『AIR偽小説第二百三十弾』

懲りずに第二百三十弾です。
朋也と渚(他AFTER登場メンバー)を考慮してると、
非常にそこは絡めづらいものがあります。
ま……芳野さんと伊吹先生はAFTER設定でも問題なさそうなんですけどね。
つーかそんな細かいこと気にしないんじゃなかったのかなぁ……
と、今更自問自答だったりしてます。


『4行小説』

★佳乃
「霧島佳乃だよぉ」
「司会を譲っちゃったから、今回は改めて司会として登場だよぉ」
「可愛いものが大好きっ」
「可愛い子も大好きだよぉ」

風子「そして風子は、またもヒトデ普及のための機会を与えてもらいました」
風子「今回は名アシスタントとして登場です」
佳乃「うんっ。よろしく頼むねぇ」
風子「お任せください」
風子「この風子、必ずやアシスタントとしてヒトデで蹂躙してみせましょう」
佳乃「うんうんっ」
佳乃「さてと、風子ちゃんの四行に入る前に、先に特別ゲストさんを招いちゃうねぇ」
風子「ああっ、あれは……!」
佳乃「岡崎汐ちゃんだよぉ……あれっ、ふぅちゃん?」
タタタタッ
汐「こんにち……」
ぎゅっ
汐「は」
風子「いきなり可愛いゲストさんの登場ですっ」
風子「風子、すべてをなげうってでもお持ち帰りしたい衝動にかられています」
汐「……」
佳乃「こんにちは、汐ちゃん」
汐「……こんにちは」
佳乃「ふぅちゃん、そろそろ離してあげようねぇ」
佳乃「アシスタントもしなきゃいけないし」
風子「んー、残念です」
ぱっ
汐「ん」
風子「ああっ、汐ちゃんが非常に名残惜しそうな顔をしていますっ」
風子「風子、困りました。アシスタントの業務も重要ですが、汐ちゃんも……」
ぎゅっ
汐「んー」
佳乃「ふふふー。ふぅちゃんに先を越されちゃった分、かのりんがしっかり抱きしめるのだぁ」
佳乃「さ、後はふぅちゃんが四行やって始めてくれればいいよぉ」
風子「ああっ、なんということでしょう。佳乃さんの悪魔の囁きにまんまと引っかかってしまいました」
風子「罪を悔いる前に、風子は取り戻さなければなりません」
佳乃「ふふふー、ふぅちゃんにできるかな?」
風子「人には、やらねばならない時というものがあります」
風子「風子は今まさに、汐ちゃんを取り戻すという使命に燃えねばなりません」
風子「いえ、どちらかというと、使命に燃えています」
佳乃「使命だけじゃあ相手は沈まないよぉ」
佳乃「あたしだって譲る気はさらさらないしねぇ」
バシュウウウウ
佳乃「わわわっ」
風子「つ、つむじ風ですかっ」
汐「うわー」
すとん
汐「……おもしろかった」
佳乃「勢いで手を離しちゃったけど、汐ちゃん見事に着地したねぇ」
風子「なんだか汐ちゃん、ご機嫌です」
ドッペル郁未「……まったく、なんで私がこんな所にいるのかしら」
佳乃「あっ、ドッペルちゃん」
風子「ドッペル? って何ですか」
佳乃「リングネームらしいよ」
風子「リングネームですか、それは強そうです」
ドッペル郁未「……無視、っと」
ドッペル郁未「……あなた、怪我はないわね」
汐「うん」
ドッペル郁未「……本来なら郁未がこういうことするべきなのに」
佳乃「いくみんがどうかしたのぉ?」
ドッペル郁未「……うるさいわね。さっさとやる事やって終わらせなさい」
風子「佳乃さん、汐ちゃんがヘンなドッペルさんの背後に行っちゃってます」
佳乃「うぬぬぬ〜、これは取り戻すのはタイヘンだよぉ」
風子「もしかして、ヘンなドッペルさんは手ごわいんでしょうか」
佳乃「そうだよぉ。なんと言っても、司会に断り無く登場したからねぇ」
風子「断り無くですか! それはもしかして、さっきのつむじ風と関係があるんでしょうか」
佳乃「いいところに気がついたねぇ。まさしくその通りだよぉ」
風子「風子、びっくりです。この世には、空気を飛ばして空気を読まない人がいるんですね」
ドッペル郁未「……帰るわよ」
ドッペル郁未「……この子と一緒に」
汐「?」
風子「ああっ、汐ちゃんが誘拐されてしまいます」
風子「しかし心配ありません、身代金代わりに風子、ヒトデを用意しました」
風子「おっと、ご安心ください」
