『AIR偽小説第二百二十八弾』

懲りずに第二百二十八弾です。
ようやく、CLANNAD AFTERの一週目が終了しました。
つっても、AFTERのみのメンバーってこの場には呼びにくいですけどね。
さすがに過去の同一人物と鉢合わせとかするとめんどいじゃないですか(そんなことするな)
汐と直幸さんと史乃さんは登場させたいところですけどね。


『4行小説』

★晴子
「あー、神尾晴子や」
「なんやまた新しい連中来るんかいな」
「そやなー……先に会うて知っとると思う、観鈴の母親や」
「お酒が大好きなんやけど、誰か持ってきてくれんかいなー」

秋子「随分とけだるそうですね、晴子さん」
晴子「ん〜? そういや秋子さんがアシスタントやるんやったな〜」
晴子「つーことはあれか、秋子さんが連れてきたんかいな」
秋子「概ねそんなところですね」
晴子「ほぉ〜。ま、ええわ、先にさっさと招くで〜」
公子「伊吹公子です」
芳野「芳野祐介です」
晴子「初めまして、神尾晴子や」
秋子「水瀬秋子です。よろしくお願いしますね」
公子「こちらこそ、よろしくお願いします」
晴子「うおおおっ!?」
公子「……どうかしましたか?」
晴子「な、なんや、同じ声が両側から聞こえてくる……」
晴子「まるでステレオや〜!」
芳野「なるほど。言われてみれば、そちらの水瀬さんと公子さんは同じ声だな……」
晴子「って、あんたの声は居候そっくりやー!」
芳野「居候?」
晴子「あーすまんけど気にせんとってな。……いかんいかん、頭切り替えな」
芳野「??」
秋子「では晴子さん」
晴子「そやそや、四行やったな」
晴子「うっし、今からこの秋子さんが四行で自己紹介やってくれるからな。よぉ見とってや」
芳野「ええ」
公子「わかりました」

★秋子
「水瀬秋子です」
「水瀬家での家主です」
「最近の趣味は、ジャム作りです」
「皆さん、是非いかがですか?」

晴子「遠慮しとくわ」
秋子「晴子さん。今回のは自信作なんです」
晴子「ええから遠慮しとく」
秋子「一口くらい試してみてください」
晴子「今回の主題はそれとちゃうから!」
晴子「……まぁ、こんな感じや。二人とも分かったかいな」
公子「ええ、まぁ……」
芳野「その、ジャムとは一体何なんですか」
晴子「こぉらっ! 折角話流そうしとるのに蒸し返すなっちゅーの!」
晴子「でもってあんたは丁寧語やめいっ」
芳野「……あなたがいいというならそうするが」
晴子「つーか遠慮とかせんでええから気兼ねなく話してーな」
晴子「いや、単にうちが気色悪いからなんやけどな」
芳野「……分かった」
公子「水瀬さん」
秋子「秋子、でいいですよ」
秋子「同じ名字の人がいますしね」
公子「えっ。という事は水瀬家って、結構な大所帯なんですか」
秋子「そうですね。ここでは色んな方がいらっしゃって、楽しいかぎりです」
秋子「名前呼びを推奨するのは、娘と混同しないためですけどね」
公子「娘さんがいらっしゃるんですね。お名前は?」
秋子「名雪といいます」
公子「名雪ちゃん、ですね」
芳野「名前呼びと名字呼びにわければ区別要らないんじゃないのか?」
晴子「そのはずなんやけどな。本人はそう思わへんらしい」
秋子「だって、名雪を名字で呼ぶ人もいますからね」
公子「なるほど、同級生の子達とかですね」
秋子「ええ。ですから、できるだけ皆さん名前呼びの方がいいんです」
晴子「水瀬のお母さん〜とかいうのはまだるっこしいてすかんらしいんや」
秋子「まだるっこしいって思ってるのは晴子さんですよ」
晴子「そうかいな」
秋子「ええ」
晴子「……まぁそんなんもうええわ。次は公子さんの四行やな」
公子「私ですか?」
晴子「ここではレディーを尊重されるんが原則やからな」
芳野「だそうだ」

