『AIR偽小説第二百二十六弾』

懲りずに第二百二十六弾です。
私事ですが、近いうちに生活環境が変わる予定です。
そうなると、果たして今までのようにSSを書き続けられるのか……
おそらく、書いてられなくなるでしょう。
となると、ここもその時の弾で打ち止めになっちゃうのかなぁと。
そこはなんか悔しい気もするので、なるべく今のうちに書いておきたいです。
とはいえ……1つにつき40分以上は費やしてるので、一日使ったとしてもせいぜい1,20
って、そんな書けるわけないやーん。


『4行小説』

★美凪
「……おはこんばんちは」
「なぎーの、お米券万歳の時間です」
「いえ……今回のテーマは自己紹介……」
「遠野美凪、天文部部長です。趣味はお料理と読書です。お米を愛する日本人です。お米券を手元に、日夜頑張って……」

真琴「あぅーっ、長いわよぅ」
美凪「紹介を切られてしまいした……」
美凪「日本人は……お米族なのに……」
真琴「関係あるのぉ?」
美凪「さて、今回のアシスタントは川名真琴さんです」
真琴「ちっがーう! 沢渡真琴!」
美凪「本当は妹である美坂栞さんにいらしてほしかったのです」
美凪「なぜなら、みちるがいないのです……司会をするために……」
真琴「それでなんで栞なのよぅ」
美凪「二人の共通点は妹。そう、今回の特別ゲストさんには妹さんがいらっしゃるのです」
真琴「ふーん」
美凪「しかたがないので真琴さんで妥協しました」
真琴「妥協ってなによぅ!」
美凪「人生に障害はつきものです」
真琴「わけわかんないわよぅ!」
美凪「それでは、特別ゲストさんをお招きしましょう……」
美凪「春原陽平さん&春原芽衣さんです」
春原「や、やあ……」
芽衣「こ、こんにちは」
春原「いきなりだけどさ、ここ、どこ?」
美凪「安心してください。とって食われたりはしません」
美凪「これを受け取って、是非お二人とも安心しましょう」
すすっ
春原「これは……お米券?」
芽衣「あ、あのう……」
真琴「ちょっとぉ、ちゃんと説明しないと戸惑うでしょう?」
美凪「おまじないです。実はここはかくかくしかじか……」
……
美凪「……というわけなのです」
春原「へええ、四行小説ねえ」
芽衣「要するに、色んな人とお話ってことだね」
美凪「納得してくれました」
美凪「なんという便利な言葉なのでしょう、かくかくしかじか」
美凪「今後も私は、サボるために是非使い続けます」
春原「サボるってあんたね……」
美凪「では、真琴さん。四行を是非お願いします」
真琴「う、うん……」