風子「ヒトデはもちろん一つではありません。欲張りなドッペルさんにも喜んでいただけます」
佳乃「おおおーっ、さっすがふぅちゃんだねぇ」
ドッペル郁未「……帰りたいわね、まったく」
汐「かえるの?」
ドッペル郁未「……ええ」
シュン「やぁ、修羅場のようだね」
ウルトリィ「どなたかお治めにならないんでしょうか」
風子「ヘンな人が一気に増えましたっ!」
佳乃「ちょっとぉ。困るなぁ、司会が呼んでいないのに登場しちゃあ」
風子「皆さんが汐ちゃんを狙っているんですか、そうですか」
風子「困りました。こんなことならヒトデをもっと用意するべきでした」
シュン「いや、僕達は別にヒトデは要らないからさ」
ドッペル郁未「……ただ帰りたいだけよ。もう、そう言ってられなくなかったけど」
ウルトリィ「……汐、でしたか。こちらへ」
汐「……うん」
風子「い、一大事です。世界の破滅です」
風子「汐ちゃんが見ず知らずの大人にほいほいついて行ってしまいましたっ」
佳乃「あはは、まぁこれだけ出てこられちゃったら続けてやるしかないか〜」
佳乃「ふぅちゃん、今回はもう諦めて四行に入ろ」
風子「な、何を降参しているんですか佳乃さん。ここで白旗をあげたら汐ちゃんはどうなるんですか」
風子「いえ、汐ちゃんを盾にされて風子達の身も危ういかもしれません」
ウルトリィ「そのようなことはいたしませんから……」
ウルトリィ「どうか、落ち着いてくださいませ」
風子「……」
シュン「そうそう。警戒を解いてくれないかな」
風子「あなたはさっきヒトデを要らないと言いました」
風子「ヒトデ好きな人に悪い人はいませんが、ヒトデ嫌いな人は悪い人です」
シュン「要らないと言ったのは、君が大切にしてるヒトデをもらってまで交渉しようってことじゃない」
シュン「そこまで価値ある品まで、僕らが求めるのはお門違いだからね」
シュン「それでも、ヒトデを差し出そうとした君に敬意を払うよ」
風子「そこまで言うなら仕方ありません。汐ちゃんと戯れる許可を与えましょう」
ドッペル郁未「……偉そうにしてるけど貴方のじゃないでしょ、この子」
風子「貴方だけ失礼です、ヘンなドッペルさん」
風子「風子は絶対許しません」
ドッペル郁未「……ふぅ」
ドッペル郁未「……佳乃」
佳乃「うんっ? 何かなぁ?」
ドッペル郁未「……さっさと四行すべて終わらせて、解放なさい」
ドッペル郁未「……さもないと、今の私は何をするかわからないわよ」
佳乃「うわわわっ、物凄く貴重にドッペルちゃんが本気だよぉ」
佳乃「一体どうしたのぉ?」
ドッペル郁未「……これ以上、私達のような犠牲者を出したくないだけよ」
佳乃「うぬぬぬぅ、汐ちゃんが不幸かどうかはドッペルちゃんが判断することじゃないよぉ」
ドッペル郁未「……おそらく、この状況を認め続けたら……」
ドッペル郁未「……貴方は、ドッペラーズまで召喚するに違いないわ」
佳乃「うぬぬぬ……」
風子「佳乃さん、ドッペラーズとはなんですかっ」
風子「もしかして、ヘンなドッペルさんが更にヘンになったドッペルさんですか」
シュン「いや、そういう表現はいかがなものかと思うよ」
シュン「……なるほどね、やりかねない事態だ」
ウルトリィ「あの、私には理解しかねるのですが」
シュン「たとえば貴方にとってしてみれば……オンカミヤムカイ、だっけ?」
ウルトリィ「ええ、その名です……まさか!」
シュン「そう、その方を召喚するようなもんじゃないかな」
ウルトリィ「ああ、なんという……佳乃様、決してしてはなりませぬ」
佳乃「なんだかさぁや、八百比丘尼さんや裏葉さんみたいだよぉ」
汐「さぁや?」
佳乃「そ。ウルトリィちゃんの愛称だからね、汐ちゃんしっかり覚えてね」
汐「うん、わかった。さぁや♪」
ウルトリィ「ですから何故私の愛称が……」
ウルトリィ「しかもこの子が、そちらの方を気に入っておられるのは何故なのでしょう」
ドッペル郁未「……話がそれたわね」
ドッペル郁未「……さ、分かったら非常識はここまでになさい」
佳乃「うぬぬぬぅ、これから幻想世界の少女とか僕とか呼ぶ予定があったのにぃ」
