『AIR偽小説第二百二十四弾』

懲りずに第二百二十四弾です。
人数が増えてきすぎると、出現率に気を配っていられなくなります。
元々、それぞれをそれなりにバランスよく……
というのがモットーのはずなんですが、こうも人が多いと……
その達成についてはFoolisさん作成の出現率表を見れば一目瞭然ですけどねっ(爆)
それはそれとして、後々、少々調整のため作品限定版を重ねようかと思います。
ま、好き勝手な作品だしー。


『4行小説』

★風子
「伊吹風子です」
「初登場で司会を任命されました」
「テーマはもちろんヒトデです」
「風子、頑張ります。皆にヒトデの可愛さを広めます」

佳乃「そして、任命者&アシスタントのかのりんだよぉ」
佳乃「さっすがふぅちゃんは要領がいいよねぇ」
風子「風子の名字、いきなり打ち間違いをされました」
風子「最悪です」
佳乃「まぁまぁ、ふぅちゃんは可愛いからしょうがないよぉ」
風子「可愛くて打ち間違いをされてはたまりません」
風子「今度は風向と間違えられました。かなり最悪です」
佳乃「よぉし、あたしの四行で気分転換だよぉ」

★佳乃
「ヒトデさんは可愛いのは認めるよぉ」
「もちろんふぅちゃんも可愛いけどねぇ」
「ぎゅぎゅっってしたくなっちゃうよぉ」
「というわけでどっちも可愛いってことで解決っ!」

風子「あっ」
佳乃「どうしたのぉ?」
風子「ヒトデをプレゼントしていませんでした」
佳乃「プレゼント?」
風子「風子が作りました。受け取ってください」
佳乃「うわぁ、すごい芸術家さんだねぇ」
風子「褒められると風子、照れてしまいます」
佳乃「ありがたくいただくねぇ」
ぎゅっ
風子「そうです。ヒトデをぎゅっとするとまた可愛いです」
風子「…………」
佳乃「あれっ、ふぅちゃん?」
風子「…………」
佳乃「おーい、ふぅちゃーん」
風子「…………」
佳乃「ほわわ〜んってしてるよぉ。可愛いからふぅちゃんも抱きしめちゃうよぉ」
ぎゅぎゅぎゅっ
風子「…………」
風子「…………」
佳乃「よいしょっと。おーい、ふぅちゃーん」
風子「……そう、可愛いんです」
佳乃「なるほどぉ。ふぅちゃん隙だらけで抱きしめ放題ってわけだねぇ」
風子「風子、抱きしめ放題じゃないです」
佳乃「まあまあ。……そうそう、ゲストさんを呼ばないとねぇ。どうぞーっ」
祐一「俺かよ……」
風子「わっ、ヘンな人です」
祐一「いきなり失礼な奴だな」
佳乃「相沢祐一くんだよぉ」
風子「このようなヘンな人をゲストとして選んだ記憶はありませんが」
佳乃「今回はあたしのチョイスだからねぇ。我慢してねぇ」
祐一「ますます失礼な奴だな」
祐一「まぁいい……えーと、自己紹介だっけか」
風子「違います。ヒトデです」
風子「ヒトデの可愛さにメロメロになるのがあなたの使命です」
祐一「いや、使命っていわれても……」
佳乃「さあ祐一くん。ヒトデで四行だよぉ」
祐一「……自己紹介じゃなくて?」
佳乃「そうだよぉ」
祐一「つーか待てよ。こいつは誰なんだよ」
佳乃「ふぅちゃんだよぉ」
祐一「フルネームだ」
風子「ヘンな人に名乗る必要はありませんっ」
祐一「……なぁ、怒っていいか」
佳乃「だめだよぉ。ふぅちゃんは可愛いんだからね」
祐一「……怒らないから、フルネームくらい教えてくれ」
風子「先にあなたが名乗るのが筋です」
祐一「佳乃が紹介してただろが……相沢祐一だ」
風子「伊吹風子です。とりあえずやってみてください、ヘンな人」
祐一「ヘンな人言うな。相沢祐一様と呼べ」
風子「……」
祐一「どうした」
風子「ヘンな人ではなくあやしい人でした。佳乃さん、通報していいですか」
佳乃「そうだねぇ。近頃は無いことでも訴えれば冤罪発生率が非常に高くなるっていうからねぇ」
祐一「すいません、相沢さんと呼んでください」
祐一「って、冤罪なんてすなっ!」
風子「わーっ」
佳乃「もぉ、冗談に怒っちゃだめだよぉ」
祐一「その冗談はタチが悪い……」
祐一「で、なんだ。えーとヒトデだっけか」
佳乃「そうだよぉ」

