懲りずに第二百二十五弾です。
★神奈
栞「そして私がアシスタントなんですね。あゆさんではないんですか?」
★栞
有紀寧「なるほど。四行連続で語るのですね」
★有紀寧
栞「資料室……と聞くと固いイメージがあるのですが」
★繭
神奈「……ふと思ったのだが」
★高槻
トウカ「最初にやり放題と言っていただろう」
★トウカ
栞「真の剣士、という感じですね」
<イツモトナリデミテマスイツモハイゴデミテマスイツモマエカラミテマス>
人数増えすぎで、やたら時間くってます。
人数制限かけようかな……という気によくなります。
つーか6作品になってる時点で加減すべきなんですよねえ……。
まったく……なんですか、もう。
『4行小説』
「今回は特別げすとが登場だそうだの」
「お題は自己紹介であったか……余は神奈備命、神奈でよいぞ」
「お手玉が得意である」
「最近は人物紹介はお休みだ。……こんなとこかの」
神奈「こたびは特別げすとと申したであろ」
栞「はい」
神奈「ならば初対面。あゆ殿は初対面の人物を語ることに抵抗があるゆえ……」
神奈「そこで、なるべくおとなしめの栞殿にしたというわけだ」
栞「なるほど、よくわからないけどわかりました」
神奈「よくわからぬのでは困るのだが……」
栞「そもそも、佐祐理さんの方がよかったのではないですか?」
神奈「佐祐理殿は今姉弟同盟とやらで忙しいそうなのだ」
神奈「たしかつい最近一也殿を佳乃殿が連れてきて……」
神奈「特別げすととやらでも次々と来て、それが揃ったそうなのだ」
栞「なるほど、それだとお願いできなさそうですね」
神奈「そうなのだ。佐祐理殿はやけに張り切っておっての」
栞「とにかくそれでは仕方がありません」
栞「早速こちらのゲスト招きに参りましょう」
神奈「なにやら急ぎ気味だの」
栞「ちょっと、姉妹同盟に参加しているのを思い出しまして……」
栞「今回ゲストさんが増えたことにより、より姉妹の数が増えるのではないかと」
栞「そうなると、ますますアイスを食べる機会が……」
神奈「余の人選は間違っておったかの……」
神奈「長くなったが、此度の特別げすとである。宮沢有紀寧殿だ」
有紀寧「こんにちは〜」
栞「こんにちは、美坂栞です」
神奈「神奈だ」
有紀寧「はい。よろしくお願いしますね」
神奈「うむ、有紀寧殿は……とその前に、自己紹介を四行でせねばな」
神奈「手本としてみてるがよい。要領がわかるはずであるぞ」
有紀寧「はいっ、わかりました」
栞「……なんだか、佐祐理さんと雰囲気が似ています」
「えっと、美坂栞です」
「趣味は絵を描くことです」
「祐一さんから戴いた色鉛筆はとても嬉しかったです」
「好物はアイスですので、是非用意していただけると有難いです」
有紀寧「今回は、自己紹介をそれにまとめる、と」
神奈「物分りがよくて助かる、そのとおりであるぞ」
有紀寧「アイスを用意するのは難しいですけど……」
栞「無理ですか?」
有紀寧「残念ながら……」
栞「仕方がありません」
神奈「こほん。では有紀寧殿の四行であるぞ」
有紀寧「では……」
「宮沢有紀寧です」
「よく、資料室で本を読んでいます」
「お友達は沢山います。皆さんとても優しい方達ですよ」
「あと、最近の趣味はおまじないですね」
有紀寧「とても落ち着ける所ですよ」
栞「お友達が多いというのは、どのくらいですか?」
有紀寧「たくさんです」
神奈「優しいとは……どのような御仁であるかの」
有紀寧「たとえば、朋也さんや春原さんです」
有紀寧「と言っても、まだお会いしてませんよね」
栞「……名前から察するに、祐一さんや潤さんみたいな方でしょうか」
有紀寧「すみません。わたしがその方達を存じておりません」
栞「あっ、それもそうですね」
神奈「いずれ近いうちに会い見えようぞ」
有紀寧「それもそうですね」
神奈「うむ。ところで、おまじないとは、どのようなものだ?」
有紀寧「一つ、試してみましょうか」
神奈「うむうむ」