風子「誰ですか、それは」
風子「可愛いにおいがぷんぷんしますっ」
ウルトリィ「可愛いにおいってどういう事でしょうか……」
シュン「ウルトリィさん、多分気にしてはいけないところじゃないかな」
佳乃「仕方ない、この場はかのりんはおとなしく引き下がるよぉ」
ドッペル郁未「……この場だけじゃなく、永久に引き下がりなさい」
佳乃「かのりんだけが引き下がっても、魔法を受け継いだひとは何人もいるからねぇ」
佳乃「そこは忘れないでほしいかなぁ」
ドッペル郁未「……貴方ほど非常識な人はいないと思うわね」
佳乃「果たしてそうかなぁ?」
ドッペル郁未「……汐」
汐「うん?」
ドッペル郁未「……貴方は、こんな所に連れてこられて救われているの?」
汐「すくわれてる?」
ドッペル郁未「……難しかったかしらね」
佳乃「つまりは、かのりんたちと会えて嬉しいかなぁ? ってことだよ」
汐「うん」
シュン「笑ったね」
風子「可愛いです〜。風子、今すぐ抱きしめたいです〜」
ウルトリィ「やはり、子の笑顔は宝です」
佳乃「ね、ドッペルちゃん。こういう事だから」
ドッペル郁未「……はぁ、私達とは違うということなのね」
汐「しあわせじゃないの?」
ドッペル郁未「……私達のこと? そうね」
風子「さっきから貴方はおかしいです。どうして、一人なのに私達、なんですか」
風子「風子、一緒にされているみたいで不快です」
ドッペル郁未「……貴方にはわからない事情よ」
風子「何ですか、それっ」
汐「かなしい……」
ドッペル郁未「……貴方が思うところではないわ」
汐「ぐす……」
風子「さっきまで笑顔だった汐ちゃんが泣いてますっ」
風子「ヘンなドッペルさん、貴方のせいです!」
風子「汐ちゃんに突き放したような言い方するからです!」
ドッペル郁未「……うるさいわね」
シュン「いや、そういう事じゃないんじゃないかな。多分彼女は……」
ウルトリィ「どうしたの、何が哀しいのか教えてくれる?」
汐「ちからになれないから……」
ウルトリィ「力に……というのは」
ドッペル郁未「……まさか、私達かしら?」
汐「うん」
ドッペル郁未「……驚いたわね。察する事ができたのかしら?」
佳乃「そんなにしょげることないよぉ、汐ちゃん」
佳乃「楽しい、という事をドッペルちゃんに教えてあげれば、きっとドッペルちゃんも救われるよぉ」
汐「ほんと……?」
佳乃「うんっ。かのりんが保証するよぉ」
ドッペル郁未「……何を勝手に保証しているの、あなたは」
佳乃「珍しく積極的だったドッペルちゃんの気持ちはわからなくもないけど……」
佳乃「かのりんは、絶対こういう場は楽しいんだっていう事を教えてあげるからねぇ」
佳乃「それが、幸せの魔法なんだよぉ」
ドッペル郁未「……やれるものならやってごらんなさい」
佳乃「もちろんっ。受けて立つよぉ」
風子「あの、どういう事でしょうか」
シュン「つまりは、同じような事を重ねながら満足に導いてみせるっていう宣言だね」
風子「さっぱり意味がわかりません」
シュン「いやまぁ、わからないなら分からなくてもいいと思うけどね……」
風子「風子、仲間はずれにされている気がしますっ」
風子「そもそも貴方は誰なんですかっ」
ウルトリィ「まあまあ、風子様」
風子「うわっ、明かしてもいない風子の名前を呼ばれました!」
ウルトリィ「先ほどから皆さん普通に呼んでおりますが……」
風子「なんという事でしょう、これは個人情報漏洩で訴える必要がありますっ」
佳乃「まあまあ。これから自己紹介四行に入るからそれで勘弁してあげてよ」
佳乃「ね、汐ちゃん?」
汐「うん。かんべんしてあげて」
風子「……」
風子「皆さんは卑怯です。汐ちゃんみたいな幼子を盾に風子を脅迫する気ですか」
シュン「いちいち言うことが大げさだね……」
風子「大げさじゃありません」
ドッペル郁未「……もういいからさっさと始めなさい」
佳乃「よーしっ、勢いがあればなんとでもなるっ。猪突猛進猪突邁進猪突激震だよぉ」
佳乃「というわけで自己紹介の始まりだよぉ。おーっ」
汐「おーっ」
ドッペル郁未「……やれやれ、ね」