★公子
「伊吹公子です」
「以前は、美術の教師を務めていました」
「何年も交通事故で眠り続けていた妹がいます」
「最近、祐くんと結婚したんですよ」

秋子「妹さんがですか?」
公子「あ、すいません。私がです」
晴子「緊張してたら戸惑うんもしゃーないな」
晴子「っていうかおめでとうな」
秋子「おめでとうございます」
公子「ありがとうございます」
芳野「ありがとう」
秋子「……えーと、祐くんというのはそちらの祐介さんのことですね」
公子「あ、はい、そうです。すみません、ちゃんと言うべきでしたね」
秋子「いえ、祐一さんと同じ漢字だなって思いまして」
晴子「なるほどなぁ。確かに祐介の祐はその字やな」
公子「祐一さんというのは?」
秋子「娘の従兄弟になります。つまり私の甥ですね」
秋子「今は私の家に同居してるんです」
公子「なるほど」
芳野「……できれば俺は名字で呼んでほしいんですが」
晴子「まぁまぁええやん祐介。うちら同年代なんやし。つーかあんたは丁寧語禁止や」
芳野「……分かった」
晴子「ちなみに、祐介の介は、うちの知り合いの敬介の介でもあるけどな」
芳野「……」
公子「敬介さんというのは?」
晴子「ん〜、うちにとっての昔からの知り合いや」
晴子「ひょんなことからそいつの娘、あ、観鈴言うんやけどな。その子をうちがあずかることになったんやけど……」
晴子「今では立派にうちが母親や」
公子「ということは……」
晴子「言っとくけど再婚したとかそんなんちゃうで。うちが、観鈴の母親なんや」
晴子「それ以外でもなんでもあらへん」
公子「なるほど、よくわかりました」
秋子「話を戻しますけど、妹さんは……」
公子「ええ、もう退院していますよ」
秋子「実は、私の知っている女の子も、事故で何年も眠っていたんですよ」
公子「まあ、そうなんですか?」
秋子「ええ、変な偶然ですね。妹さんは退院して……その後お元気ですか?」
公子「はい。それはもう元気に走り回っています」
公子「先日こちらにもお邪魔してたと思います」
秋子「そうなんですか。じゃあ、どこかでお会いしてるかもしれませんね」
公子「私もお会いしたいです。そちらの女の子と。あ、ちなみに私の妹は風子といいます」
秋子「私が言っている女の子は、月宮あゆちゃんっていうんですよ」
公子「あゆちゃんですか。可愛らしい名前ですね」
秋子「ええ。名前だけでなく見た目も可愛らしいんですよ。私にとっても娘みたいなものです」
公子「いいご関係ですね。ふぅちゃんと会ったら是非お友達になってあげてください」
秋子「はい。うちの名雪もお願いしますね」
公子「ええもちろんです」
晴子「ってあんたら妹と娘の話で盛り上がりすぎや……」
晴子「っちゅーかな、遊びに来てる風な口ぶりやったけど、そんなもんちゃうで」
芳野「それはどういうことだ?」
晴子「……いや、まぁええわ。あんたらが普通におるんやからあまり気にしてもしゃーないってことで」
芳野「……?」
晴子「とーにーかーく! 祐介、次はあんたの四行やからな」
芳野「あ、ああ……」

★芳野
「芳野祐介だ」
「この人とは、高校の時に知り合い……今に至っている」
「長い音楽活動を送ってきた俺は、この町で大切なものを知った」
「そう、人は一人では生きていけない。生きていくために必要なもの……それは、人の愛だ」

晴子「って、歯切れわるうないか。しかもなんかクサいやっちゃな……」
芳野「貴方は、心の底から笑えているか」
晴子「え? うち?」
芳野「それはうわべだけの笑いじゃないか」
芳野「卑屈にならずに、素直な笑いがあるか」
芳野「かけがえの無い存在を思ってこその……」
晴子「ストップストーップ!」
芳野「ああ、すまない。つい癖が出てしまった」
晴子「……ったく、なんやねん」
秋子「もしかして、詩を作られていましたか?」
公子「ええ、そうなんですよ」
公子「今でも祐くんは、自分のための歌を一生懸命作り続けています」
秋子「自分のための?」
公子「ええ。それは独りよがりとかじゃなくて……」
秋子「自分のための歌だからこそ、響く言葉があるんですよね」
公子「ええ、そうです」
秋子「そういえば、詩じゃなくて歌なんですね」
秋子「懸命に音楽の道を歩まれてるなんて、素晴らしいことです」
公子「祐くんの夢ですから」
秋子「夢ですか……ますます素晴らしいですね」
晴子「あーはいはいはいはい、井戸端会議は一旦ここで止めるでー」
晴子「っていうかあんたも間に入りや。それやったらもう少し短うなるのに」
芳野「そういわれても困るが」
晴子「ま、好き勝手にやりまくらんだけましやな」
晴子「ほんなら、そろそろ普通のゲストの登場やー!」
良祐「こんにちは。巳間良祐です」
秋子「良祐さんの祐は祐介さんの祐ですね」
公子「まぁ、そうなんですか?」
秋子「はい」
公子「そういえば、私達女性陣も名前に全部“子”がついてますね」
秋子「ええ。今回は名前つながりなんだそうですよ」
晴子「勝手にそんな設定にすなや。たまたまや、たまたま」
芳野「芳野祐介だ、よろしく」
良祐「ああ、こちらこそ」
晴子「このままやと男女で勝手に別れてしまいそうな気がするなぁ……」
晴子「っていうかそんな男だけでだべっとらんと四行先にやってもらえるか〜」
良祐「あ、ああ」

