『AIR偽小説第二百二十七弾』

懲りずに第二百二十七弾です。
つーか新参入招きをどこまでやろうか……
というのがちょっと思うところ(CLANNADは人多いしなぁ)
少なくともEDがある人は……って、難しいのが2名ほどいるんですがね。
まぁそんなことよりです。本当は書き出すより人のを先に読めよってとこですが……。


『4行小説』

★みちる
「今回はみちるが司会だよ」
「とっくに自己紹介はしたから……えっと、最近はかくとうじゅつによねんがないっ」
「いいらいばるはたくさんいるしねー」
「にゃははは、今日もがんばるぞー」

美凪「そして、私がアシスタントです」
みちる「んに、お願いするねみなぎっ」
美凪「ええ……。早速ですが、ゲストさんをお招きしましょう……」
美凪「パン王国の王と王妃である……古河秋生・早苗夫妻です……」
早苗「はいっ、こんにちは」
秋生「いきなりヘンな紹介してんじゃねーよ……ったく」
秋生「ま、王と王妃なら悪い気はしねーがな」
早苗「そうですねっ、秋生さん」
みちる「んに、さっそくなじんでる」
美凪「……暖かいご夫婦です」
美凪「さて……間髪入れず、四行をしなければなりません……」
美凪「お二方、まずはこちらをご覧ください……」
みちる「って美凪、これだとどっちが司会かわかんないよ」
美凪「……失礼しましたみちる」
みちる「うんうん。じゃあえっと、秋生ー早苗ー」
秋生・早苗「おうっ・はいっ」
秋生「って、こんな小娘に呼び捨てにされて快く返事してる俺って何なんだ……ったく」
みちる「みなぎが今から四行やるから、じっくりみててねー」
早苗「はい、わかりました」
秋生「おう」
みちる「じゃあ美凪っ」
美凪「ええ……」

★美凪
「……遠野美凪です」
「天文部に所属……部長を務めております」
「夜空探訪の際は、是非ご相談ください……」
「きっと、ご満足いただける世界に、ご案内いたします……」

早苗「まあっ、それはとても素敵ですね」
秋生「夜空探訪たぁ、スケール大きいじゃねーか。気に入ったぜ」
みちる「ふたりとも、四行わかったかな」
みちる「今の美凪みたいに、四行続けてしゃべるんだよ」
みちる「今回のテーマは自己紹介っ」
秋生「おうっ」
早苗「はいっ、とってもよくわかりました」
美凪「……ぱちぱちぱち」
美凪「名司会です、みちる」
みちる「えへへへ」
秋生「つまりだ、俺らに四行の挑戦を叩きつけるためにここに連れてきた、ってわけだ」
秋生「……なかなか念の入った挑戦じゃねーか。うん?」
みちる「ちょうせん? なんのこと?」
秋生「なんだ、挑戦じゃねーのか……ま、いい」
秋生「なんだかしらねーが、期待に応えてやるぜ」

★秋生
「古河秋生だ」
「古河パンを経営している」
「妻の早苗を……愛している」
「もちろん、娘の渚もだ」

早苗「秋生さん、私も愛してますよ」
秋生「ああ、早苗……お前は最っ高の妻だ」
早苗「はいはい」
みちる「……」
美凪「どうしましたか、みちる」
みちる「……仲が、とってもいいんだね」
美凪「……ええ」
美凪「その和みに便乗して、ゲストさんを先に呼ぶことを提案してみます」
みちる「そうだねっ。先に来てもらってたくさん和んでもらおー」
みちる「ゲストさんこーい」
あゆ「うぐぅ……ボク、本当はアシスタントだったはずなんだけど……」
美凪「いきなり言いがかりをつけているのは、月宮あゆさんです」
あゆ「言いがかりじゃないよっ!」
あゆ「うぐぅ……真琴ちゃんが“気をつけなさいよぅ”とか言ってたのはこの事だったんだ……」
秋生「およ、新たに呼ばれた奴か」
早苗「羽リュックがとっても可愛らしいですねっ」
あゆ「あ、ありがとう。……えへへへ、こんにちは」
みちる「あゆあゆ照れてる〜」
あゆ「あゆあゆじゃないもん。えーと、で、ボクの四行を先にするの?」
美凪「いえいえ、先に早苗さんの四行です」
早苗「わたしですか?」
美凪「……はい」
みちる「よろしくぅっ!」

