これは敬うべき先生ですね」
幸村「ですが……」
裏葉「はい?」
幸村「俊夫さま、というのは……」
幸村「……少々……照れますな」
裏葉「うふふふ、それが私の呼び方ゆえ、我慢してくださいませ」
幸村「……そうですか」
久瀬「うーむ、お歳が随分な分、喋り方ものんびりですね」
裏葉「久瀬さま」
久瀬「な、何ですか?」
裏葉「此度は久瀬さま、そして俊夫さまのみの四行といたします」
裏葉「そう、進行役権限として」
久瀬「それはまたどうして……」
裏葉「うふふふ」
久瀬「……」
「久瀬、です」
「えー、生徒会長を務めさせていただいております」
「生徒会に倉田さんの協力を得るため、日夜努力を重ねております」
「それは、名字表記という立場の改善のためでもあるのです」
久瀬「ええ。幸村先生も名字表記ですが……はっ!」
久瀬「裏葉さん」
裏葉「なんでございましょう」
久瀬「もしかして残りのゲストは……」
裏葉「うふふふ。それでは残りを招くといたしましょう」
高槻「くっそう……また連れてきやがって……」
南「こんにちは」
久瀬「貴方は……って、南君まで」
久瀬「やはり、名字表記の方々をゲストにしたわけですね……」
裏葉「俊夫さまは、色んな方のご指導をなさってこられたとのこと」
裏葉「そう、高校生活という人生を踏み外さないよう……」
裏葉「此度は、それを考慮しての事にございます」
久瀬「なるほど、それは立派に教鞭を振るってこられたようですね……」
久瀬「って! 僕達は問題児ではありません!」
南「俺もそうですよ!」
高槻「そもそも俺を問題児扱いするために呼んでんじゃねー!」
裏葉「名字表記同盟という名をもってして、狼藉をはたらいているのは裏葉の耳にも入っておりまする」
裏葉「護さまが、特別な客人の妹気味に対して誘拐未遂したとか」
南「護……って住井が!?」
高槻「つーか未遂なら、無罪放免じゃねーか」
久瀬「いえそもそも、僕達には関係無い事ではないですか!」
久瀬「力ずくで、狼藉を働いてまでの名字表記同盟ではありません!」
久瀬「そう、僕は生徒会に働きかけ、正規に扱いの悪さを脱しようとしているのですから!」
裏葉「……なるほど」
裏葉「斯様な物言いにございますが、俊夫さまはどのようにお考えですか?」
幸村「……」
幸村「……久瀬」
久瀬「はいっ」
幸村「生徒会なら……坂上という子に話を聞いてみるといい」
久瀬「坂上……?」
幸村「我が校で生徒会長をしているので、参考になるでしょう」
久瀬「なるほど……」
久瀬「ありがとうございます。是非、うかがわせていただきます」
南「あっ、久瀬先輩。俺も連れていってくださいっ」
久瀬「いえ。ここは僕一人で頑張らせてもらうとしましょう」
南「何故ですか?」
久瀬「倉田さんを引き込む案を作るきっかけも考える必要があります」
久瀬「ならば、まずは僕自らが動いて示しをつけるのが筋というものです」
南「なるほど……よろしくお願いします」
久瀬「ええ、任せておいてください」
裏葉「ふむ、志は歪んでおらぬようでございますね」
裏葉「ならばもう構いませぬ。お二人でこの場は退散されるのがよいです」
南「いいんですか?」
久瀬「僕はアシスタントなのですが」
裏葉「すぐにでも参りたい一心にございましょう」
裏葉「ならば、私にはあえて引き留める理由もございませぬ」
裏葉「決して、後の台詞回しが面倒という事ではありませぬゆえ」
南「……正直ですね」
久瀬「いえ、利害が一致しているならばあえて逆らう必要はありませんね」
久瀬「ではこれにて失礼させていただきます」
南「あっ、久瀬先輩。……それでは俺もっ」
裏葉「うふふふ、よき旅立ちにございます」
高槻「……学生連中はそういうのでいいようにまとめてるけど」
高槻「俺の場合はどうなるわけよ」
高槻「今更こんなジジィに説教されるなんてごめんだぞ」
裏葉「その前に俊夫さまの四行にございますよ」
「幸村俊夫、といいます」
「教師として幾人もの生徒を指導しておりましたが……」
「この場では特に問題児、と称されるような輩はいない、かと」
「踏み外した道も、今はまっすぐ歩んでいるようで」
幸村「ええ……」
裏葉「……」
高槻「なんだよその目は」
高槻「いくら俺でもな、あれだけ毎回警戒されまくってりゃ萎えるってもんだからな」
裏葉「……萎える?」
高槻「い、いやっ、待てっ、そんなきつい目をするなっ、言葉のあやだよあや!」
高槻「丸くなる、ってもんだ」
裏葉「……俊夫さま。本当にこの高槻さまも問題児ではないのですか?」
高槻「だから問題児とかって呼ぶなよ」
幸村「ふむ……」
幸村「大丈夫、と思いますが」
裏葉「……なるほど、そうでございますか」
裏葉「ええ、大丈夫にございますね」
高槻「なんか、諦め気味に頷いてないのがやけに気になるんだが」
裏葉「気のせいでございましょう」
高槻「ほんとかよ……」
裏葉「では、本当に最後の最後のゲスト様をおよびしましょう」
裏葉「出時を誤ったのでお呼びするだけにしておきまする」
サクヤ「ふえええっ、なんでまた私を呼ぶんですかぁ」
裏葉「何を今更。競い合った仲にございませぬか」
裏葉「それに、クーヤさまもゲンジマルさまも来られないのでしょう?」
サクヤ「そう、ですね……。勝手に抜け出した事におじいちゃん怒っちゃって……」
サクヤ「当分クーヤさまは外出禁止です」
裏葉「さぁサクヤさま。幸村俊夫さまの印象について、四行をお願いいたしまする」
サクヤ「ふえっ?」
高槻「お前、呼ぶだけって言っておきながら四行させるのかよ」
幸村「どなた、ですかな」
裏葉「さあ、サクヤさま。自己紹介の四行をお願いいたしまする」
高槻「つか、テーマもまた変わってるし」
サクヤ「な、なんだかわかんないけどわかりましたぁ」
「サクヤと申します」
「クンネカムンという国にて、皇であるクーヤさまのお世話がかりをさせてもらってます」
「幸村さまは、なんだか暖かい印象がありますね」
「私のおじいちゃんみたい……」
サクヤ「な、なんですか」
裏葉「ありがとうございまする」
サクヤ「え、え?」
高槻「やるな。2テーマ同時に含めやがった」
幸村「サクヤさん、といいましたか。おじい様がいらっしゃるので?」
サクヤ「はいっ」
幸村「私と似ているのですかな」
サクヤ「ええ。見た目じゃなくて、奥から感じる雰囲気とか……」
幸村「ふむ……」
裏葉「なごみのところで、終わりにいたしましょう」
裏葉「うふふふ、サクヤさまを最後にお呼びして正解にございました」
高槻「勝手に呼ばれて問題児扱いされてた俺の立場は一体……」
高槻「ま、そのサクヤに免じて気にしないでいてやるよ」
サクヤ「ふえっ?」
幸村「ほっほっほ」
裏葉「では、終わりでございます」
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