★良祐
「巳間良祐だ」
「FARGOという施設で研究員をしていた」
「妹の話題が出ていたが、俺にも妹がいてね」
「やはり、兄妹は可愛いものだよ」

公子「お兄さんでいらっしゃるんですか?」
良祐「そうですね」
公子「どんな妹さんですか?」
良祐「口は悪いんですが、いい奴ですよ。他人想いでね」
秋子「うふふふ、あゆちゃんはその悪い口によく怒ってますけどね」
芳野「悪い口?」
秋子「胸が小さいことを馬鹿にされるんだそうです」
公子「まあ。ふぅちゃん大丈夫かしら……」
秋子「何年も眠っていても体は成長するものですよ。と言っても、無理がありますね」
公子「そうなんですよ。ちゃんと仲良く出来るといいけど」
良祐「すみません、兄の俺がもっと厳しくできればいいんですが……」
良祐「あまりいう事を聞いてくれなくて」
芳野「それだけ気を許しあっているという事でもあるんだろう」
芳野「何も、言う事を聞かせるだけが兄妹じゃない」
芳野「時には好きに、時には……」
すぱこーん
芳野「……痛いな、何をするんだ」
晴子「あんたはその語り出すんをやめんかいっ!」
晴子「しかも、良祐の自己紹介で、なんで他人について井戸端会議始めてるんや!」
秋子「それは話の流れというものですよ」
晴子「ほんなら話の流れでさっさと次のゲスト呼ぶでー。来んかーい!」
公子「随分荒れていらっしゃいますが、いつもこうなんですか?」
良祐「ええ、らしいですよ。ツッコミが担当なんだそうです」
芳野「そういう問題か……」
ハクオロ「ど、どうも、こんにちは」
晴子「仮面の怪しい奴、ハクオロや」
ハクオロ「そんな引かれる紹介の仕方はやめてくれないか」
晴子「っちゅーか初対面の印象はそんなもんやろうが。って、いいから四行やりーや」

★ハクオロ
「ハクオロだ」
「戦乱に巻き込まれ、自らの意志で先導し、今に至っている」
「一国の皇という立場になってしまったが……どうも実感がない」
「そんなことより、ここがどういう場所なのか未だに納得できていないんだが……」

秋子「異国の方ですか?」
晴子「まぁそんなところや」
芳野「たしかに、着ている服も俺らとは随分違うな」
良祐「……もしかして、元研究員じゃないか? 施設とかはわからないけど」
ハクオロ「私か?」
良祐「ああ」
ハクオロ「それは……」
秋子「企業秘密です」
秋子「ですよね?」
ハクオロ「……あ、ああ」
良祐「……ふーむ」
良祐「ま、詮索はしない方が吉、なんだろうな」
公子「何故仮面をつけてらっしゃるんですか?」
ハクオロ「それも……」
秋子「企業秘密です」
秋子「ですよね?」
ハクオロ「……あ、ああ」
公子「なるほど」
晴子「って、なんで秋子さんが代わりに応えてるんや」
秋子「自然な流れです」
晴子「ほんまかいな……」
晴子「ハクオロからうちらには何かないんかいな」
ハクオロ「わ、私からか? いや、特には……」
ハクオロ「……そうだ、一つ」
晴子「お、なんや」
ハクオロ「うちの家臣にクロウという者がいるんだが」
ハクオロ「そちらの、公子さんの妹さん、風子か。そちらから贈り物をもらったそうだ」
ハクオロ「私から言うのもなんだが、礼を伝えておこうと思って」
公子「まぁまぁ、わざわざご丁寧にありがとうございます」
ハクオロ「いえいえ、こちらこそ」
晴子「……いつの間にそんな事になってたんや?」
良祐「俺に聞かれても困るが……」
秋子「先日遊びに来てたと仰ってましたよね。その時の話ですね」
芳野「そういう事か」
晴子「遊びに、ねえ……」
晴子「ま、保護者連中が気楽におれてるんなら言うことはないわな」
ハクオロ「いや、私はクロウの保護者などという立場では……」
晴子「はいはい、そんなんええから」
晴子「ほなもう終わろうかー」
秋子「もう一人くらいお呼びしないんですか?」
晴子「特別ゲストが元から二人おる場合はこんだけ、ってうちは決めてるんや」
良祐「なるほどねぇ」
公子「特別ゲストって私達のことですね」
芳野「何故特別なんだ?」
ハクオロ「初めて招く時はそう呼ぶらしい。私も前回はその立場だったが……」
ハクオロ「まさか二回目でその特別ゲストと相対するとは思ってもいなかったよ」
晴子「これでおしまいやー!」

<終わったから酒やー>


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