★早苗
「古河早苗です」
「秋生さんと同じで、古河パンを経営しています」
「あと、古河塾の講師もしていますっ」
「教える事は得意なんですよ」

あゆ「へえ〜。ボクも何か教えてもらおうかな」
みちる「みちるも〜」
早苗「いいですよ。皆でどうぞいらっしゃってください」
秋生「おっ、塾生二人ゲットだな」
秋生「そして、早苗のパンを食べる奴も同時にゲットだ」
あゆ「うぐぅ、早苗さんのパン?」
みちる「パンが出るの?」
秋生「おっと……つい口に出ちまったが、気にすんな」
美凪「……では更に月宮さん、四行をどうぞ」
あゆ「う、うん……なんか美凪さん、テンポ早くない?」
美凪「ある程度揃って、早く本題に入りたいのです……」
美凪「……さあ」
早苗「美凪さん」
美凪「……はい」
早苗「のんびり、いく方がいいんじゃありませんか」
美凪「……いえ、先は少々長いので」
早苗「そうなんですか」
あゆ「うぐぅ、とりあえずするねっ」

★あゆ
「月宮あゆです」
「好きなものはたい焼きです」
「うぐぅって口癖で呼ばれたりするけど、絶対呼ばないでね」
「仲良くしてくださいっ」

秋生「謙虚じゃねえか、うぐぅ」
あゆ「うぐぅっ! 言ってるそばから!」
秋生「なんだ、照れかくしじゃなくて本当に嫌だったのか」
あゆ「そうだよっ」
秋生「ちっ……まんまと騙されちまったな」
あゆ「え……? もしかして……佳乃さん?」
早苗「はい、そうです。うぐぅちゃんのことはうぐぅちゃんと呼んでねっ、って言われたもんですから」
秋生「この調子だと、ちゃん付けしないのが不満とかそういう問題じゃなさそうだな」
あゆ「うぐぅ……こんな善良な夫婦まで佳乃さんは……」
秋生「よし。だったら、太陽系あゆと呼んでやろう」
あゆ「太陽系?」
秋生「月なんてちっさいところでとどまった名字なんて捨てちまえ。どうせだったら太陽系まで飲み込むんだ」
あゆ「うぐぅ、そんなの飲み込まないよぅ〜」
早苗「秋生さん、女の子をいじめてはいけませんよ」
秋生「ちっ、早苗に言われちゃ仕方ねえ……」
秋生「おいあゆあゆ」
あゆ「うぐぅ、あゆあゆでもないのに……」
秋生「渚と仲良くしろよ。絶対だぞ」
あゆ「うぐぅ、渚って誰……」
早苗「私達の娘ですっ」
秋生「とっても可愛いんだぞ。どうだ、羨ましいか、羨ましいだろ」
あゆ「うぐぅ……」
美凪「さて……和んでおられるところ申し訳ありませんが」
あゆ「和んでるの?」
秋生「神妙そうだな、黙って聞いてやれ、あゆ」
あゆ「あっ……はい」
早苗「何ですか、美凪さん」
美凪「いよいよ私は……お二人にこれを渡さなければなりません……」
すっ
早苗「これは……」
秋生「果たし状……だと?」
あゆ「果たし状!?」
みちる「にょわっ、みなぎのせんせんふこくだー!」
秋生「……なるほどな。あゆをけしかけてきたのもその表れだった、ということか」
あゆ「えっ、ボクけしかけられてたの?」
早苗「あの、どうしてまた……」
秋生「まぁ待て早苗」
秋生「とりあえず、中を見てからだな……」
がさごそ
早苗「……」
秋生「……何だこりゃ」
みちる「お米券だー!」
あゆ「なんか、いつもどおりだね」
あゆ「でも……なんで進呈じゃなくて、果たし状なの?」
美凪「……お二人のご職業、それはパン屋です」
秋生「そりゃまぁそうだが」
美凪「パン、それはお米と並ぶ主食の一つ……」
美凪「お米の普及に障害として立ちはだかるもの……」
美凪「よって……宣言せねばなりません」
早苗「宣言ですか?」
美凪「ええ……パン屋を乗っ取るほどに……お米で埋め尽くします……」
みちる「にょわっ、すごーい!」
あゆ「埋め尽くすって、お米でそんなことしたら大変なんじゃ……」
早苗「美凪さん」
美凪「……はい」
早苗「米粉を使って焼くパンもありますよっ」
美凪「……」
美凪「……さて、和解したところで次のゲストさんを招いてください、みちる」
みちる「んに、りょうかーい!」
浩平「んないいかげんな和解があるかー!」
みちる「折原浩平だいっ」
秋生「なんだなんだ、またみみっちい奴が出てきたもんだな」
秋生「おい小僧」
浩平「あんだよ」
秋生「お前、男のクセに小さいんだよ。名前もな」
浩平「名前関係ないだろ」
秋生「思い切って宇宙の彼方を目指せ。光子ロケット折原」
浩平「勝手に変な名前に改名すんな!」
早苗「じゃあ、電波折原さん、っておよびしてもいいですか?」
浩平「俺が危ない人みたいじゃないか!」
浩平「普通に呼んでくれ、普通に」
美凪「……贅沢ですね」
浩平「つーかお前はいいのか、わざわざアシスタント乗っ取ってまで登場しておきながらいきなり和解って」
美凪「……モーマンタイ」
浩平「こいつわ……。普段からお米券で暴れまくってるくせに……」
あゆ「って、さっきの無言で和解してるの!?」
みちる「あゆあゆ、反応がおそーい」
あゆ「うぐぅ、あっけに取られてて反応できなかったんだよ」
秋生「おい小僧」
浩平「なんだよ」
秋生「てめぇは四行やらねーのか。初対面のひとには自己紹介が礼儀ってもんだろ」
秋生「それとも、そんなのもできない小学生か」
浩平「……非常識かと思ったらまともな奴なんだな」
秋生「ああん?」
浩平「い、今からやるよっ!」