★祐一
「ヒトデねえ……」
「海の中で気持ち悪いって印象なんだが」
「ぶつぶつとかさ」
「だいたい、なんでここだけ勝手にテーマが変えられてんだか……」

風子「もう、本当に最悪です」
祐一「最悪かよ」
風子「ヒトデを気持ち悪いなんて、相沢さんはヒトデナシです」
風子「はっ、ヒトデを絡めた言葉はよろしくありません」
風子「相沢さんはロクデナシです、に訂正します」
祐一「……殴っていいか」
風子「わーっ」
佳乃「もぉ、祐一くん。か弱い女の子をいじめちゃだめだよぉ」
祐一「俺がいじめてるように見えるのか? これで?」
風子「いじめてます」
風子「ヒトデをけなすなんて、いじめっこの証です」
祐一「関係あるのかよ……」
佳乃「えーっと、次のお客さんを招くよぉ」
茜「……」
茜「……こんにちは」
風子「……こんにちは」
茜「里村茜です」
風子「伊吹風子です」
風子「あの、これを受け取ってください」
茜「これは星……いえ、ヒトデですか」
風子「はいっ。風子、一生懸命作りました」
茜「ありがとうございます」
祐一「なんでわかるんだ……」
茜「テーマがヒトデですから」
祐一「……」
風子「それでは茜さん、四行をお願いします」
茜「では……」

★茜
「ヒトデは、ぱっと見海で蠢いている姿を想像しがちですが……」
「乾燥したヒトデ、そしてこうして木で象ればどうでしょうか」
「直に手で気軽に触れ、形を楽しんで……」
「まずはそこから入ると魅力がわかるのではないでしょうか」

祐一「……」
佳乃「どうしたのぉ?」
祐一「なんで俺と違って里村はこんなにスムーズなんだ?」
佳乃「それはねぇ」
風子「相沢さんがヘンな人だからです、そうと言っても過言ではありません」
風子「いいえ、ずばり過言ではないでしょう」
祐一「ご丁寧にどうも」
風子「いえいえ、礼にはおよびません」
祐一「礼じゃねえぞ」
茜「……照れですか」
祐一「違う」
佳乃「さあてと、ふぅちゃんは納得かなぁ?」
風子「はい。茜さんの四行はばっちりでした」
風子「そこはかとなく立派な四行でした」
祐一「どんな四行だ……」
茜「評価が済んだのなら次をお願いします」
佳乃「そうだねぇ。では次のゲストさんどうぞ〜」
郁未「で、私なわけね」
風子「わっ」
郁未「……はいはい、自己紹介するわよ。天沢郁未」
風子「……伊吹風子です」
郁未「で、私にヒトデはくれるの?」
風子「ほしいんですか」
郁未「ええ」
風子「では……どうぞ」
郁未「なるほど、これがそうなのね」
郁未「ふんふん、いい具合に作ってるじゃない。器用なのね、あなた」
風子「……」
風子「はっ」
風子「風子、褒められました」
祐一「そらよかったな」
茜「……扱いがうまいですね」
郁未「ひ、人聞きの悪いこと言わないのっ」
佳乃「というか、いくみんはヒトデを可愛いって思ってる?」
郁未「それは……四行で、でしょ。あといくみん言うな」
風子「そうでした。四行をお願いします」
祐一「今更だけど、初参加でよく司会なんてやってるよな……」