栞「あの、神奈さん」
神奈「何だ」
栞「折角ですから、次のゲストさんを招いてからの方がご一緒できていいんじゃないでしょうか」
栞「有紀寧さん、おまじないはそれからお願いしてもいいですか」
有紀寧「ええ。構いませんよ」
神奈「よし、では次なる客人よ、参るがよいぞ!」
繭「みゅーっ」
神奈「椎名繭殿であるぞ」
有紀寧「こんにちは。宮沢有紀寧です」
繭「しいなまゆ」
栞「では有紀寧さん、おまじないを……」
栞「と思ったのですが、先に繭さんの四行をするべきでしょうか」
神奈「こうなったらいっそ、すべての客人を招いた後におまじないを披露してもらうのがよいかの」
栞「そうですね、そうしましょう」
有紀寧「はい、ではそのように」
繭「??」
「椎名、繭」
「みゅーっ、だいすき」
「……がんばる」
「きかくといろいろ」
栞「どうしたんですか」
神奈「余とあゆ殿でやっていた人物紹介の、自分語り版ではなかろうか……」
有紀寧「自分語り、なんてあるんですか?」
神奈「そうであるぞ。……特別げすとが沢山きたならいずれまたやらねばならぬな」
神奈「ふむ、余はますます忙しいの」
栞「なるほど、大変そうですね」
有紀寧「でも……自分語りと自己紹介は……」
繭「ちがう(ふるふる)」
有紀寧「そうですね、違いますね」
繭「うん」
神奈「どうしてかの」
繭「じこしょうかい、今のじぶんを語るの」
繭「じぶんがたり、やりたいことも語るの」
栞「なるほどぉ」
有紀寧「意気込みが違うってことですね」
繭「うん」
神奈「ならば余はますます頑張らねばなるまいな」
神奈「では次の客人であるぞ。参るがよい!」
高槻「……いいのか、俺で」
神奈「うむ」
高槻「こんな組み合わせだと、俺の天下じゃないか。ははは、何をしてやろうか……」
神奈「そしてさらに次の客人であるぞ。参るがよい!」
トウカ「貴様、某の目の前で不埒な行いは許さんからな」
神奈「えヴぇんくるがのもののふ、トウカ殿だ」
神奈「ふふん、余はおぬしを警戒しているのだ、そうは問屋がおろさぬぞ」
高槻「やっぱりそんなオチかよ……つか、前に比べて警戒度合いが上がったな」
神奈「警戒せぬと裏葉が怒るのだ……」
高槻「そんな真相は嫌だな……」
栞「神奈さん、大胆ですね」
神奈「すごいであろ。もっと褒めるがよい」
繭「みゅーっ」
有紀寧「あの……」
神奈「いやいや有紀寧殿。まずは二人の四行を先にやるがゆえ」
神奈「さあ、心置きなくするがよい」
高槻「するがよい、って……」
トウカ「……」
高槻「なんでお前は俺に物騒なものつきつけてるわけ!?」
トウカ「神奈殿より護衛を頼まれたのだ」
トウカ「おまえが、要注意人物という事と同時にな」
高槻「……」
「えーと、高槻だ」
「とある施設の研究員だ」
「俺ってほんと信用ないな……」
「心配しなくても、こんな場では何もしないっての」
高槻「あれは言葉のあやで……って、やり放題なんて言ってねえだろ」
高槻「何をしてやろうか、って言っただけだ」
トウカ「同じことだ。それに……」
トウカ「お前からは妙な気配がずっと消えない」
有紀寧「あの……」
神奈「さ、続けてトウカ殿が四行するのだぞ」
トウカ「心得た」
繭「なにか言いかけてたの」
栞「四行の後がいいと思いますよ」
「某は、エヴェンクルガの武士、トウカと申す」
「己が剣に誇りを持ち……」
「弱き民の力となるのが某の務め」
「聖上からは固いと言われておりますが……某の信念にゆらぎはありませぬ」
神奈「うむ、立派な武士であるの」
高槻「俺はこんな奴がいる時しか呼ばれなさそうだな……」
繭「みゅーっ」
有紀寧「あの……」
神奈「おおそうであったな。では有紀寧殿、おまじないを頼むぞ」
有紀寧「いえ、おまじないの前に」
有紀寧「トウカさん、剣をしまってください」
トウカ「それはできぬ」
有紀寧「高槻さんは、悪い人ではないと思います」
有紀寧「最初から脅す形で話してはいけません」
トウカ「しかし……」