★真琴
「沢渡真琴よ」
「えっとね、大好きなのは肉まん」
「漫画も好きかなぁ」
「皆も好きなもの教えてね」

春原「……」
芽衣「……」
真琴「ど、どうしたのよぅ」
美凪「……人選ミス」
美凪「やはり、無理にでもみちるをアシスタントに迎えたいところでした」
真琴「ちょ、ちょっとぉ!」
美凪「初登場にして、同じ妹立場の人物」
美凪「しかも同じ声。こんなおいしい設定の人が他にいるでしょうか?」
美凪「いえ、いないと言っても過言ではありません」
真琴「ふーんだ。だったらさっさと呼べばいいじゃない」
美凪「……けれども、私は真琴さんをアシスタントに任命しました」
美凪「みちる以外の人選で、かつ神奈ちんのアシスタントとかぶらないようにの人選です」
美凪「それは、真琴さんを信頼してのことです」
真琴「さっき人選ミスとか言ってなかったぁ?」
美凪「みちると比べて、という事です」
真琴「……まぁ、そういう事なら納得してあげるけどぉ」
春原「あのぅ、僕たちほったらかしなんスけど」
美凪「……春原さん」
春原「なに?」
美凪「真琴さんの四行は、どうでしたか」
春原「どう、って言われても……」
芽衣「あのあのっ、好きなものを知って仲良くしてほしいってことですよねっ」
真琴「そうそう、そうなのよぅ!」
真琴「決して、他のひとみたいにたかったりしないからねぇ」
芽衣「たかる?」
真琴「あ、そういう人もいるってことなの」
美凪「みさきちんはその代表ですね」
美凪「……いえ、みさきちんは自己紹介せずともお腹を空かしておられますが」
春原「たかるって、食べ物の話?」
美凪「そうです……お米券を、いつも快く受け取ってくれます……」
春原「そいや礼言ってなかったね。サンキューっ」
美凪「……ぽ」
春原「え、照れた?」
美凪「……素直な、いいお返事です」
春原「そ、そう」
春原「なんか君可愛いね。ひょっとして僕に気があったりする?」
美凪「……ぽぽ」
春原「ええっ、マジ!? いやぁーははは、どうしよっかなー。そりゃあ僕としては大歓迎だけど」
美凪「……ぽぽぽ」
春原「じゃ、じゃあ、つ、つつつ、付き合ってくれる?」
芽衣「ちょっと、おにいちゃん」
春原「なんだようるさいな。今大事な話をしてるんだからだまって……」
タタタタッ
春原「……ん?」
ガスッ
春原「ごはあっ!?」
芽衣「わあっ、おにいちゃんがふっとんだ!?」
みちる「美凪に変な目でちかづくなーっ!」
美凪「……みちる」
みちる「大丈夫だった、みなぎ?」
美凪「ええ……」
美凪「みちるの、気配と足音を感じて、より照れてしまいました」
芽衣「そういう事だったんだ……」
みちる「えへへーっ」
美凪「けれども……どうして?」
みちる「アシスタントは無理だけど、ゲストなら大丈夫かなーって」
みちる「まことによばれたんだよ」
美凪「真琴さんに……」
真琴「ふんっ。べ、別に美凪のために呼んだわけじゃないわよぅ」
美凪「……真琴さん」
真琴「な、なによぅ」
美凪「私は……感動しました。素晴らしいアシスタントさんに乾杯、です」
真琴「そんなほめることじゃ……」
美凪「つんでれアシスタント王、一号に任命です……」
真琴「……それって褒められてる気がしないんだけど」
美凪「お礼のお米券束をどうぞ……」
芽衣「うわっ、本当に束になってる」
真琴「真琴がもらっても……うーん、後で秋子さんにあげよっかなぁ」
美凪「では……」
みちる「うんっ」
美凪「四行、再開です……。まずは、みちる……」
みちる「うんっ!」

★みちる
「みちるだーいっ」
「好きなものははんばぁぐ」
「ただいましゃぼん玉に挑戦中っ!」
「特技はとび蹴りっ!」

春原「上等だコラぁ! さっきからほったらかしにしやがってええ!」
芽衣「お、おにいちゃん、子供相手にみっともないって」
春原「離せ芽衣っ! 男にゃやらなきゃいけない時があるんだよっ!」
春原「そう、美凪ちゃんという彼女を手に入れるための障害を乗り越えるっていう事をなあ!」
美凪「……?」
真琴「いや、呆けてないで。あんたが勘違いさせるような照れ方したからでしょ?」
美凪「……」
美凪「……ぽ」
真琴「こりゃだめね……」
みちる「みなぎをお前なんかの彼女にしてたまるかーっ」
ひょいっ
春原「あっぶねぇ。へっ、そうそうくらってたまるかってんだ」
芽衣「うわあ、ふりほどかれちゃった」
みちる「くうう、かわされたー!」
みちる「このぉ! ななしのくせに生意気だーっ!」
春原「ななしじゃねえ! 僕は春原だ!」
みちる「自己紹介のよんぎょうもしてないくせにー!」
美凪「……みちる」
みちる「んに……」
美凪「というわけで春原さん、四行をお願いします」
春原「え……あ、ああ……」

★春原
「えーっと、春原陽平です」
「いっとくけど、僕強いからね」
「今まで何百人の猛者を葬ってきたかわからないくらいに喧嘩にあけくれて……」
「で、最初に蹴りをくらってあげたのはサービスってやつさ」