★浩平
「折原浩平だ」
「登場当初は、司会宣言をしようとしたもんんだが……」
「今となっては、もうどうでもよくなったな」
「断っておくが、俺が非常識だったわけじゃないからな」

秋生「なんだか言い訳がましい奴だな……」
浩平「まぁ、色々あったんだよ、聞くな」
秋生「ま、聞きたくもないがな」
美凪「……折原さんは」
美凪「人生を諦めたのです……」
浩平「諦めてないっ!」
早苗「だめですよ、折原さん。生きることに絶望してはいけません」
浩平「いやだから、絶望してないって」
あゆ「浩平くんの場合は、周囲も含めて自分にも問題があると思うよ」
あゆ「瑞佳ちゃんがよく言ってるけど、悪質な冗談をやってることとか」
浩平「瑞佳は関係ないだろ」
みちる「そうやって、関係ないって言いながら人を拒絶するのはよくないんだぞーっ」
浩平「してねえ!」
美凪「……さて、事情が整ったところで、最後のゲストさんです」
美凪「是非……みちるとも、月宮さんとも、お友達になってあげてください。そんなカミュさんです」
カミュ「う、うわ、いいのかな、カミュがこんなところにいても……」
早苗「まあ、今度は黒い翼ですね」
あゆ「あ、ほんとだ。ボクとちょっと違う羽だね」
カミュ「……」
あゆ「ん? どうしたの?」
浩平「お前が違う羽とか言ったから機嫌損ねたんじゃねーの」
あゆ「ええっ! そんなつもりはなくて、ボクのリュックとは違う羽の……と思ったら、あれ?」
みちる「にょわっ、背中から羽が生えてるー!」
秋生「ほう……こらまた……」
早苗「不思議ですねぇ……」
カミュ「……」
あゆ「まるで神奈ちゃんみたいだね」
みちる「んに」
カミュ「……え?」
秋生「なんだ、お前みたいなのが他にもいるのか」
早苗「そういうところなんですね、ここは」
美凪「……はい。少々説明が遅れましたが」
秋生「あー、別に気にしてねーよ。俺らの周りに羽生やした奴なんていねーからなあ」
早苗「そうですね。ちょっとあこがれます」
カミュ「あこ、がれ?」
早苗「ええ。背中に羽があるってことは、空を飛べるんですよね?」
早苗「とっても素敵なことです」
カミュ「え……えへへへ」
あゆ「うわっ、カミュちゃん飛べるんだ!」
みちる「すごいすごーい!」
秋生「なーるほどな。あゆのと違って輝き方が違う」
早苗「綺麗ですね」
カミュ「う、うんっ」
浩平「あゆは飛べないのにな」
あゆ「ボクのこれはただのリュックの飾りだよっ」
浩平「非常時にロケット噴射して飛んだりすりゃいいのにな、使えないやつだ」
あゆ「そんな噴射なんてしないよっ!」
美凪「……和んでいるところ申し訳ありませんが」
あゆ「和んでないよっ!」
美凪「……みちる」
みちる「にょわっ、そうだったっ!」
みちる「カミュ、四行だー!」
カミュ「え、え、あ、う、うん」

★カミュ
「えっと、カミュです」
「アルちゃんやユズっちからは、カミュちー・カミュちゃん、って呼ばれてます」
「その……翼のこと、褒めてくれてありがと」
「とっても嬉しかった」