高槻「物分りがいい奴がいてくれて助かるぜ」
高槻「俺は何もしない。そう言ってくれてるんだから、その物騒なものをしまってくれよ」
トウカ「……」
神奈「高槻殿、妙なまねはせぬと誓うな」
高槻「ああ、誓う」
神奈「ならば警戒は解いてやろうぞ」
神奈「トウカ殿、剣はしまうがよいぞ」
トウカ「……仕方ありませぬ」
トウカ「ですが、もし何かやろうとしたら、一瞬であなたの首が飛ぶことを、重々承知なされよ」
ちゃきん
栞「……なるほど、抜刀術ですね」
繭「ばっとうじゅつ?」
栞「ええ。鞘の中で剣をすべらせる事により、その速度を増すんです」
栞「目に見えないほどの速さになるそうですよ」
有紀寧「目に見えないって、凄い技術ですね」
繭「みゅーっ」
トウカ「いや、それほどでも……」
高槻「よっしゃ隙あ……」
シャキン
トウカ「何をするつもりであった?」
神奈「おお、一瞬で高槻殿に刃を突きつけたの」
栞「有紀寧さん、見えましたか?」
有紀寧「いいえ……なるほど、これが抜刀術なんですね」
繭「すごい」
高槻「な、何もしようとしてない! 言っただけ、だから収めてくれ!」
トウカ「まったく……」
ちゃきん
高槻「……俺、心入れ替えようかな」
トウカ「何だその口ぶりは。貴様は、入れ替えないでここに来たのか?」
高槻「い、いえっ! ……って、これ完全に脅しじゃねーかよ」
高槻「まったく疲れるところだな……」
神奈「そろそろ終わりにしようかの。というわけで、最後に有紀寧殿のおまじないを見せてもらうぞ」
栞「そうですね、そうしましょう。お願いします」
繭「みゅーっ」
有紀寧「はい。では……動きが早くなるおまじないを」
高槻「それはすげえな」
栞「そうなったら、ますますトウカさんの剣が早く動きますね」
トウカ「そうなのか?」
繭「すごい」
神奈「どのようにするのだ?」
有紀寧「自分の体の、早くなりたい箇所に口付けをします」
高槻「……足だな」
神奈「余は手にするぞ」
トウカ「某も手に」
栞「私は指先にします」
繭「うで……」
有紀寧「その後、心の中でイダテンヨコシマカゼノゴトク、と三回唱えてください」
一同「イダテンヨコシマカゼノゴトクイダテンヨコシマカゼノゴトクイダテンヨコシマカゼノゴトク」
有紀寧「はい、結構です」
有紀寧「これで……」
神奈「どうしたのだ?」
高槻「どれどれ……うーん、早くなった気がしないんだが……」
ぶんっ
ちゃき
高槻「あっぶねぇ! 俺は何もしてないだろ!」
トウカ「いや、確かめただけだが……変わりないな」
栞「いつもの通りの動きです」
繭「みゅーっ」
有紀寧「すみません、これは動かなくなった四肢に対するおまじないでした」
有紀寧「再び動くように、と」
高槻「それはそれで凄いんだが……」
神奈「うむ、余もそう思うぞ」
栞「それにしてもさっきから高槻さんが積極的に前に出てますね」
繭「すこしにげてるの」
トウカ「何? 逃げてるだと?」
高槻「どわあっ、とりあえず近寄るな! っていうか本当に何もしてないから!」
有紀寧「ちなみに、元々動いている所だと特に効果はないそうです」
トウカ「……有紀寧殿」
有紀寧「はい?」
トウカ「それは、もしかして見えなくなった目には有効か?」
有紀寧「四肢、ですから無理かもしれません」
トウカ「そうか……すまぬ、聞かなかったことにしてくれ」
有紀寧「あ、はい」
神奈「では、此度はこの辺でしまいかの」
栞「今度は、アイスが沢山食べられるおまじないがいいです」
高槻「えらく具体的だな……」
有紀寧「繭さんは何かしたいおまじないはありますか?」
繭「みゅー……」
有紀寧「そうですか、また考えておきます」
繭「みゅーっ♪」
高槻「今の通じたのか……」
栞「ちょっと不思議です」
トウカ「それもまた教わっておきたいものだな」
神奈「ではこれまでとする!」
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