★郁未
「ヒトデはねぇ……」
「……あー」
「そう、人形、みたいなものかしらね」
「ほらなんていうの、いつも傍で抱いて一緒にいたい、みたいな」

祐一「ほんとかよ……」
郁未「言ったわね……。ほら、こうやって抱いてみるんだから」
ぎゅっ
風子「…………」
風子「…………」
佳乃「あっ。だめだよぉいくみん。ふぅちゃんがトリップしちゃうんだからぁ」
佳乃「ヒトデをぎゅっってする姿が実に可愛いって思っちゃうんだからね」
茜「なるほど。本当に扱いを心得ているみたいですね」
祐一「ずるい奴だな……」
ぱっ
郁未「誰がずるいって?」
祐一「お前だお前」
風子「はっ」
茜「戻りましたね」
佳乃「抱くのをやめたからだねぇ」
祐一「どうやったらいい反応をするかって知ってたんならそのとおりにすればいいだけじゃないか」
祐一「だったら、俺もヒトデを抱けばオッケーだろ」
風子「それは違います」
祐一「なんでだよ」
風子「ヘンな人が抱いていても可愛くありません」
風子「むしろ気持ち悪いです。いえ、ヒトデが可哀想です」
祐一「……」
祐一「もういい、とっとと次行ってくれ」
郁未「あんたもカタナシってやつね」
祐一「ってか相性が悪いんだろうな……」
佳乃「じゃあふぅちゃんが招いてみてね」
茜「……次で最後、でしたか」
風子「はい。風子、頑張ります」
風子「次は……ヒトデ大好きなクロウさんです」
クロウ「なんであっしなんでやすかね……」
風子「名前は既に佳乃さんから聞いたので分かっています」
風子「ヒトデが好きだとも聞きました」
風子「伊吹風子です。これをどうぞ、受け取ってください」
クロウ「……はぁ、どうも」
クロウ「って、ヒトデってなんですかい」
風子「ヒトデを知らないんですか?」
クロウ「はあ、まあ……」
風子「風子、びっくりです。これは大変です、一大事です」
風子「クロウさんは人生の60%を損しています」
風子「こんなに可愛いのに……」
クロウ「……?」
風子「…………」
風子「…………」
風子「…………」
祐一「おーい」
佳乃「ふぅちゃんがあっちの世界へいっちゃったねぇ」
風子「…………」
風子「…………」
風子「…………」
郁未「これでわかったでしょ茜、祐一」
茜「何がですか」
郁未「私がずるいんじゃなくて、この風子のトリップ具合が異常なだけって」
風子「…………」
風子「では、風子がヒトデについて語ります。ヒトデとは……」
祐一「うをっ! いきなり戻って解説を始めた!」
茜「やっぱり好きゆえに知識は豊富なのでしょうね」
風子「いえ。ことみさんから沢山教えてもらいました」
風子「ひょっとしたら、風子よりヒトデマスターかもしれません」
祐一「なんだよヒトデマスターって……」
風子「改めていきます。ヒトデとは……」
クロウ「……」
クロウ「ちょっとちょっと、佳乃のあねさん」
佳乃「ん? 何かなぁ?」
クロウ「あっしはね、勝手に連れてこられたのは……」
クロウ「人生を損しているとかさげすまれるためじゃなかったと思ったんですが……」
祐一「あんたも大変だな……」
クロウ「同情するってことは、にいさんも同じ境遇なんですかい」
祐一「まぁ、そんなところだ」
クロウ「お互い苦労しやすねえ」
郁未「って、風子の語りを二人そろって無視なわけね」
茜「聞いてもしょうがないのではないですか」
茜「後で調べればよいことですので」
郁未「いや、四行やるには必要な知識でしょ」
茜「だったら、呼ぶべきではないのです。ゲストに」
茜「……佳乃のせいですね」
佳乃「ふえっ? 違うよぉ、なんであたしのせいになるのかなぁ」
茜「元々は佳乃が連れてきたのではないですか」
佳乃「それはそうだけどぉ……」
クロウ「うい、わかりやした!」
風子「わわっ」
風子「いきなり叫ばないでください。風子、びっくりします」
クロウ「すいやせんね。ですが……いつまでも聞いているわけにもいかないんで……」
風子「なるほど。では限られた知識の中、ヒトデ語りをどこまでできるか、風子は見届けます」
クロウ「ういす!」
祐一「なんか大げさだな……」

★クロウ
「風子のあねさんのヒトデを見てて気付いたことがありやす」
「この、四行の語りってやつですかね」
「名前の横にある印なんですが……」
「ヒトデに似てやせんかね?」

風子「いいところに気付きました」
風子「けれども、感想が述べられていないので50点です」
クロウ「かぁーっ、厳しいでやすねぇ」
祐一「いや、そこまで厳しくしなくても、たしかに着眼点はいいと思うが……」
佳乃「ふんふん、それは一理あるねぇ」
茜「星型、という点ですけどね。似ているのは」
郁未「だから何、という気もするけど……」
佳乃「じゃあクロウさん。感想はあるかなぁ?」
クロウ「ヒトデは……」
風子「可愛いですよね」
風子「可愛くないなんて意見が出たら、風子立腹します」
祐一「いいから喋らせてやれよ」
クロウ「ひ、ヒトデは……」
郁未「困ってるみたいだけど」
茜「風子の剣幕に気圧されたんでしょう」
風子「風子、剣幕なんて凄くありません」
風子「どちらかというと、風子は物腰が落ち着いています」
祐一「なんだそりゃ……」
佳乃「さあクロウさんっ。感想をお願いするよぉ」
佳乃「今回はそれで締めにしちゃうからねぇ」
クロウ「えー、ヒトデは……そ、そう、不思議な生き物でやす!」
郁未「なんだか無理矢理な感想ね」
風子「……」
茜「黙ってしまいましたか」
風子「不思議の国のヒトデ……ありです!」
祐一「ありかよ! つーか不思議の国のヒトデってなんだ!」
クロウ「ふぅ、助かりやした」
佳乃「オチがついたところで終わりだよぉ。じゃあふぅちゃん、終わり宣言をしてねぇ」
風子「ヒトデサイコーです」
佳乃「はいっ。おしまいだよぉ」
祐一「どういうおしまい宣言だ……」
茜「……風子は、おそらく広め続けようとするのでしょうね」
クロウ「疲れやした……」
郁未「つーかいいかげん呼ぶ人減らしなさいよって思うんだけどね……」

<ヒトデです>


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