芽衣「おにいちゃん、またそんな見栄張って……」
みちる「んに、はりこのとら?」
芽衣「あ、うん」
春原「ってコラー! 張子の虎じゃねー!」
真琴「ノせられて四行やってる時点でどうかと思うわよぅ」
春原「へへん、僕の鋭い突きを見ればそんな考え吹き飛び、認識するさ」
春原「どうあがいても、僕に触れることさえできない、その現実にね」
真琴「さっき芽衣におもいっきり羽交い絞めにされてたじゃないのよぅ」
春原「羽交い絞めになんてされてねーよっ!」
美凪「その芽衣さんからみて、春原さんはどうですか」
芽衣「え、うーん……虚勢をはって自爆しています」
春原「んなこと言うなあっ!」
みちる「……しょーがない」
みちる「めいにめんじてかんべんしてやるからなーっ」
春原「なんで芽衣に免じられなきゃならないんだよっ!」
ごすっ
みちる「んにょへっ」
芽衣「うわあっ。おにいちゃん! 女の子に暴力ふるっちゃだめでしょっ!」
春原「やってきたのはこいつからだろっ! 喧嘩両成敗だよ!」
真琴「四行で、やらせてあげたって言ってたくせにぃ」
春原「今更そんなとこに突っ込むなっ!」
がすっ
春原「ごはあっ!」
みちる「ひっさつかうんたー!」
春原「てめえっ、このぉっ!」
美凪「……こうして、憎しみの連鎖は続いていくのでした」
美凪「……しかしそれは、いつしか、じゃれあいとなり、平和の象徴となるのでした」
美凪「めでたし、めでたし……」
芽衣「み、みちるちゃんのお姉さん、止めてくださいっ」
真琴「いいのよぅ。いっつもみちるは、往人ってやつと似たようなことやってるから」
真琴「つまりは日常の風景なのよぅ」
芽衣「で、でも……」
美凪「真琴さんの言うとおりです……」
美凪「今は、春原さんのひつまぶしをみちるで受け止めてもらいましょう」
芽衣「ひつまぶし?」
美凪「というわけで、芽衣さん。四行をお願いします」
芽衣「は、はい……」

★芽衣
「春原芽衣です」
「いきなり、兄が迷惑をかけてしまって困っています」
「もうちょっとしっかりしてくれると、わたしも安心できるんだけどなぁ……」
「住んでるところが田舎の方なので、都会にちょっぴりあこがれています」

真琴「そんなに田舎からきたの?」
芽衣「はい。東北の方です」
真琴「ふぅーん」
美凪「……今気付きました」
芽衣「何にですか?」
美凪「芽衣さん、と呼ぶと、名産、とよく誤変換をおこしますね」
住井「ってそんなしょうもない反応をするなーっ!」
真琴「わ、いきなり現れたわよぅ」
美凪「……いきなりハリセンで私の頭をぶったのは、住井護さんです」
美凪「芽衣さん、執拗に気をつけてください」
芽衣「え、えっと……」
住井「こら、殴ってないだろ?」
住井「そんなことより、だ。春原って奴は……」
真琴「あっちでみちると格闘してるわよぅ」
みちる「にょわわっ! こいつなかなかのぱんち!」
春原「へっ、そういうお前も。ちっちゃいくせにやるじゃねーか」
春原「誰か鍛えてくれてる師匠でもいるのか?」
みちる「そんなのいるかーっ!」
住井「何やってんだあいつは……」
芽衣「はあ。おにいちゃん……」
住井「って、もしかして、あんたがあいつの妹さんか?」
芽衣「は、はいそうですけど」
住井「ふむふむ……」
芽衣「な、なんですかっ」
住井「いや。まずは四行だな」
真琴「勝手に納得して進めてるわよぅ」
美凪「……」

★住井
「住井護だ」
「折原の……って、折原を知らないよなこの二人は」
「名字表記……ひいては、脇役という立場を崩そうと日夜努力している者だ」
「そこで、芽衣ちゃんに協力を請いたい」