★シュン
「無難に一番手をいかせてもらおう。氷上シュンだよ」
「そうだね……僕はあまり具体的に物事は触れられない」
「けれども、今回は意外な面をいくつも見られた気がして、新鮮だったよ」
「まぁ、仲がよければ何でもいいと思うけどね」

★ウルトリィ
「ウルトリィにございます」
「トゥスクルにて僧正を務めております」
「オンカミヤムカイの名の下に」
「世の平和が続かんことを……」

★汐
「おかざきうしお、です」
「だんごだいかぞく、だいすき」
「おかあさんとおとうさん、ものすごくだいすき」
「さなえさん、あっきー、みんなみんなだいすき」

★風子
「伊吹風子ですっ」
「可愛いものが大好きです、ヒトデも大好きです」
「そういえば風子、ヒトデのススメを忘れていました。風子、大失態ですっ」
「ヒトデの可愛さはとても四行では語れるものではありません。後で皆さんにみっちり講義してさしあげます」

★ドッペル郁未
「……ドッペル郁未よ」
「……自己紹介ね……それを私達にやらせるのはどうかと思うけど」
「……連れてこられて、ひたすら救われない会を重ねていたわ」
「……今後に少しは期待させてもらうわ」

佳乃「みんなありがとうっ。今回はこれにておしまいだよぉ」
シュン「いやはや、随分とおざなりだね」
ウルトリィ「これでよかったのでしょうか……」
ドッペル郁未「……さ、帰るわよ」
汐「うん」
風子「お待ちくださいそこの皆さん。風子のヒトデ講座が待っていますっ!」
風子「って、無視して行こうとしないでください!」

<裏でこっそりやっておけばいいよぉ>


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