みちる「普段は褒められないの?」
カミュ「えっと、そういうわけじゃないけど……」
カミュ「カミュのは、お姉さまのみたいに真っ白じゃないから」
あゆ「そうなんだ。神奈ちゃんの羽は真っ白だけどね」
あゆ「飛べる、って聞いたらきっと神奈ちゃん羨ましがるよ」
カミュ「そうなの?」
みちる「神奈ちんは飛べないことを気にしてるんだよ」
カミュ「そうなんだ……」
浩平「なんだか和気藹々だな」
美凪「……そうですね」
浩平「っていうか、お前今回後半大人しいな」
美凪「……目的は、達成されました」
浩平「だから、なんであれで和解できるんだよ……」
美凪「……日本人は……お米族」
浩平「はいはい」
秋生「お米族もいいが、もうお終いか」
美凪「……そう、ですね」
早苗「あっ、ちょっと待ってください」
早苗「折角なんで、お土産があるんですよーっ」
どさっ
みちる「あっ、パンだ」
あゆ「そういえばパン屋さんを経営してるって言ってたもんね」
カミュ「パン?」
浩平「パン知らないのか? ってか、そんなとっからも誘拐してんだな、お前ら……」
浩平「そんな見境ないんじゃなくて、もっとこう、設定をちゃんとしてさ」
浩平「説明描写を交えた真面目な創作をお手本にしようとか思わないわけ?」
あゆ「浩平くん、何をさっきから言ってるの?」
美凪「……」
美凪「……やはり、お米に対する宣戦布告、ですか」
浩平「聞いてねえし」
早苗「違いますよ。米粉ではありませんが、これはお米を使ったパンです」
秋生「早苗、もしかしてそれは……」
早苗「古河パン今週の新商品。ご飯パンですっ」
早苗「さ、皆さんどうぞお試しください」
浩平「ご飯パンって、パンの中に米でも入ってんのか? まぁ一ついただくか」
あゆ「そんな単純なものじゃないと思うよ。ボクもいただきまーす」
みちる「みちるもー」
カミュ「なんだかよくわかんないけど、カミュも……」
ぱく
浩平「……なるほど、本当にご飯パンだな……つーか固っ!」
あゆ「うぐぅ、生、ごめ……?」
みちる「ん、んに……」
カミュ「噛むの、大変、なんだけど……」
早苗「おこわです」
早苗「パンを食べながら、お米にも同時に感謝できるものです」
早苗「よく噛んで、食べられますよ」
秋生「あちゃー……」
浩平「勘弁してくれ……つーか秋生のおっさん」
秋生「あん? おい小僧、てめぇ今オッサンって言ったか?」
浩平「言ったよ。そんなことより、あんたんとこはこんなパンばっかり置いてるのか?」
秋生「いんや。そんな事したら店がつぶれちまう」
秋生「これは早苗のパンでな、いっつも売れ残って……はっ!」
早苗「……ぐすっ」
秋生「あー、待て待て早苗、今のはただの流れで……」
早苗「わたしのパンは、わたしのパンは……」
早苗「古河パンをつぶしちゃうんですねーーーーっ!」
ダッ
あゆ「あっ、走ってっちゃった」
浩平「ってゆーかパン置いていくなよ……」
秋生「てめぇのせいだぞコラァ。大人しく無言で早苗のパンをかみ締めていれば……」
浩平「感想と疑問を言ったまでだろが」
浩平「ってか不満をもらしてたのは俺だけじゃないだろ……」
秋生「くっ……」
ばっ
カミュ「わっ、さっきのパンくわえた」
秋生「俺は大好きだあああーーーーーっ!」
ダダダッ
あゆ「……うぐぅ、秋生さんも走って行っちゃった」
みちる「んに、二人とも特別ゲストさんなのに……」
美凪「これは……やはり、果たし状を掲げなければいけないのでしょうか」
浩平「っていうかお前ずっと黙ってたな」
美凪「……いえ、きっと米粉を使った普通のパンもあるはず」
美凪「ならばみだりにつきつけるわけにも……」
浩平「一人の世界に突っ走ってただけか」
カミュ「あ、あの……」
あゆ「ああ、うん。もう終わりにしちゃうから。後でゆっくりとお話しようね」
カミュ「……うん、ありがとうっ」
みちる「しょーがない。今回はこれにてしゅーりょー!」
浩平「最後の最後で悪いんだが、この残ったパンはどうするんだ」
みちる「誰かにあげて。んじゃあねーっ!」
あゆ「カミュちゃん、行こうっ」
カミュ「うんっ」
浩平「あ、おいお前らっ!」
浩平「仕方ないな……おいこら、そこのトリップお米券娘」
美凪「……お米券……お米券……」
浩平「……眼中にあらず、って感じだな」
浩平「しょうがない。こんなのを食べてくれそうな人って言ったら……」

<古河パン販売戦略会議をすべきでしょうか>


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