芽衣「わたし……ですか?」
住井「そうだ。名字表記の春原、しかしその妹は名前表記」
住井「こういう強いつながりを持つ奴は初なんだよ」
住井「一緒に来てくれ。なに、悪いようにはしない」
芽衣「な、何をするんですか?」
住井「悪いようにはしないって言ってるだろ?」
住井「どうせ特別ゲストは色んなやつに引き抜かれていく運命なんだ」
住井「あんたは俺という人間の標的だ、それだけだ」
芽衣「わっ、ちょ、離してくださいっ」
真琴「そうよそうよぅ、離しなさいよぅ」
住井「だまれっ。これは千載一遇のチャンスなんだ」
美凪「……これからもチャンスくらいはくると思いますが」
住井「気まぐれにしか呼ばれない俺らに対してそういう台詞がはけるもんならはいてみろ」
美凪「……これからもチャンスくらいはくると思いますが」
住井「って本当にはくなっ! しかも同じ台詞かよっ!」
美凪「……住井さん」
住井「なんだよ」
美凪「部長同盟の集いの足跡を……」
住井「は?」
美凪「それから……」
美凪「強いつながりをもつ方に手出しをすると……」
美凪「てんばつをくらいますよ」
住井「天罰だあ?」
芽衣「い、痛いっ、そんな強く腕をつかまないでくださいっ」
住井「どんな天罰がこんなとこにくるってんだよ。いいかげんなことを……」
春原「芽衣をいじめてんじゃねええええええーっ!」
どげんっ
住井「ぐほあっ!?」
真琴「あ、護が消えて陽平が現れたわよぅ」
春原「芽衣、大丈夫か!?」
芽衣「おにいちゃん……」
みちる「あーっ。みちるとの勝負を逃げ出してあんなところにー!」
春原「逃げてねー! てめえ、そこで待ってろ!」
みちる「へへーん、つかまるもんかー」
春原「このぉっ!」
ダダダダッ
芽衣「おにいちゃんっ! もう、行っちゃった……」
美凪「……姉弟、姉妹、兄妹」
美凪「それぞれ、まもるために懸命になるのです……」
美凪「みちるも……ぽ」
真琴「っていうか、二人ともいっちゃったんだけど、いいのぅ?」
美凪「……ええ。とっても仲良しさん……」
美凪「……よかったね、みちる」
真琴「だめだこりゃ……」
住井「うぐっ、ひどいめにあった……」
住井「ちきしょう、話をするどころじゃないな……」
芽衣「話をする前に連れていこうとしたのはあなたの方ですっ」
住井「だから、悪いようにしないってのに……」
美凪「では、最後のゲストさんです」
オボロ「……」
住井「おわっ! ヒカリモノ持ち!?」
美凪「オボロさんです」
オボロ「あのな、俺はユズハがここにいると聞いてきたんだが」
オボロ「どこにもいないじゃないかっ!」
美凪「ユズハさん……ですか」
オボロ「ああ、ユズハだ」
美凪「……冗談です」
オボロ「はあ!?」
美凪「後でお連れしますので、今は四行をお願いします」
オボロ「……」

★オボロ
「オボロだ」
「兄者のもとで侍大将を……」
「って、そんな自分の紹介よりユズハだ」
「早く案内しろーっ!」

芽衣「あ、あのう……」
真琴「かんっぜんにシスコンよぅ」
住井「暴れるとその腰のやつで切りかかってきそうだな……」
オボロ「やったぞ。早くしろ」
美凪「では……そこの住井さんが案内してくれます」
住井「俺っ!? いや、知らないし……」
オボロ「なにぃ〜」
美凪「しらを切ってるだけですので、尋問してあげてください」
オボロ「ほほぉ……」
住井「ひいっ!? こ、こらちょっと待てよ、俺は本当に……」
オボロ「ユズハをどこにやったー! このぉ!」
住井「ぎえええ! と、遠野、覚えてろよー!」
ダダダダッ
真琴「……また二人いっちゃったんだけど」
芽衣「よかったんですか? 住井さん、本当に知らないんじゃ」
美凪「……ごしんぱいなく」
美凪「登場時にヒントを……与えました」
美凪「……えっへん」
真琴「うわぁ、いばってる」
芽衣「あ、あははは……」
美凪「今回の結論は……」
美凪「兄は、妹想いばかり、です」
真琴「そうよねぇ。たしか、晴香のお兄さんもそうだったし」
美凪「……ええ」
美凪「芽衣さん、どうでしたか」
芽衣「そうですね……。あんな、どうしようもない兄ですけど……」
芽衣「わたし、おにいちゃんのこと大好きです」
美凪「これからも……」
美凪「……みちるのいい遊び相手でいてあげてください」
芽衣「いえ、わたしほとんど話をしてないんですが……」
芽衣「っていうかおにいちゃん、小さい女の子と張り合ってるって……」
真琴「ま、こんなとこよねぇ」
真琴「折角真琴が呼んだから最後までいると思っていたのにぃ」
美凪「次回……その成果を活かさせていただきます」
美凪「そう……お米券にかけて……」
美凪「……ガッツ」
真琴「……」
芽衣「美凪さん、次回って、何かあるんですか?」
美凪「……ぽ」
芽衣「え……な、なんで照れるんですか?」
美凪「……」
美凪「みちると同じ声で……」
美凪「……“美凪さん”と呼ばれたのは初めてなのです」
真琴「そういえばそうよねぇ。舞は“美凪”って呼ぶし」
美凪「えもいわれぬ新鮮味……」
美凪「思わず……照れてしまいました」
芽衣「は、はあ」
真琴「質問が途中になってたけど、次回って何かあるんでしょ」
美凪「はい……」
美凪「……では」
美凪「今回は、ここまでです」
真琴「おしまいよぅ」
芽衣「はーいっ」

<ボンバヘッ>


戻る